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コンクリートは圧縮に強く引張に弱い材料です。どのくらい弱いのかというと、引張強度は圧縮強度の1/10程度しかありません。RCにすれば鉄筋が入るため引張力を鉄筋に負担させることができ、少しは強度が高くなりますが、基本的にはRCの柱等には引張力は作用させたくありません。
とは言え、地震時には必ず偏動軸力として引張方向の軸力が作用します。この地震時に発生する引張側の軸力については、しょうがないので目をつむるとして(大きくなければ、長期の圧縮軸力と打ち消し合います。)、一番気をつけたいのが、長期時に発生する引張軸力です。普通、長期の重量は重力によって、上から下に作用しているので、引張軸力を考えることがありません。しかし、それは部材の中心に力が作用した場合です。もしも、柱断面の中心に軸力が作用せず、「偏心」するケースがあった場合、引張軸力が作用します。
この部材の中心に対してeだけ偏心して荷重が作用した場合の、応力度σeは、
σe=P/A±M/Z
となりますね。つまり、軸方向応力度と偏心した分の曲げモーメント分の応力度を重ね合わせた値となります。上の式のMとZを下のように変形します。
Pは軸力、eは偏心距離、yは重心から部材端部までの距離、Iは断面二次モーメントです。さて、この式を眺めてみると、例えばσe=0の状態は何を意味するのでしょうか?そう、応力が発生していないということですね。コンクリートは圧縮に強いわけですから、0よりも大きい値を調べることにはあまり興味がありません。しかし、0以下ということはその部材には引張が作用しているということですから、「σe=0のときの偏心距離eを逆算」すれば、どこまで偏心させても引張軸力が作用しないか、気になりませんか?
この、「引張軸力が作用しない限界点(σe=0の時のeまでの位置)」を「核点」と呼びます。また、X,Yの核点を結んだ領域を「核」と呼びます。つまり、部材の中心にぴったり荷重が作用しなくても「核」の範囲であれば偏心させても大丈夫ということになります。
下記の核点の計算からわかるように、核点は断面の大きさで自動的に値が決まってしまいます。
σe=P/A±Pe y/I=0
P/A=±Pe y/I
1/A=±e y/I
I/Ay=±e
e=±Z/A
結果、核点は断面係数Zを断面積で割った値であることがわかりました。また、ZはX,Y方向と、値が±となるため、4点を結んだ領域が「核」となります。面白いのは、核点はZをAで割って求める値なので、部材が大きくても小さくても核の領域自体は、急激に変動しないことですね。簡単な式から求めることができますので、色々な断面の核点を調べてみましょう。
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