この記事の要点
不静定連続梁は、静的釣り合い条件だけでは反力や応力を決定できない不静定構造物。余剰拘束を余剰反力として仮定し、仮想仕事の原理などで解く。
解法の手順は①余剰反力を仮定 → ②静定基本系を作る → ③変位条件(適合条件)を使って余剰反力を決定する、の3ステップ。
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次の連続梁における反力と曲げモーメントを求めます。このような不静定構造物を解く場合、つり合い式だけでは無理です。
よって、弾性変形の関係やエネルギーの関係を使って方程式の数を増やす必要があるのです。
以上のように、不静定梁を解く方法の1つとして仮想仕事の原理が挙げられます。
今回は、この手法を用いて、問題を解きましょう。※仮想仕事の原理、不静定梁、不静定構造物については、下記が参考になります。
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下図に示す不静定梁を、仮想仕事の原理を使って解きましょう。
さて、いきなり上図のような問題を解くのは難しいかもしれないので、順序を追って解決していきましょう。
下図のようなグレードダウンした連続梁を考えます。この連続梁も不静定梁ですね。
まず、仮想仕事の原理で不静定梁を解く場合、以下の順序で計算を行います。
では、以上の計算順序を追っていきます。※仮想仕事の原理については、下記が参考になります。
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どの支点を解除して静定系としてもOKですが、不安定構造物にならないように注意しなければいけません。
さて、この静定構造物の反力は、
AB間の曲げモーメントは、
BC間の曲げモーメントは、外力が作用していない部材なので0となりますね。※曲げモーメント、外力については、下記が参考になります。
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さて、この静定構造物の反力は、
AB間の曲げモーメントは、
BC間の曲げモーメントは、
以上、基本系と1系の曲げモーメントを整理すると、

さて、ここで仮想仕事の原理をつかって変形を求めましょう。
まず、実際の外力が作用したときの変形量と単位荷重が作用したときの変形を、それぞれ求めます。
C点での変形は、分解した基本系と1系の重ね合わせによって求めることができます。よって、
です。さらに、実際は支点での変形は0ですね。※添字については、下記が参考になります。
よって、
というかたちで、不静定力、つまりC点の反力を求めることができました。
さて、本題はこちらです。先ほどの構造物は1次不静定構造物でしたので、簡単に考えることができました。
この構造物は、水平反力が作用していないことから、3次不静定構造物ですね。でも、解き方は同じです。
順を追って計算方法を説明します。実際の計算は、自分でやってみましょう!
まず、復習で仮想仕事の原理で不静定梁を解く場合、重要なポイントは以下5点です。
1. 不静定梁から不静定力を解除して基本静定系とする。
2. 実際の荷重を作用させた基本静定系の曲げモーメントを求める。
3. 基本静定系に解除した1系の構造物に単位荷重の不静定力を作用させて曲げモーメントを求める。
4. 基本系と不静定力を作用させた1系から、仮想仕事の原理を用いて不静定力を作用させた点での変形を求める。
5. 適合条件式から不静定力を求める。
さて、この場合も不安定構造物(ローラーだけも不安定構造物です!)にならないように邪魔な不静定力を解除します。

まずは、この場合の曲げモーメントを求めましょう。つまり、AB間、BC間、CD間、DE間の曲げモーメントを求める必要があります。
の場合となりますね。
仮想仕事の原理を用いて、不静定力を作用させた、それぞれの点について変形量を求めます(かなり面倒ですね)。
変形は、分解した基本系と1-3系の重ね合わせによって求めることができます。よって、
です。さらに、実際は支点での変形は0ですね。よって、
あとは、未知数が3つに対して3つの方程式があるので、以上の式を連立方程式より解けば不静定力を求めることができますね。
混同しやすい用語
静定構造物
釣り合い条件(ΣF=0・ΣM=0)だけで反力・応力が決定できる構造物。不静定次数=0。
不静定構造物
釣り合い条件だけでは解けず、変形(適合)条件を追加しないと反力・応力が決まらない構造物。連続梁・固定梁・ラーメン等が該当。
余剰反力(余剰拘束)
静定にするために取り除く余分な支持拘束と、そこに生じる反力。不静定次数の数だけ存在する。
適合条件(変位の連続性)
余剰反力を取り除いた静定基本系で計算した変位が、実際の構造の変位(通常は0)と一致するという条件。これを使って余剰反力を決定する。
| 解法 | 特徴 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 力法(余剰反力法) | 余剰反力を未知数として適合条件を立てる | 不静定次数が低い梁・ラーメン |
| 三連モーメント法 | 連続梁の支点モーメントをつなぐ方程式 | 等スパン連続梁 |
| 固定モーメント法 | 節点の不均衡モーメントを分配・収束させる | 連続梁・多層ラーメン |
今回は不静定梁を仮想仕事の原理で解く方法について説明しました。不静定梁を解く方法は、仮想仕事の原理だけではありません。下記も参考にしてください。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
不静定連続梁の解法は「余剰反力を仮定→静定基本系→適合条件」の手順が基本。仮想仕事の原理・三連モーメント法・固定端モーメント法など複数の解法があるが、どれも同じ適合条件を使う。まず力法(余剰反力法)の考え方をしっかり理解しよう。