この記事の要点
複数の荷重が同時に作用する梁の変形を計算するとき、重ね合わせの原理を使えば一つひとつの荷重を独立に解いて足せる。手計算でも構造計算プログラムでも基本になる考え方だ。
適用できる条件と不静定梁への実際の使い方を整理する。
重ね合わせの原理を利用すると、応力や変位の計算が簡単になります。
この記事では、重ね合わせの原理とは何か、不静定梁はどのような手順で解くのか、たわみとの関係を整理します。
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重ね合わせの原理とは、2つ以上の入力に対する応答が、1つ毎の入力に対する応答の総和に等しいことです。
重ね合わせの原理を利用すると、応力や変位の計算が簡単になります。
今回は重ね合わせの原理の意味、不静定梁の解き方、たわみの計算法について説明します。
なお、重ね合わせの原理を利用した、不静定梁の解き方は下記が参考になります。
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不静定梁とは?1分でわかる意味、解き方、重ね合わせの原理、例題
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重ね合わせの原理とは、
2つ以上の入力に対する応答が、1つ毎の入力に対する応答の総和で表せること
です。
構造力学に限らず、物理、工学の分野で利用されます。下図をみてください。梁に集中荷重と等分布荷重が作用しています。
※集中荷重、等分布荷重の意味は下記をご覧ください。
2つの荷重が、同時に梁へ作用しています。この梁に作用する最大曲げモーメントは、
集中荷重時の曲げモーメント+等分布荷重時の曲げモーメント
です。2つの荷重が同時に作用しても、1つ毎の荷重条件に分解した結果を足し合わせ、解を得ることができます。
これが、重ね合わせの原理です。
ただし、重ね合わせの原理は、「線形」な関係の解析に限ります。下図を見てください。縦軸が荷重、横軸が変形です。左図は、荷重変位関係が比例関係です。右図は、不規則な関係です。
比例関係のとき、C点の変位は、1つ毎の荷重に対する変位の総和を合計すれば良いです。不規則な関係だと、重ね合わせた結果が、C点の変位になるとは限りません。
重ね合わせの原理を利用すると、不静定梁が簡単に解けます。特に、不静定次数が1程度の梁で簡単に使えます。詳細は下記をご覧ください。
不静定連続梁の解法|仮想仕事の原理を使った計算手順をわかりやすく解説
重ね合わせの原理を使えば、2つ以上の荷重が作用する梁のたわみも簡単に計算できます。
荷重P1、P2、P3が同時に作用する梁があります。この梁の最大たわみは、荷重ごとに対するたわみを計算し、合計すれば良いです。結果は、
δ=δ1+δ2+δ3
です。
混同しやすい用語
ひずみ
ひずみは断面内の変形の割合で、たわみは部材全体の変位量です。
両者は関連しますが、使う式と意味が異なります。
変位
変位は構造物全体の位置変化を指し、たわみは梁などの部材が曲がる方向(鉛直)の変位です。
重ね合わせの原理を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 重ね合わせの原理 | 複数荷重の応答=各荷重の応答の総和 | 線形構造に適用可能 |
| 適用条件 | 線形弾性範囲内(応力が比例限度以下) | 非線形問題には適用不可 |
| 主な用途 | 不静定梁・たわみの計算 | 計算の簡略化に有効 |
今回は重ね合わせの原理の意味を説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
重ね合わせの原理は、色々な荷重が作用するとき、応力やたわみを計算する効果的な方法です。
実務でも、重ね合わせの原理を利用して、応力解析を行います。
固定法や、たわみ角法を使わなくても、不静定梁を解くことが可能です。
下記も併せて参考にしてくださいね。
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この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
重ね合わせの原理に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。
定義と計算の両面から理解しておきましょう。
試験ではたわみの公式・許容たわみ(L/300程度)・梁の支持条件との関係が問われます。
スパンの影響が大きい(L?に比例)点を押さえ、断面二次モーメントや弾性係数との関係から定性的に理解しましょう。