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実務で使う断面二次モーメント

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以前、当HPで断面二次モーメントの計算式の誘導や、「そもそも断面二次モーメントって何?」という疑問について触れた記事を書きました。その際には、主に「どういう意味か?又はどうやって断面二次モーメントを求めるか?」ということに主旨をおいてきました。


もちろん、それも大変重要なのですが実際に断面二次モーメントを使ってみないと、その意味や重要性が理解できないと思います。そこで今回は、実務で断面二次モーメントをどういった場面で使用するのか?ということについて説明します。

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変形を求める

学校の授業でも、たわみの計算で良く利用するでしょう。実務でも断面二次モーメントは、例えば梁のたわみを求めるときに良く用います。ただし、実務ではわざわざ断面二次モーメントを計算することはせず、早見表を用いて撓みの計算を行います。

柱、梁の剛性を設定する

また、変形を求めると同じくらいに実務で断面二次モーメントを使用する場面が、柱、梁の剛性増大率を設定する場合です。「剛性増大率」とは、元々の部材の断面二次モーメントIoと何らかの理由でその部材を大きくした場合の断面二次モーメントIとの比率をいいます。


つまり、I/Ioが剛性増大率となります。


ここで、「何らかの理由で部材を大きくした場合」と書きました。これは例えば、RC造に多く見られます。建築の設計では、意匠上の納まりや見栄えの理由でコンクリートを「増し打ち」することがあります。増し打ちとは、一度打ったコンクリートに対して、増して打つことです。

中々イメージしづらいと思いますが、例えば600角の柱に対して100mmほど増し打ちするということは、柱の大きさは700×600になりますね。


ただし、増し打ちして柱の断面が大きくなったからと言って、「柱が大きくなったわけではありません。」なぜなら、100mm厚くした中には柱として必要な鉄筋を配置しているわけでは無いからです。つまり、増し打ちされると、余分にコンクリートボリュームが増えるため、外力が大きくなります。よって、増し打ちするということは、構造的にはあまり好ましくないのです。


さらに、今回のテーマである断面二次モーメントの話です。増し打ちすることで、柱としての大きさは700×600になりますので、その分断面二次モーメントが大きくなります。このときの断面二次モーメントIと、元々の柱の断面二次モーメントIoの比率を求めて柱の剛性増大率とします。梁も柱と同様の方法で剛性増大率を求めます。


では、なぜ構造設計で柱や梁の剛性に敏感であるかということについて説明します。皆さんもフックの法則はご存じでしょう。



kは剛性で、δは変形、Pは荷重です。これは、剛性が大きければ大きいほど荷重がでかいということを意味しています。建物を考えると、材料が同じで大きい柱と小さい柱を比較したときに、大きい柱の方が、剛性が高いので、多くの力を負担してしまいます。意図的にこれを用いたのが、「コア構造」で、剛性の非常に大きいコンクリートの壁(コア)を配置することで、地震時はそこに力を集めて他の部材の負担を軽くしようという構造計画です。


一般のラーメン構造では柱の断面(大きさ)はほとんど一緒です。もし、スパンも一緒ならば柱の剛性は同じですから、均等に地震力を負担することができます。しかし、先ほど言ったように意匠上の計画で、コンクリートを柱に増し打つ場合が出てきます。そうすると、その一か所だけ柱の見掛け上の断面が大きくなり、つまり「剛性が大きくなります。」


結果、その柱が他と比べて多くの地震力を負担することになります。増し打ちしても柱としての断面は同じですから、多くの鉄筋が必要になります。また、その柱が負担する地震力が大きいということは、自然と梁に伝わる曲げモーメントも大きくなるわけですから、梁の鉄筋も厳しくなります。


以上のように、柱や梁の剛性には非常に注意しなければならいということが分かっていただけたと思います。


断面二次モーメントというと、何か良くわからないという印象かもしれません。しかし、「どういう場面で使うのか?」、「どんな意味なのか?」ということがわかれば、名前が難しいだけで本質は大した内容ではありません。構造設計で用いる構造力学の内容は大抵がそのようなものばかりです。


皆さんも、以上のことを頭にいれておくと理解が進みやすいかもしれませんね。

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