建築学生が学ぶ構造力学

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たわみ角法[1/3]

この記事の要点

たわみ角法は不静定構造物を節点角・部材角などの変位量で解く変位法の一つで、曲げ剛性EIが一定の部材を対象とする。

材端モーメントは時計回りを正とし、節点角と部材角を区別して扱うことが理解の核心となる。

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不静定構造を解く場合、初めに勉強した仮想仕事の原理等の『応力法』と、これから勉強するたわみ角法などの『変位法』に分けられます。


たわみ角法の原理は以下の条件の上に成り立っています。

1.部材の曲げ剛性EIは一定とする

2.部材の軸方向力による変形およびせん断変形は無視する

3.変形はすべて微小とし、力のつり合いは変形前の状態で考える

4.部材の撓みによる支持点の水平変位は無視する


材端モーメントは、Mijのように下添え字を使って部材の、どの節点に作用しているのか判断しています。


例えば、上図の部材節点Aに作用している材端モーメントは、MABで、B点に作用する材端モーメントはMBAとしています。


材端モーメントは時計回りの値を正としているので、注意しましょう。


また、部材間のモーメントやせん断力は、たわみ角法で用いる材端モーメント、材端せん断力と荷重条件から計算します。


ここでは、材端モーメントと材端せん断力、部材中間のモーメントとせん断力は別物だということを記憶しておいてください。

 

外力によって部材に撓みが生じた場合、変形前の材軸と任意の点における接線とがなす角をたわみ角といいます。


これは、構造力学の基礎でも勉強しましたね。さらに、節点におけるたわみ角を節点角といいます。


剛接点では、全ての節点角は等しくなるとします。これは最初の条件で、せん断変形を無視しているからですね。

部材に外力が作用した状態を考えます。部材は変形すると節点も移動することが考えられます。


この変形後の両端の節点を結ぶ直線と、変形前の直線とがなす角を部材角と呼びます。

以上のように部材角の式は、

のように表すことができますね。また、θAとθBはそれぞれ節点角で時計と逆回りに回転しているので、いずれも負の値であることがわかります。

混同しやすい用語

節点角

節点における変形前の材軸と任意点の接線がなす角。剛接点では全部材の節点角が等しい。

部材角が節点間を結ぶ直線の変形量を示すのに対して、節点角は節点自体の回転量を示す。

部材角

変形後の両端節点を結ぶ直線と変形前の直線がなす角で、節点の相対的な水平移動を表す。

節点角が節点の回転を示すのに対して、部材角は部材全体の傾きの変化を示す。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では応力法(仮想仕事法)と変位法(たわみ角法)の使い分けや前提条件が問われることがある。

「曲げ剛性EI一定、せん断変形無視」という4条件を整理してから本文の解法ステップを追うと定着しやすい。

たわみ角法の基本概念 具体例

用語定義正方向
節点角 θ変形前の材軸と任意点の接線がなす角(節点での値)時計回りを正(通常)
部材角 R変形後の両端節点を結ぶ直線と変形前の直線がなす角右上がりを正(通常)
材端モーメント MAB部材ABのA端に作用するモーメント時計回りを正
固定端モーメント M₀外力のみによる固定端状態でのモーメント荷重条件により異なる

基本式(等断面・EI一定の場合):MAB = 2EI/L(2θA+θB−3R)+ MAB₀

具体例:等分布荷重 w=10kN/m、スパンL=6m の両端固定梁の固定端モーメントを求める

境界条件:θA=θB=0(固定端で回転なし)、R=0(水平移動なし)

固定端モーメント:MAB₀ = −wL²/12 = −10×6²/12 = −30 kN·m

MBA₀ = +wL²/12 = +10×6²/12 = +30 kN·m

応力法(仮想仕事法)vs 変位法(たわみ角法)比較表

比較項目応力法(力法)変位法(たわみ角法)
未知量余剰応力(力)節点変位(θ・R)
連立方程式の条件適合条件(変形が整合)平衡条件(力のつり合い)
得意な構造不静定次数が低い場合節点数が少ない(自由度が小さい)場合
コンピュータ適合性低い(手計算向き)高い(マトリクス解析に発展)

よくある誤解

一問一答

Q. たわみ角法の4つの前提条件を答えよ

A. ①曲げ剛性EIは一定、②軸方向・せん断変形は無視、③変形は微小で変形前の状態で力のつり合いを考える、④撓みによる支持点の水平変位は無視

Q. 両端ピンの梁でたわみ角法を使う場合、θAとθBの関係は?

A. 両端ピンでは材端モーメント=0の条件(MAB=MBA=0)から2θA+θB=3R と θA+2θB=3R が成立。これを解いてθA=θBの関係が得られる(対称荷重の場合)

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