この記事の要点
壁や床スラブに開口を設けると、その部分の耐力が低下する。
これを補うために入れるのが開口補強材だ。
RC造の壁開口と配管スリーブの補強では、補強筋の設計考え方が異なる。
RC造・S造それぞれの補強方法と設計ポイントを整理する。
開口を設けることで生じる応力集中を緩和し、耐力の低下を補います。
スリーブ補強や耐震壁の開口補強として設計され、開口の大きさ・位置に応じた補強量が必要です。
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開口補強材とは、建物の開口部周囲を補強する鉄筋や鋼材のことです。
建物には必ず『開口』が必要です。
開口とは、窓やドア、設備的に必要なスリーブ(孔のこと)が該当します。
開口を設けることは、構造的に欠損と考えられます。
ですから必要な補強材を設けるのです。
又は、そもそも壁を雑壁(構造的に耐力を発揮しない壁)にする方法もあります。
RC造と鉄骨造で、開口補強材の種類が少しだけ違います。今回は、その特徴と違いについて説明しましょう。
※開口、スリーブの意味は、下記が参考になります。
スリーブってなに?梁のスリーブ位置や間隔、孔径、スリーブ補強
混同しやすい用語
開口補強材
開口補強材とは、開口部を補強するための部材全般を指し、鋼材フレームや補強筋を含む広い概念です。
RC造・鉄骨造の両方で使われます。
開口補強筋
開口補強筋とは、RC造の開口周囲に配置する鉄筋のことで、開口補強材の一種です。
開口の四隅に斜め筋を入れ、縦横に補強筋を追加するのが一般的です。
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RC造の壁に開口を設けるとき、少し神経質になりましょう。まず確認すべきは、その壁が『耐力壁』か『雑壁、スリット壁』であることです。
耐力壁は、その名の通り、地震力を負担する壁です。この壁に開口を設けることは、耐力壁の耐力を低下させかねません。もしくは、開口が大きすぎると耐力壁として機能しない場合があります(開口周比0.4以下でないと耐力壁にならない)。
もし耐力壁に開口が開くのなら、まずは開口の大きさを確認しましょう。
開口が大きくなり過ぎて、耐力壁に成らない可能性があるなら、開口を小さくしてもらいます。
次に、開口が開いたとき、その周りには開口補強材として『鉄筋』を配置します。
この鉄筋を開口補強筋と言って、縦方向、横方向、斜め方向を必要に応じて配置します。
配筋量の算定はRC規準に明記されています。
※耐力壁、開口補強筋は、下記が参考になります。
耐震壁とは?耐力壁との違い・役割・EW記号をわかりやすく解説
鉄骨造はラーメン構造かブレース構造しかありません。
つまり、耐力壁が無いことから比較的自由に開口を設けることができます。
但し、鉄骨造は軽いので風圧力に対して壁がOKか確認するのです。
開口が開いてしまうと、部材に多くの風圧力が作用するので、開口補強材が必要です。
※ラーメン構造、ブレース構造は下記が参考になります。
ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴、由来、メリットとデメリット
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
※風圧力は下記が参考になります。
風圧力とは?1分でわかる意味と計算、速度圧と風力係数、受圧面積との関係、風荷重との違い
簡単な計算方法を紹介すると、例えば両端ピンとします。次に開口幅分の風圧力に対して、小梁と同じ要領で応力を算定します。応力度、変形量に対してOKか確認します。
注意したいのは、開口幅や高さが大きくなる場合です。一般的に開口補強材はアングル材やCチャンネル材を用いるのですが、開口が大きくなるとH鋼を使った間柱や耐風梁が必要になります。
以上のように、耐力壁に開口を開ける場合、注意が必要です。雑壁や構造的な耐力を必要としない壁でも、風圧力に対して問題ないか、確認すべきでしょう。
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