建築学生が学ぶ構造力学

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仮定荷重の決め方

この記事の要点

仮定荷重とは設計段階で仮定する荷重です。梁の負担幅と荷重強度から分布荷重を算定します。母屋の向きによって荷重の伝達方向が変わる点に注意が必要です。

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仮定荷重の決め方を理解するため、下のような屋根伏図(屋根を上から構造体だけを見た絵)の一部分を切り取って、例えば、真ん中に配置してある梁は、どのような荷重を受けるのでしょうか?


これまでは構造力学で単純梁や不静定梁を解いたかと思いますが、その荷重についての意識はあまりなかったと思います。


実務では荷重もモデル化しなければなりません。すると、屋根の荷重が流れる方向というものが大変重要になります。一般的に鉄骨造平屋の屋根であれば折板屋根や鋼板堅葺き+母屋となります。


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屋根の方向と荷重の向き

まず、屋根について考えて見ましょう。屋根と一口にいっても、その屋根を構成する材料は様々です。例えば、普通の鋼板を屋根にする場合は、


1.ガルバリウム鋼板

2.断熱材

3.下地材

4.母屋(Cチャンネル:100x50x20x2.3)

5.小梁及び大梁

で屋根は主に構成されます。


そして、上記に示した1から5の仕上げ重量や鉄骨自重を拾い、それを屋根荷重として小梁や大梁の設計に用います。また、建築で用いる重量はほとんどの場合が分布荷重です。


構造力学で集中荷重のモデルで問題を解いたこともあるかと思いますが、実はほとんどが荷重を分布的に均して用いています。

負担幅の範囲

さて、先程の屋根伏図に戻ります。

ここでは屋根の仕上げ材や鉄骨自重を全て拾ったとします。この屋根重量=70kg/m2となりました。

上図の屋根の方向は、母屋をかけている方向です。1から5の屋根の構成で示した通り、母屋や鉄骨自重を除いた仕上重量は母屋から伝達されます。つまり、母屋をX方向にかけるか、Y方向にかけるかで小梁の受ける力が変わってくるのです。


今回の条件はX方向(横方向)に仕上げ重量が作用すると考えました。つまり小梁B1が赤で囲った部分の負担面積分の重量を受けます。


このとき、B1が受ける屋根重量の負担幅は、『対象梁と両隣の梁までの距離の半分づつ』となります。よって、B1が受ける荷重は『屋根重量×負担幅』となり、これが分布荷重としてB1梁に作用します。


小梁や大梁のかけ方はそのままに、母屋だけをY方向にかけるとどうなるのでしょうか?

この矢印の向きに荷重が作用するとなるとB1は屋根重量を受けることができませんね。

混同しやすい用語

固定荷重

建物自体の重量(柱、梁、床、壁など)による荷重です。建物が存在する限り常に作用する、変化しない荷重です。

積載荷重

建物の用途に応じた可変荷重で、人、家具、設備などの重量です。用途(住宅・事務所など)によって基準値が異なります。

試験での問われ方|管理人の一言

仮定荷重の設計では、荷重がどの部材に・どの方向に流れるかを正確に把握することが重要です。荷重の流れを間違えると、部材の設計値が大きく変わってしまいます。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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