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構造計算ルートとは何か?

街中に溢れるマンション、個人の住宅、スポーツ施設に多いドームや東京スカイツリー。世の中には様々な建築物が存在します。構造設計を行う際、多様な建物を同じ計算手法で行ってよいのでしょうか?


木造住宅と東京スカイツリーが同じ構造計算でしょうか?


このような構造設計の矛盾や不合理性を解消するために設けられているのが、『構造計算ルート』です。計算ルートは大まかに分けて3種類あります。さらに分けると5つくらいになります。


また、鉄骨造とRC造で構造計算ルートは異なります。これも注意しましょう。今回は、鉄骨造の構造計算ルートについて特集します。


RC造の構造計算ルートについては、下記の記事が参考になります。

ルート1

許容応力度設計を行います。意匠図から固定荷重と仕上げ重量を拾い、建物に作用する仮定荷重を算定します。仮定荷重に対して、柱や梁にどれくらいの力(応力)が作用するのか算定します。長期時の応力と短期時(地震時)の応力算定をします。


この算定した応力に『安全率』と呼ばれる割増し係数を考慮します。次に部材それぞれの許容耐力以下であることを確認します。このような計算の流れを1次設計(ルート1)と呼びます。厳密に言えばこれが鉄骨造における構造計算ルートの『ルート1-1』にあたります


ルート1にはルート1-1とルート1-2が存在します。詳細は省略しますが、許与応力度計算を行う点では一致しています。許容応力度計算については、下記の記事を参考にしてください。


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ルート2

上記に示した許容応力度計算を満足しつつ、下記を満足させます。

 

1.建物の変形が許容の範囲内か?

建物の変形を「層間変形角」といいます。この層間変形角を規定値より小さくする必要があります。層間変形角は下記の記事が参考になります。


2.建物のそれぞれの階の固さがバランスに偏りがないか?

建物の階毎の固さのバランスを表す指標を剛性率といいます。剛性率に偏りが無いよう設計を行うのです。剛性率の詳細な内容は下記の記事を参考にしてください。


3.建物の重心と剛心(建物の回転の中心)の偏りが規定値以内に収まっているか?

建物の平面的なバランスを示す値を偏心率といいます。偏心率が大きいと、地震が起きた時、建物に大きな力が作用します。よって偏心率を規定値内に収める必要があります。偏心率の詳細な内容な下記の記事を参考にしてください。

 

4.柱脚の破断防止

柱脚は、鉄骨の柱と鉄筋コンクリートの接合部です。異種材料を接合するので力の流れなど複雑です。また、接合部は破断すると建物が直ちに崩壊するため、注意すべき箇所です。柱脚には3種類あります。下記の記事を参考にしてください。


5.部材の局部座屈の防止

鉄骨部材は、座屈という現象に最も気をつけます。座屈は建物を直ちに崩壊させる現象だからです。局部座屈には、幅厚比という値が関係しています。座屈と幅厚比については下記の記事を参考にしてください。


6.冷間成形角型鋼管の応力割り増し

BCRやBCPなどの角型鋼管を冷間成形角型鋼管といいます。主に柱に用いる材料です。冷間成形角型鋼管について詳しく知りたい人は下記の記事が参考になります。


また、冷間成形角型鋼管は断面算定するとき、作用する応力を割増す必要があります。冷間成形角型鋼管の応力割り増しについては、下記の記事を参考にしてください。


7.ブレースの応力割り増し

柱と同じように、ブレースも応力割増しを行います。断面算定では注意しましょう。


以上の確認を行う必要があります。これをルート2と呼びます。ルート2も1次設計までしか行いません。


ルート3

ルート1に示した許容応力度計算を満足させます。さらに地震時に作用する水平力が、柱や梁が耐えることのできる水平力の集計(つまり建物として耐えることのできる水平力)よりも小さいことを確認します。


この計算方法を「保有水平耐力計算」と呼び、ここまでの流れを2次設計(ルート3)と呼びます。


保有水平耐力や、必要保有水平耐力の算定については下記の記事を参考にしてください。


現在、ほとんどの建物がルート3の構造計算に該当しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は構造計算ルートについて説明しました。大まかに分けて3つのルートがあること、それぞれの細かな規定など理解できるようにしましょう。以上、今回の記事が参考になれば幸いです。

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