この記事の要点
開口周比とは、耐震壁に設けた開口の大きさを壁全体の大きさと比較した無次元の指標です。
開口周比 = √(holo/hl) で求め、0.4以下であれば耐震壁として扱えます。
開口が大きいほど開口周比が大きくなり、耐震壁として認められなくなるため、採光・通風と耐震性のバランスが重要です。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
開口周比という用語を聞いたことがあるでしょうか。開口周比は、鉄筋コンクリート造の耐震壁に開口が空いたとき、その壁が耐震壁になるか否か判断する指標です。今回は、開口周比の意味と計算方法について説明します。
開口、耐震壁は、下記が参考になります。
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
開口周比は、開口の面積に対する壁の面積の比率です。つまり開口周比が60%は、壁の面積に対して半分以上(60%)も開口である、という意味です。
壁の面積に対して開口の割合が大きくなると、耐震壁になりません。よって開口周比の値から、「その壁が耐震壁か否か」判断できます。
では開口周比は、具体的にどうやって計算するのでしょうか。
開口周比は下記の計算式より求められます。
開口周比=√(ho×lo/(H×L))
各記号は、下図をみてください。
計算自体は簡単ですが、2点注意事項があります。1つは、開口寸法の値です。意匠図に明記される建具寸法より、開口寸法は大きくなります。建具寸法と開口寸法がピッタリだと、「建具が入らない」とイメージできるでしょう。
詳細は建具メーカーに確認する必要がありますが、例えば建具寸法に対して、
です。大きさが変わると開口面積も変わります。注意してください。
2つめは、壁の寸法の取り方です。基本的には、梁中心間距離と柱中心間距離で問題ないのですが、1階は例外です。1階は、地中梁天端から2階の梁天端を「H」としましょう。
理由は、地中梁は一般梁に比べて大きいので、壁の面積が大きめに評価されるからです。実際の壁よりも、大きくなる可能性もあります。
建築基準法では、開口周比が0.4以下の場合、耐震壁とみなすことができます。つまり0.4を超えると耐震壁にならないのです。
0.4という数字を覚えておけば、開口と壁の面積を眺めるだけで耐震壁に成るか否か判断できます。
また開口周比0.4以下の耐震壁は、開口による耐力の低減があることに注意しましょう。耐震壁の意味は下記をご覧ください。
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
混同しやすい用語
開口周比
開口周比とは、耐震壁に設けた開口の大きさを表す指標で、0.4以下を満たす場合に耐震壁と見なします。
√(holo/hl) で計算します。
壁量
壁量とは、建物の耐震性能を確保するために必要な壁の量(壁の長さ)を指す指標で、建築基準法で必要壁量が規定されています。
開口周比を満たす耐震壁の長さを壁量に算入できます。
開口周比を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 計算式 | √(ho×lo÷(H×L)) | AIJ基準に基づく |
| 耐震壁の判定基準 | 0.4以下なら耐震壁とみなせる | 建築基準法による |
| 開口が大きい場合 | 0.4超で耐震壁として扱えない | 開口寸法の縮小が必要 |
| 建具寸法と開口寸法の差 | 左右・上各+60mm、下+120mm程度 | メーカーに要確認 |
今回は、開口周比について説明しました。採光や通風のために開口は必要不可欠です。かといって、構造的に必要な耐震壁を疎かにできません。
耐震壁の開口周比を意識しつつ、耐震壁になるような開口の大きさに調整したいですね。下記も併せて参考にしてください。
開口補強材とは?意味・RC造とS造での補強方法とスリーブ補強の設計ポイント
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
