建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 構造力学の基礎 > 塑性域とは?弾性域との違い・降伏点・応力ひずみ線図での見方

塑性域とは?弾性域との違い・降伏点・応力ひずみ線図での見方

この記事の要点

塑性域とは材料が降伏した後の領域で、荷重を取り除いてもひずみが残り、応力とひずみが比例しなくなる状態

弾性域(降伏前・フックの法則が成立)との違いを応力ひずみ曲線上で確認すると、塑性設計の基礎理解につながる。

この記事では、塑性域とは何か、弾性域とどう違うのかを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


塑性域(そせいいき)とは、材料に加えた荷重を取り除いても「ひずみ」が残るような状態のことです。


応力ひずみ曲線を描いた時「降伏した後が塑性域、降伏前が弾性域(だんせいいき)」です。


弾性域内で材料に加えた荷重を除荷すると「ひずみ」も無くなります


今回は塑性域の意味、読み方、弾性域との違い、ヤング率と応力の関係について説明します。弾性、塑性の詳細は下記をご覧ください。

弾性とは?塑性との違い・例(ゴム・鋼材)・降伏点との関係を解説

弾性域とは?1分でわかる意味、ひずみ、弾性変形と塑性変形、塑性域との違い

塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説

塑性域とは?弾性域との違い

塑性域(そせいいき)とは、材料に加えた荷重を取り除いても「ひずみ」が残るような状態のことです。


塑性域と永久ひずみ


下図をみてください。鋼に引張力を加えて破断するまでの「応力」と「ひずみ」の関係をグラフ化しました。応力ひずみ曲線(応力ひずみ線図)などと言います。


塑性域と応力ひずみ曲線


このとき「降伏した後を塑性域」「降伏する前を弾性域」といいます。弾性域の範囲内で荷重を取り除くと「ひずみ」も0になります。


弾性域とひずみの関係


塑性域と弾性域の違いを下記に示します。


塑性域 ⇒ 荷重を取り除いても「ひずみ」が残るような状態。応力ひずみ曲線における降伏した後の領域のこと

弾性域 ⇒ 荷重を取り除くと「ひずみ」が0になる状態。応力ひずみ曲線における降伏前の領域のこと


応力ひずみ曲線、弾性、塑性の詳細は下記が参考になります。

応力ひずみ線図とは?ヤング率との関係・見方と材料別の特徴(鋼材・コンクリート・脆性材料)

弾性とは?塑性との違い・例(ゴム・鋼材)・降伏点との関係を解説

塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

塑性域の読み方

塑性域は「そせいいき」と読みます。関係用語の読み方を下記に示します。


弾性域 ⇒ だんせいいき

弾塑性 ⇒ だんそせい

弾性 ⇒ だんせい

塑性 ⇒ そせい

塑性変形 ⇒ そせいへんけい


塑性変形とは|読み方・弾性変形との違い・降伏点

弾塑性(だんそせい)とは?意味・読み方・弾性と塑性の違い・材料を解説

塑性域とヤング率、応力の関係

下図をみてください。鋼の応力ひずみ曲線をみると、塑性域では「応力とひずみの関係が比例で無くなる」のです。


塑性域とヤング率、応力の関係


弾性域では応力σとひずみεは比例関係にあります。式で表すと、


σ=Eε


です。Eをヤング率(ヤング係数)といいます。弾性域ではE=σ÷εを計算してヤング係数を算定できます。


一方、塑性域では上記の関係は成立しないので、ヤング率は簡単には計算できません。ヤング率の詳細は下記が参考になります。

ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】

混同しやすい用語

塑性域

材料が降伏した後の領域で、荷重を取り除いても「ひずみ」が残り、応力とひずみが比例しない状態。

弾性域に対して、塑性域ではヤング率を使った計算が成立せず永久ひずみ(塑性ひずみ)が残る。

弾性域

降伏する前の領域で、荷重を取り除くとひずみが0に戻り、応力とひずみがσ=Eεで比例する。

塑性域に対して、弾性域ではヤング率Eが一定で構造計算の基本となる範囲である。

塑性域と弾性域を整理した表を示します。

項目内容備考
塑性域降伏後の領域。荷重除荷後もひずみが残るσ=Eε が成立しない
弾性域降伏前の領域。除荷するとひずみが0に戻るフックの法則 σ=Eε が成立
ヤング率弾性域のみ σ÷ε で算定可能塑性域では算定不可

まとめ

今回は塑性域について説明しました。塑性域とは、材料に加えた荷重を取り除いても「ひずみ」が残るような状態です。


応力ひずみ曲線における「降伏した後の領域」と考えてください。応力ひずみ曲線、ヤング率など関係用語も勉強しましょうね。

応力ひずみ線図とは?ヤング率との関係・見方と材料別の特徴(鋼材・コンクリート・脆性材料)

ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】

弾性域とは?1分でわかる意味、ひずみ、弾性変形と塑性変形、塑性域との違い

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

▶ 建築士試験ではどう問われる?
この論点は建築士(構造)で出題されます。実際の問題と解き方は 構造力学・荷重・耐震の過去問解説(分野別・全年度)(無料)で確認できます。

理解度チェック

Q.

塑性域とは何か。弾性域との違いは?

答えを見る

塑性域は荷重を取り除いてもひずみが残る状態(応力ひずみ曲線で降伏した後の領域)。弾性域は荷重を取り除くとひずみが0に戻る状態(降伏前の領域)。

Q.

弾性域での応力σとひずみεの関係式は。塑性域ではどうなるか?

答えを見る

弾性域ではσ=Eε(フックの法則、Eはヤング率)で応力とひずみが比例する。塑性域では応力とひずみが比例しなくなる。

Q.

ヤング率が算定できるのはどの領域か?

答えを見る

弾性域のみ(E=σ÷εで算定可能)。塑性域ではσ=Eεの関係が成立せず簡単には計算できない。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

▼調べるたびに検索するのをやめたい人へ▼

▼過去問の答えは見たけど、解き方がわからない人へ▼

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 塑性域とは?弾性域との違い・降伏点・応力ひずみ線図での見方
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事