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仮想仕事の原理は、不静定構造物を解析するときに使う理論の1つです。不静定構造物に関しては下記が参考になります。
今回は仮想仕事の原理を、理論から勉強しましょう。また、他にも不静定構造物の解法として下記があります。併せて参考にしてください。
任意の弾性体に平面力が作用し、外力と内力は釣り合っている状態を考えます。
この弾性体に、ある変位が発生しました。この変位は外力によるものではなく、それ以外の事柄で発生したとします。
神様が物体に変形を与えたと考えても良いでしょう。このような変位を仮想変位と呼びます。
外力による変位では無いので、弾性体は変位が発生した状態で釣り合っています。このとき、外力と仮想変位との仕事、内力と仮想変位による仕事が発生しますね。
これらを仮想仕事と呼び、釣り合い状態にあるので、お互いの仕事量は等しくなります。
以上が、「仮想仕事の原理」です。仮想仕事の原理は不静定の問題を解く場合や、物体に作用する変位を求める際に利用されます。
つまり、「神様が変位を発生させた」という手順を、そのまま「神様が外力を発生させた」とすれば、各種の変位を求めることができます。
文章だけでは、わかりづらいので例題を通して使い方を勉強しましょう。
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まず、仮想仕事の原理とは、外部仮想仕事と内部仮想仕事は等しいというものでした。例えば、トラス構造物を想定し、仮想外力を作用させます。その時の外部仮想仕事は、
です。外力Pに上添え字のバ―が付いていますね。これが「仮想」を意味しています。次に内部仕事は、部材力×部材の変形なので、
となります。Nバーは、仮想外力が作用したときに、トラス部材に発生する部材力を表しています。
Δlは仮想仕事を作用させる前の「外力に対する部材の変位」です。内部の仕事量は部材それぞれの総和なので、Σとしています。以上より、仮想仕事の原理を用いると
となります。あとは、適当な仮想外力を与えれば変位が求めることができます。一般的に仮想外力は1として、
とするほうが、計算が簡単ですね。
梁部材に関しても考え方は全く同じです。まず、外部仮想仕事は、
です。次に、内部仮想仕事を考えます。本来なら、曲げモーメント、せん断力、軸力の影響を考える必要があるのですが、
梁では曲げが卓越することが多いのと問題を簡単にするために、せん断力、軸力を無視します。
梁に仮想外力が作用すると、その断面には
という仮想応力が作用しています。実際に発生しているひずみは、
です。内部に発生している仕事量は、応力×ひずみなので、
となります。この仕事量を断面全体と梁の長さ分だけ積分すると全体の仕事量となるので、
です。
なので内部仮想仕事は、
です。仮想仕事の原理より、
となります。また、たわみ角を求めようと思えば、仮想外力を仮想モーメントとして、
その時に発生するたわみ角で、仮想仕事の原理を適用させます。式は上記のものを使えば良いです。
仮想仕事の原理を用いて、不静定連続梁の不静定力を求めることが可能です。下記が参考になります。
今回は仮想仕事の原理について説明しました。難解な原理で、理解に時間がかかると思います。
コツは数式を丁寧に追いかけることです。とにかく公式を導出する過程を大事に勉強しましょう。
仮想仕事の原理を勉強したあとは、マトリクス変位法について勉強しましょう。
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