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RC造の構造計算をするとき、RC部材の剛性(I)はコンクリート断面のみを考慮します。本当はあるはずの鉄筋を無視したIとしているのです。RC部材は、普通矩形断面が多いですから、
です。
しかし、本当は鉄筋が入っているわけで、鉄筋のIも考慮したほうが計算はよく合うことが知られています(建築学会 RC基準等)。また、RC造で変形が厳しい場合、鉄筋の剛性を考慮するだけで本当は余裕があった、なんてこともあります。
※上記のように、構造設計では剛性の評価(断面二次モーメントの評価)を注意深く行います。下記が参考になります。
そこで、今回はRC部材の断面二次モーメントの算定方法について紹介します。下記の記事で示した、断面二次モーメントの算定方法を応用した式です。併せて参考にしてください。
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まずコンクリートだけの断面二次モーメントをIoとします。先ほど示したように、Ioは
でした。次に鉄筋がある場合の断面二次モーメントをIrcとします。IrcとIoの関係は、
です。さて、そんなことは分かっている、と言われそうなので本題に入ります。次のような断面を仮定しましょう。
断面二次モーメントの算定方法を思い出してほしいのですが、算定しようとする軸に対して求めたい図形の位置が離れているとき、次式で求めることができました。
Iは、その離れている図形の図芯における断面二次モーメント。Aは図形の断面積、yは軸から図形図芯までの距離を示しています。
この理論式の導出については、当HPの「断面二次モーメントの計算」を参考にしてください。
さて、鉄筋の断面積をat及びacとします(atは引張側、acは圧縮側の鉄筋です)。鉄筋の断面二次モーメントはIrとしましょう。鉄筋重心位置までの距離は、
です。これを、軸から離れた位置にある部材のIの式に代入すると、
です。
但し、忘れてはいけないのがコンクリートと鉄筋ではヤング係数の値が全く違う点です。鉄筋のヤング係数をEs、コンクリートのヤング係数をEcと仮定します。RC規準では、「コンクリートのヤング係数を規準にして」、鉄筋のヤング係数を表現することにしています。
※弾性係数に関しては、下記が参考になります。
つまり、鉄筋の剛性に対しては
を掛けて補正しなければなりません。
nの値は、コンクリートのヤング係数で変わるので何とも言えませんが、一般的に10~15程度です。
nを掛けて補正するところまで理解できました。しかし、これだけでは不十分。なぜなら、コンクリートのみの断面二次モーメントを算定するとき、
としました。コンクリート部分のIを求めるなら、本当は鉄筋を控除する必要があったのです。
そのため、鉄筋の断面二次モーメントには、重複したコンクリート分のヤング係数を控除する意味もあって、(n-1)を掛けます。
結局、鉄筋を考慮した断面二次モーメントは下式のように、
となります。
一見ややこしい式ですが、四則演算で計算できる式です。電卓で実際に計算してみましょう。ちなみに、
の、φは1.2程度になります。
今回は鉄筋を考慮した断面二次モーメントについて説明しました。断面二次モーメントの公式を少し、工夫しただけで求めることが可能です。理解できなかった人は、再度断面二次モーメントの求め方を読んでください。下記の記事が参考になります。
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