1. HOME > 構造計算の基礎 > 許容応力度計算が簡単にわかる、たった3つのポイント

許容応力度計算が簡単にわかる、たった3つのポイント

建築物の安全性を証明する構造計算で、最も基本となる計算手法が「許容応力度計算」です(建築の分野では、1次設計といいます)。


いや、建築どころか機械、航空機などあらゆる分野で行われているでしょう。許容応力度計算は何といってもは明快・簡便な計算であることがポイントです。


そのため建築の構造設計では、許容応力度計算の理解が必須(基本)です。ということで今回は許容応力度計算について説明します。


許容応力度計算ってどんな計算?

では具体的に許容応力度計算は、どんな計算でしょうか。実は、たった3つのポイント説明できます。


外力の設定・算定

まず1つ目のポイントは「外力の算定・設定」です。建物を構造計算するとき、「床にどの程度の荷重が作用するか」または「風圧力や積雪荷重、地震力はどの程度作用するのか」という外力を設定します。


許容応力度計算では、まず外力ありきです。外力が分からなければ計算を進めることができません。外力の種類について、下記に参考になりそうな記事を集めました。


下記は長期荷重と短期荷重(常時作用する荷重と、風圧、積雪、地震のように短期的に作用する荷重)の違いを説明しました。

長期荷重と短期荷重

 

下記は積雪荷重の意味や算定方法について説明しました。

雪荷重


下記は風圧力、速度圧、風力係数について説明しました。

風圧力と速度圧、風力係数とは何か?1目でわかる算定方法や関係


地震力に関する記事なら下記が参考になります。

地震力の算定方法と、簡単にわかるZ、Rt、Ai、Coの意味


以上のように、外力を設定するだけでも相当奥が深いです。1つ1つ着実に積み上げていきましょう。

スポンサーリンク
 

応力・応力度を算定

2つ目のポイントです。無事に外力の設定・算定が終わったあとは、応力と応力度を算定します。


前述したように建築物は長期荷重だけでなく、短期荷重も作用します。これらの荷重が作用したとき、どのような応力状態になるのか計算します。


構造力学は、まさしくこの「応力・応力度の算定」を行うために必要な学問です。例えば単純梁の曲げモーメントやせん断力の算定などは、ここで使うんですよ。


曲げモーメント、せん断力の算定が曖昧な人はおさらいしましょう。


応力度≦許容応力度の関係を確認する。

部材に作用する応力度を算定したあとは、部材の許容応力度を算定します。許容応力度とは、部材に設定した「超えてはならない耐力」と考えてください。


例えば、ある部材の応力度Aが100でした。これに対して、部材の許容応力度Bは200です。つまり下式が成り立ちます。

当たり前のことです。しかし、仮に応力度Aが210になると、

は成り立ちません。それは部材に設定した耐力を、応力度が超えてしまったということで、問題があるわけです。


建築の分野では許容応力度を2種類設定しています。1つは長期許容応力度、2つめは短期許容応力度です。例えば鋼材の引張部材などでは許容応力度を、下記のように設定しています。

156という値は235/1.5より算定され、1.5を安全率といいます。安全率に関しては下記の記事を参考にしてください。

安全率ってなに?色んな材料の安全率と降伏強度との関係


235という値は、鋼材の降伏強度ともいいます。降伏強度の説明は、別の機会に行いますが、ともあれ建築では、この降伏強度を「短期許容応力度」に設定しています。そして、その1/1.5を長期許容応力度にしています。


このように許容応力度計算とは、応力度が許容応力度を超えないように部材断面を決定する計算手法と言えます。そして、「許容応力度」には「降伏強度」が採用されており、ゆえに許容応力度計算を「弾性設計」という方もいます。


あるいは構造計算の実務では、1次設計といいます。ちなみに2次設計という言葉もあり、これは部材の「塑性」という性質に踏み込んだ計算手法となっています。また別の機会に説明しましょう。


まとめ

今回は許容応力度計算について説明しました。計算の流れは、たった3つのポイントを理解するだけです。つまり、

これだけです。


ただ、1〜3つのポイント全て奥が深いものです。


これから構造設計に携わりたい方、許容応力度計算は基本のキです。しっかり理解して、自分のものにしましょう。

▼この記事を今すぐSNSでシェアする▼


▼こちらも人気の記事です▼

▼人気の記事ベスト3▼

▼いつでも構造力学の問題が解ける!▼

構造ウェブ問題集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

スポンサーリンク

検索

カスタム検索

プロフィール

おすすめ特集

note始めました 構造ウェブ問題集

人気の記事ベスト3

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

  1. HOME > 構造計算の基礎 > 許容応力度計算が簡単にわかる、たった3つのポイント