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反力数と支点の関係を下記の通りです。
・ローラー支点(反力の数が1)
・ピン支点 (反力の数が2)
・固定支点 (反力の数が3)
支点は重さ(荷重)を支える点です。構造力学で考える荷重の方向には「鉛直、水平、回転」があります。よって、支点に生じる反力の方向も「鉛直方向、水平方向、回転方向」を考えます。たとえば、ある支点に生じる反力が「鉛直方向にのみ生じる(鉛直反力のみ)」場合、反力数は1と数えます。
よって、反力数の確認方法は(ある方向に反力が生じるかどうか)は、その方向の「移動が拘束されているか否か」をみます。外力が作用しているにもかかわらず、ある方向の支点の移動が拘束されている場合、「支点には移動を拘束する反力が生じている」のです。逆説的にいえば「支点の移動が自由な方向の反力はゼロ」になります。
ローラー支点は水平方向、回転方向に移動が自由であるため、鉛直方向にのみ反力が生じます。よって、ローラー支点の反力数は1です。ピン支点は回転方向の移動のみ自由のため反力数は2、固定支点は全ての方向で移動が拘束されているため反力数は3です。
反力数と支点の関係を下図に示します。
ローラー支点
モデル化すると・・・
となります。
ピン支点
モデル化すると・・・
となります。
固定支点
モデル化すると・・・
となります。
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前述した反力数は、構造物の静定、不静定等を判定する「判別式」に用います。
「安定、不安定、静定、不静定」の判別式を下記に示します。
n+s+r-2k=0・・・静定(建物が安定している状態)
n+s+r-2k<0・・・不安定(建物が不安定な状態)
n+s+r-2k>0・・・不静定(建物が、より安定している状態)
n:反力数
s:部材数
r:剛接接合材数(部材が剛接合として繋がっている部材数)
k:節点数
要するに、上記を計算すれば「安定、不安定、静定、不静定」が判断できるわけです。上記のnが反力数を表します。
例題として下図の構造物が「不安定、静定・不静定」のどれに該当するか、反力数をみながら計算で確認しましょう。
解き方の流れを書きに示します。この通りに計算すれば、必ず答えが導けます。
① 反力を数える
② 部材を数える
③ 剛接接合材を数える。(部材が剛接合として繋がっている部材数)
④ 節点数を数える
⑤ n+s+r-2kの式に上記で求めた値を代入し、判定を行う
各流れを詳しく説明します。
① 反力を数える
反力の数とは、支点の反力の数を合計したものです。下図の場合ですと、ピン支点で鉛直、水平方向の反力が存在します。右側の固定支点で、鉛直・水平・回転方向の反力が存在します。つまり、この構造物の反力数n=2+3=5となります。
② 部材を数える
「部材」とは、支点又は節点で区切られた区間で考えてください。つまり、右側の柱は1本の部材ですが、左側の柱については、2本の部材でカウントします。
なぜなら、中間に節点があるからです。この中間節点により、部材は2本に分かれていると考えます。さらに、梁が1本の部材ですから、合計でs=4となります。
③ 剛接接合材を数える(剛接合の数)
剛接接合材という良くわからない用語の意味は無視しましょう。『剛接合されている数』を数えてください。よってr=1です。
「どこが剛接合かわからない」という方は下図をみてください。部材の接合部に「〇印」の記号があった場合、それはピン接合です。
④ 節点数を数える
次は節点数を数えます。節点は支点も含めた節点となります。また、中間の節点も含めます。よって、上図の節点数k=5となります。
⑤ n+s+r-2kの式に上記で求めた値を代入し、判定を行う
最後にn+s+r-2kの式に上記で求めた値を代入します。
n+s+r-2k = 5+4+1-2×5=0
です。よって、この構造物は静定構造であることがわかりましたね。以上、説明した計算の解き方の流れを覚えてしまえば、誰でも問題を解くことが可能です。また、判別式の計算は「ケアレスミスが起きやすい」です。n、s、r、kの各値を問題用紙に書き込む、検算を行うなど行いましょう。
今回は反力数について説明しました。反力数と支点の関係を下記の通りです。
・ローラー支点(反力の数が1)
・ピン支点 (反力の数が2)
・固定支点 (反力の数が3)
支点は重さ(荷重)を支える点です。反力、支点の詳細など下記も勉強しましょう。
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