建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 塑性断面係数と全塑性モーメント

塑性断面係数と全塑性モーメント

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


ロバートフックがバネ秤に重りをのせてバネの伸びと力の関係を知ったとき、まさかその先に物理現象があるとは思いもしなかったでしょう。鉄はよく伸びます。しかし引っ張れば引っ張るほど、伸びるわけでもありません。ある時にスーっと伸びやすくなり、一旦、また固くなります。そして、ようやくちぎれるのです。


鉄を引っ張れば伸びます。しかし、力を抜けば元の長さに戻ります。この性質を弾性と呼びます。一方、力を抜いたのに変形が戻らない現象を塑性と呼ぶのです。塑性現象は、力学的に危ういと思われがちですが、便利なこともあります。


今回は、塑性にライトを当てて塑性断面係数と全塑性モーメントについて説明しましょう。


断面係数や塑性について理解していない方は、下記が参考になります。

弾性と塑性の性質について

断面係数とは

スポンサーリンク


100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

全塑性モーメントとは?

思い出して欲しいのが部材に荷重が作用したときの応力図です。そう、式で示すなら


σ=M/Z


です。これを応力度の図で示すと?

こうなります。つまり、曲げ応力度は中立軸を境に圧縮と引張に分かれるんですね。このとき、上端と下端は応力度に達した状態と考えます。

この部材に、そのまま荷重を加えます。すると、既に降伏している上端と下端は応力度が増加しないことが分かると思います。つまり、上端と下端はMAXの応力度に達したのだから、これ以上応力度は増えようがありません。では、荷重を加え続けるとどうなるか?


他の部分が降伏してくるのです。これを応力度図で示すとこうなります。

最外端が塑性したので、次に近い部分から順に中立軸まで塑性を始めます。このとき、圧縮と引張の両者が中立軸まで塑性化したとき、部材は完全に『塑性した』ということになります。これを部材の全塑性といい、全塑性したときの部材モーメントを『全塑性モーメント』と言います。


つまり、全塑性モーメントは下式で表します。


Mp=σy×Zp


Zpが塑性断面係数と言います。σyは降伏強度ですね。では、塑性断面係数について説明します。

全塑性すると、部材断面は上図のようになりますね。思い出して欲しいのが断面係数の式です。


σ=M/Zでした。


つまり、Zを算出するには逆算すればいいわけです。赤矢印の値は、応力度を集中荷重に置き換えた値で計算しやすくします。P=a×b/2×σですね。圧縮、引張で違う向きに応力度は作用していますから、これは偶力です。


偶力は部材を回転させる曲げモーメントですね。つまり、偶力Mは、


M=P×b/4×2=Pb/2

P=a×b/2×σ

M=a×b/2×σ×b/4×2=ab^2/4×σ


となります。この式、どこかで見たことありましたね。そう、σ=M/Zにそっくりです。変形すれば、


M=σ×Z


ですから、結局Zは


Z= ab^2/4


になります。これが長方形断面の塑性断面係数です。


まとめ

今回は、塑性に関する重要な項目を紹介しました。全塑性モーメントと塑性断面係数は、構造計算には欠かせないものですし、構造力学の授業でも習いますよね。考え方を一度理解すれば楽です。今回説明した内容を頭に入れておけば、どんな形状でも大体対応できると思います。下記も併せて学習しましょう。

完全弾塑性体とは?1分でわかる意味、定義、バイリニア、弾塑性状態、塑性状態

塑性変形とは?1分でわかる意味、読み方、塑性加工、降伏点、弾性変形との違い

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 塑性断面係数と全塑性モーメント
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事