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不静定構造物を解く方法として有効なのが、固定法です。これは、武藤清先生が開発された図解法の一種で、
たわみ角法と比べると、表を使って単純な計算から不静定状態の応力を算定することが可能です。
まず始めに断っておくことがあります。固定法はあくまでも鉛直荷重に対する応力解析の手法です。
また実際の設計では多層多スパンの構造物を相手にするため、コンピューターを駆使したマトリクス変位法が主流となっていますが、
固定法を経験すると力の流れを経験的に把握することに大変役立ちます(というのも、実務では様々な方との打合せがあります。
そのときに、アドリブで対応できるかどうかが重要です。相手の要望に対して、『解析するから待ってください』とは言えませんよね)。
先人達も、通ってきた道ですので私達もプログラムを作れるから、そんな時代じゃないからといわずに、手計算で解く事を覚えてみましょう。
さて、固定法の重要な概念は、『応力の負担は部材のもつ剛性による。』というものです。これは、フックの法則を思い出せば、簡単です。フックの法則とは、
という式で表すことができましたね。この式は、荷重と変形は比例関係にあるということと、それは剛性によって傾きが異なるという数学的な意味を含んでいます。
つまり、『剛性が大きい部材では変形は小さいが、応力は大きく』、『剛性が小さい部材では変形は大きいが、応力は小さい』という性質を意味しています。
『剛性が大きい部材』というと、わかりにくいかもしれませんが、要は硬い部材のことで、逆もしかりです。
では、どうやって定量的に部材の剛性が大きいor小さいということを判断するのかという問題を考える必要があります。
これは、節点に集まる曲げモーメントの合計は0になるということを考えれば簡単です。
例えば、赤線Aで囲った節点の曲げモーメントは、柱脚曲げ、柱頭曲げ、右節点の曲げ、左節点の曲げがそれぞれ作用しますが、
架構として安定するためには、その応力の合計はゼロになる必要があります。
つまり、節点に周りの部材の剛性を合計して『1』になる必要があるということですね。これをよく理解するために、次から実践に入っていきましょう。
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①剛性の分割率
②D値の算定
③反曲点高比の算定
④C,M,Qの算定
⑤固定モーメントの解放→分配→到達
⑥計算過程⑤を繰り返す。
計算過程⑤のイメージ
固定法のキモとなる計算過程です。A.まず梁に、両端固定と仮定した場合の固定端モーメントが作用すると考えます。
B.この固定端モーメントは、あくまでも仮定した状態であり実際には柱にも曲げモーメントが作用するはずです。
固定法では、この梁と柱に作用する曲げモーメントは剛性によって分配されるという約束だったので、『分割率×固定端モーメント』で部材に作用する曲げモーメントを求めます。
最初に仮定した固定端モーメントを『解除』して『分割率×固定端モーメント』で、柱と梁に曲げモーメントを分配しましょう。
C. 次に、分割された曲げモーメントは、どちから一方の端部に作用させていますが実際には反対の端部(左なら右、右なら左)にも曲げモーメントは作用します。
このモーメントを『到達モーメント』と定義し『分割モーメント÷2』という値で定義します。
以上の計算過程A→B→Cを一通りの部材について行います。このままでは、計算精度が悪いので、さらにこれまで算定した節点に対する分割モーメント及び到達モーメントを『解除』します。
あとは収斂するまで繰り返しますが、一般的に、2回ほど繰り返せば良しとされています。
少々文章が多くなってしまいましたが、次から実践に入ってみましょう。
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