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断面二次半径は、「座屈の起きやすさ(座屈荷重の大きさ、許容曲げ応力度、横座屈)」に関係します。今回は、断面二次半径の意味や代表的な断面の公式を説明します。また断面二次半径の誘導方法を計算します。
断面二次半径に関係する用語として、細長比があります。細長比、座屈の意味は下記が参考になります。
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断面二次半径は座屈荷重の大きさに影響する値です。断面二次半径が大きいほど、「座屈が起きにくい≒座屈荷重が大きい」ことを意味します。
断面二次半径は下式で計算します。
iは断面二次半径、Iは断面二次モーメント、Aは断面積です。断面二次半径の単位は「mm又はcm」で表します。構造設計の実務では「cm」が一般的です。
座屈荷重以外にも、下記に示す現象や値に影響します(気になるキーワードは、各リンクから勉強しましょう)。
・座屈荷重(許容圧縮応力度)の大きさ
・許容曲げ応力度の大きさ
許容曲げ応力度とは?1分でわかる意味、fbの計算式、ss400の値
・横補剛
ところで、普通鋼材には強軸と弱軸があります。※強軸と弱軸は下記が参考になります。
下図はH形鋼という形状ですが、弱軸方向は断面二次モーメントが小さいので、断面二次半径iも小さくなります。「座屈」は、弱い方向に発生するので、「断面二次半径の大きさ≒弱軸方向の断面二次半径の大きさ」と同義です。こちらは後述します。
代表的な形状の断面二次半径を示します。当ページの最後で、矩形断面の断面二次半径の計算式を求めます。
こんな図形も考えられますね。
座屈荷重を座屈応力度に変換する過程で、断面二次半径が誘導できます。※座屈荷重や座屈応力度については下記が参考になります。
座屈応力度は下式で計算します。
σcrは座屈応力度、λは細長比といいます。まず座屈荷重は下式で計算します。
Pcrを断面積Aで割ります。すなわち、単位面積当たりの座屈荷重を計算します。
ここで、
とします。このiが断面二次半径です。さらに、
です。iy=√I/Aを断面二次半径、λ=L/iyを細長比といいます。断面二次半径が大きければ、細長比は結果小さくなり、大きい座屈荷重となるのです。
より大きな許容圧縮応力度を必要とするならば、断面二次半径が大きな断面形状とすればよいです。よって、「わざわざ座屈荷重を計算しなくても判断することが可能」です。
また、鉄骨大梁は横座屈といって横に飛び出す座屈をします。これを防止する横補鋼材の本数計算でも断面二次半径は活躍します。※横座屈については、下記が参考になります。
前述した、「断面二次半径は、弱軸方向の値が大切」という話を詳しく説明します。下図をみてください。弱軸回りの断面二次半径のみ段階的に大きくしました。
ご覧の通り、弱軸方向の断面二次半径が大きくなると、部材せいよりも部材幅が大きくなります。座屈は「弱い軸で起こる」ので、座屈に強くするなら「弱軸回りの断面二次半径を大きくする」べきです。
次に、下図をみてください。強軸回りの断面二次半径のみ段階的に大きくしました。
部材せいは大きいですが、不安な形状です。弱軸方向のiを増やした結果と比べてどうですか?圧縮力が作用すると横側に飛び出しそうですよね(横座屈が起きる)。
鋼材は必ずしも各方向で同じ断面ではありません。むしろ、鋼材重量を減らすため(コストや自重を削減する目的)に、XとY方向で形状が違うのが普通です。
よって、「断面二次半径は弱軸回りの値を使う」これが鉄則ですから覚えておきましょう。※弱軸については、下記が参考になります。
前述したように、座屈応力度の計算は細長比が必要です。細長比と断面二次半径の関係は下記が参考になります。
矩形断面の断面二次半径を計算します。iは下式です。
iはIをAで除して、平方根をとれば良いです。矩形断面のIとAは、
です。よって、
が導けます。断面二次モーメントの数式が複雑だとiの計算も難しくなります。間違いのないよう注意したいですね。
今回は断面二次半径について説明しました。断面二次半径が何をいみするのか理解頂けたと思います。数式を羅列するのではなく(テストではそれが大切かもしれませんが)、用語の物理的な意味を覚えましょう。下記も併せて勉強しましょうね。
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