この記事の要点
マンションのリフォームで「コンセントを増やしたい」「配管を通したい」という要望があるとき、その壁が耐力壁かどうかの確認が最初に必要です。
耐力壁への穴あけは建物の耐震性を低下させます。
この記事では、耐力壁への穴あけのリスクと、非耐力壁との見分け方を解説します。
耐力壁に開口を設けると耐力が著しく低下し、建物全体の耐震性に影響するため設計変更・構造検討が必要です。
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マンションの耐力壁への穴あけは厳禁です。耐力壁は、地震に抵抗する大切な構造部材です。
孔を空けることで耐力が低下します。また、場合によっては耐力壁で無くなる可能性があります。
今回は、マンションの耐力壁と穴あけの関係、問題点について説明します。今回の記事は、耐力壁の意味、開口補強、スリーブの意味などを理解すると良いでしょう。下記が参考になります。
開口補強材とは?意味・RC造とS造での補強方法とスリーブ補強の設計ポイント
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マンションの耐力壁は厳禁です。仮にマンションを設計した会社、施工会社に質問しても、
「穴あけできません。」
という回答が返ってくるでしょう。もし、不動産屋さんが「OK」を出しても信じては駄目です。
マンションの耐力壁は、地震に抵抗する大切な構造部材です。耐力壁に穴あけを行うと、その分、元々の耐力が低下します。
元々の耐力が低下すれば、地震に対する危険性が増加しますね。これは、穴の大小の問題では無いです。
また、小さな穴だとしても、「耐力壁で無くなる」可能性もあります(開口の包絡、開口周比の影響)。
建物の構造設計は、開口(かいこう)の寸法、形状など、とても細かく構造計算に反映しています。
建物ができた後に穴あけを行っても、その情報は構造計算に反映されません。開口の意味は、下記が参考になります。
どうしても検討してもらいたい場合、費用が発生するでしょう。検討した結果、やはりNGという可能性もあります。OKだとしても、法律的な審査が必要になる場合もあります。
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耐力壁に穴(開口部)あけを行う場合、設計時に開口を考慮します。開口回りには開口補強筋が必要です。
また、開口による耐力壁の耐力の低減、耐力壁に該当するかの確認を行います。
開口が大きすぎる(開口を増やし過ぎる)と、「開口周比」という値が大きくなります。
開口周比とは、開口の面積と耐力壁の面積の比率です。開口周比が規定値を超えると、耐力壁で無くなります。
後で穴あけを行うと、耐力低下だけでなく、そもそも耐力壁で無くなる可能性もあるのです。
以上、マンションの耐力壁の穴あけは厳禁です。
ただし雑壁の場合、考える余地があります。雑壁と耐力壁の違いは、構造図や構造計算書で確認します。詳細は、下記も参考になります。
混同しやすい用語
非耐力壁(ひたいりょくかべ)
水平力(地震力・風圧力)を負担せず、自重と間仕切りの機能のみを持つ壁で、開口や穴あけが比較的自由にできます。
非耐力壁は構造耐力を負担しないため改修・開口が比較的自由であるのに対して、耐力壁は地震や風荷重を負担する構造部材であり、開口や穴あけを行うと耐震性が著しく低下します。
間仕切り壁(まじきりかべ)
部屋を区切るだけの壁で、構造耐力の負担を意図せず設けられる内壁です。
間仕切り壁は主に空間を分割するための非構造壁であるのに対して、耐力壁は地震・風荷重に抵抗する構造的に重要な壁であり、外見が似ていても構造上の役割は根本的に異なります。
マンションの耐力壁と穴あけを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 耐力壁への穴あけ | 厳禁 | 穴の大小に関わらず耐力が低下 |
| 開口周比の影響 | 規定値を超えると耐力壁でなくなる | 開口面積/耐力壁面積の比率 |
| 雑壁の場合 | 検討の余地あり | 構造図・構造計算書で確認が必要 |
今回は、マンションの耐力壁の穴あけについて説明しました。基本的に、竣工後の建物の構造部材を変えることはできません。
小さな穴だから大丈夫、という訳でも無いです。孔の大小に限らず、耐力壁の耐力が低下するからです。下記も併せて勉強しましょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
