この記事の要点
ピタゴラスの定理(三平方の定理)とは、直角三角形の2辺の2乗の和が斜辺の2乗に等しいという関係式で、建築の斜め部材や屋根の長さ計算に日常的に使われる。
3:4:5の整数比は最もよく使われる直角三角形の辺の比であり、現場でも直角確認に活用される。
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ピタゴラスの定理とは、直角三角形の底辺の2乗と高さの2乗の合計が、斜辺の2乗に等しいという定理です。この定理は、建築設計で頻繁に使います。また構造力学や構造設計でも、ピタゴラスの定理を使い、材の長さや内力の計算をします。今回はピタゴラスの定理の意味、定理の証明、3:4:5の関係、三平方の定理との違いについて説明します。
建築で使う数学の内容は、下記が参考になります。
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ピタゴラスの定理とは、直角三角形の底辺の2乗と高さの2乗の合計が、斜辺の2乗に等しいという定理です。下記にピタゴラスの定理を示しました。
x2+y2=z2
xを底辺、yを高さ、zを斜辺とするとき、下図の関係が得られます。
上式より、直角三角形の斜辺の長さは、底辺と高さの二乗和の平方根をとればよいです。2つの長さが分かれば、もう1つの長さが判明する面白い定理ですね。下記も参考になります。
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構造力学や構造設計はもちろん、建築設計でも日常的に使う定理です。ぜひ覚えてくださいね。下記も参考になります。
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建築では、建物の図面を描きます。建物の図面では、普通、鉛直と水平の寸法を描きます。斜辺の寸法は描きこまないことも多いです(代わりに勾配の角度を描きます)。
この時、鉛直と水平の長さが分かれば、ピタゴラスの定理より斜辺の長さが計算できます。例えば屋根の長さ(屋根は、水を流すため斜めに向きます)、斜め方向の部材などの長さがあります。下記も参考になります。
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ピタゴラスの定理で、3:4:5の法則があります。これは、底辺または高さが3か4のとき、斜辺が5となる法則です。下図をみてください。
3~5まで、連番となるので、ピタゴラスの定理の中でも特別に面白いですね。
ピタゴラスの定理を証明します。下記の証明は、中学生程度の数学を用いて行える有名な方法です。まず、証明の流れを整理しました。
・正方形の中に内接する正方形を描く。
・大きな正方形の面積を求める(①)
・内接する正方形の面積と、三角形の面積を求め合計する(②)
・①と②の面積は明らかに等しい。等式をつくり、ピタゴラスの定理が完成する
下図をみてください。大きな正方形の辺の長さは、「x+y」です。内接する正方形の辺の長さは、「z」です。大きな正方形と内接する正方形によってつくられる直角三角形は、斜辺z、底辺x、高さyの関係です。
まず大きな正方形の面積を求めます。辺の長さは「x+y」なので面積は
A=(x+y)2=x2+2xy+y2
です。次に内接する正方形の面積は下記です。
A2=z2
大きな正方形の中にある、三角形の面積の合計(三角形が4つありますね)は下記です。
(x*y)/2*4=2(x*y)=2xy
内接する正方形と三角形の面積の合計は、下記です。
2xy +z2
大きな正方形の面積と、上記の面積は明らかに等しいです。よって、
x2+2xy+y2=2xy +z2
x2+y2=z2
より、ピタゴラスの定理が証明できました。
ピタゴラスの定理と三平方の定理は、同じ意味です。ピタゴラスが証明した定理のため、「ピタゴラスの定理」といいます。「平方」とは、2乗のことです。「三平方」なので、3つの値の平方をとる、という意味です。
混同しやすい用語
ピタゴラスの定理
直角三角形の底辺の2乗と高さの2乗の和が斜辺の2乗に等しいという定理(x2+y2=z2)。
三平方の定理と全く同じ内容だが、「ピタゴラスが証明した」という由来を強調するときに使われる名称である。
三平方の定理
ピタゴラスの定理と同義であり、「平方」とは2乗のことで、3つの辺の2乗の関係を表す。
ピタゴラスの定理が人名に由来するのに対して、三平方の定理は定理の内容そのものを示した日本語の名称である。
ピタゴラスの定理を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定理の内容 | x2+y2=z2(底辺2+高さ2=斜辺2) | 直角三角形にのみ成立 |
| 代表的な整数比 | 3:4:5(32+42=52) | 建築・測量で頻用 |
| 三平方の定理との関係 | 同じ定理(呼称が異なるだけ) | ピタゴラスが証明したことに由来 |
今回はピタゴラスの定理について説明しました。意味が理解頂けたと思います。ピタゴラスの定理は、直角三角形の底辺の2乗と高さの2乗の和が、斜辺の2乗に等しい定理です。建築でも良く使うので、ぜひ覚えてくださいね。余裕がある方は、ピタゴラスの定理の証明にもチャレンジしましょう。下記も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、ピタゴラスの定理を使って部材の長さや合力の大きさを求める計算問題が出題される。
x2+y2=z2の式を確実に使いこなせるよう、3:4:5などの基本的な整数比の組み合わせも合わせて覚えておこう。