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最小仕事の定理

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カスチリアーノの第一定理は以下のように示され、

となります。この式は、構造物全体の内部仕事をある点での外力で偏微分したとき、その外力が作用した点における方向の変位を表します。


さて、不静定構造物の不静定力を全て取り除くと、その構造物は静定構造物となります。さらに、歪エネルギーを不静定力から考えると、

のように表すことができます。よって、不静定力による変位が生じます。しかし、はじめに考えた不静定構造物が不静定力の作用点で拘束されているためには、変位が0にならなければなりません。よって、

となります。この式は、歪エネルギーが最小となるものは解であることを示しています。これを最小仕事の原理、もしくはカスチリアーノの第2定理と呼びます。


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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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・演習問題

例題として不静定梁の反力を求めてみましょう。

不静定次数が1なので、釣り合い式だけでは解くことができません。この不静定梁を最小仕事の原理を用いて求めてみます。ローラー支持を取り除けば静定構造物になるので、この垂直反力を不静定力Xとして、x点の曲げモーメントを求めます。

となります。最小仕事の定理より、

梁のひずみエネルギーは、

なので、この式よりたわみを計算すると、

以上より、先ほど求めた曲げモーメントを代入して、最小仕事の定理を適用させます。

よって、不静定力Xは

です。不静定力が求められたので、あとの反力も計算できます。

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