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耐風梁ってなに?耐風梁の目的、外壁、開口との関係

耐風梁という言葉をご存じでしょうか。その名の通り、「風に耐える梁」という意味があります。ただ図面をみても、どれが耐風梁なのか、耐風梁の目的や、使用する鋼材、どのようなとき必要なのか詳しくは知らない人が多いですよね。今回は、そんな耐風梁について説明します。


耐風梁ってなに?

耐風梁とは、前述したように「風に耐える梁」です。「いやいや、待ってくれ。そもそも建物の梁は全部風に耐えるんじゃないの?」と思いますよね。ある意味正しいのですが、耐風梁は地震力を負担する「大梁」とは切り離して考えます。


下図をみてください。これは鉄骨造の外壁面を描きました。グレーの部材は、柱と大梁、オレンジ色が耐風梁です。

上図のように、耐風梁は大梁と違い、柱と柱の間に両端ピン接合で接合されます。主柱間に接合する場合もあれば、間柱の間に接合することもあります。ピン接合、間柱に関しては下記の記事が参考になります。


では、なぜ耐風梁が必要になるのでしょうか?ごく当たり前の発想です。そもそも、大梁が風圧力を負担するのなら、耐風梁は必要ないのでは?と思いますよね。

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耐風梁はどんなときに必要?

耐風梁が必要になる理由は、下記の2つです。


外壁が縦貼りで、許容スパンを超える場合

下図をみてください。縦貼りの外壁は、普通、大梁とスラブの2点で支持します(具体的には、外壁専用の金具を持ち出して、外壁と大梁又はスラブを留めます)。

ALCの場合、許容支持スパンはALC版厚の30〜35倍以下が基本です。例えばALC版厚が150の場合、


がスパンとなります。外壁をALC版厚100として、建物の階高が3500mmを超える場合(4000mmなど)、ALC版は風圧力により壊れるかもしれません。


するとALC版の厚みを大きくするか、ALC版を許容支持スパン内に抑えるための部材が必要になります。この部材が、耐風梁なのです。


要するに、「外壁が風で壊れないために必要な部材、が耐風梁」です。ちなみに、外壁が横張のとき、耐風梁は必要ありません。下図をみてください。外壁を横に留める、ということは柱と外壁を金具で留めます。


もし横張の外壁が、風圧力による許容スパンを超えるなら、「間柱」が必要になります。間柱に関しては、下記の記事が参考になります。


外壁に開口が空く

耐風梁が必要になる、もう1つの理由は開口です。下図をみてください。普通、外壁に開口が空くと、開口周りに開口補強材を入れます。但し、大きな開口になると、普通の開口補強材(Cチャンネル材など)では、構造的にもちません。


※Cチャンネル材に関しては下記の記事が参考になります。

そこで、風圧力に耐えることの出来る部材を耐風梁として配置します。

 

耐風梁に使う鋼材

耐風梁に使う鋼材の種類は、主にH形鋼、角形鋼管、などです。それぞれ下記の記事が参考になります。

但し、H形鋼を耐風梁で使う場合は注意点があります。それは、耐風梁の向きです。下図をみてください。耐風梁は風圧力を受け、且つ外壁重量を負担する梁です。風圧力は横向きに作用しますが、外壁重量は下向きに作用します。一方、H形鋼は向きによって断面性能に違いがあります。

外壁重量よりも、風圧力が大きい場合は、H形鋼を横向きに変えて配置します。ただ外壁重量と、風圧力が同程度の値だとすれば、あえてH形鋼を横向きにする必要はありません。外壁重量、風圧力の大きさに注意しましょう。風圧力の計算方法は、下記の記事が参考になります。


角型鋼管はx方向、y方向で断面性能が同じ部材です。よって、前述したような荷重の方向による部材の向きは関係ありません。


まとめ

今回は、耐風梁について説明しました。耐風梁の目的や意味が理解できたと思います。耐風梁がなぜ必要なのか、耐風梁として配置する鋼材の向きなど注意しましょう。

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