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コンクリートと鉄筋の関係:互いの弱点を補う仕組みと付着・錆の注意点

この記事の要点

コンクリートと鉄筋を組み合わせる最大の理由は「互いの弱点を補い合う」ためだ。

コンクリートは圧縮強度が高い(Fc=21〜36N/mm²)が引張強度は約1/10程度で脆い。

鉄筋(SD材)は引張強度が高く(降伏点295〜490N/mm²)、コンクリートが引張側に割れないよう補強する。

コンクリートが鉄筋を包んでいる理由は「錆止め」と「付着力」の両方だ。

コンクリートはアルカリ性(pH≒12)を保っており、鉄筋の錆を防ぐ。

また異形棒鋼の節(デコボコ)がコンクリートと力学的に噛み合うことで「付着力」を確保している。

コンクリートのアルカリ性(pH12〜13)が鉄筋の錆を防ぎ、熱膨張係数が近いため温度変化に対しても一体として挙動します。

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コンクリートと鉄筋は、単体では弱い材料ですが、組み合わせることで互いの弱点を補うこができます。コンクリートと鉄筋を組み合わせた材料を、鉄筋コンクリートといいます。


今回は、コンクリートと鉄筋の関係、特徴、錆び、付着について説明します。当サイトでは、鉄筋コンクリート造について色々な記事を紹介しています。

鉄筋コンクリート造の基礎


また、鉄筋コンクリート部材の付着は、下記が参考になります。

鉄筋の定着長さとは?考え方、計算【図解】

コンクリートと鉄筋の関係は?

コンクリートと鉄筋は、単体では弱点の多い材料です。コンクリートは圧縮力に強いですが、引張力に弱いです。


曲げる力を加えると、すぐに折れます。一方、鉄筋は引っ張る力に強いですが、細いので、圧縮力に弱いです。すぐに座屈します。


※圧縮、引張、座屈の意味は下記が参考になります。

引張力と圧縮力の違いとは?符号・強度・記号(σt・σc)を解説

座屈とは?意味・座屈荷重・座屈長さ・種類をわかりやすく解説


しかし、コンクリートと鉄筋を組み合わせることで、両者の弱点を補った材料となります。それが、鉄筋コンクリートです。


また、鉄筋は錆びやすい材料です。空気に触れると酸化しますが、コンクリートに被覆されることで錆びません。コンクリートはアルカリ性だからです。


コンクリートと鉄筋は、線膨張係数が同じです。温度による変形が同じなので、鉄筋とコンクリートが一体として動きます。


線膨張係数が異なる値だと、同じ温度で異なる変形を起こすので、鉄筋とコンクリートの間に応力が生じます。


※線膨張係数の意味は下記が参考になります。

線膨張係数とは?鉄・コンクリートの値と計算式・単位(1/℃)

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鉄筋コンクリートの特徴

鉄筋コンクリートの特徴を下記に整理しました。


・鉄筋とコンクリートの弱点を補いあった材料

・コンクリートは圧縮力、鉄筋は引張力に抵抗する

・遮音性が高く、振動や変形が小さいため、居住性が良い


居住性が良いことから、マンションや学校など静かな環境に適した建物に使います。

鉄筋の錆と、コンクリートの関係

鉄筋は錆びやすい材料です。鉄筋の材質は、鋼なので酸化します。鉄筋コンクリートは、鉄筋の周囲をコンクリートで覆うので錆びません。


コンクリートはアルカリ性です。コンクリートがある限り、鉄筋は錆びにくいのです。


ただし、コンクリートがひび割れると、そこから空気や水が入ります。空気や水が鉄筋に触れると当然錆びます。


また、コンクリートはアルカリ性ですが、年数が経つと空気中の酸素の影響で、中性に近づきます。これを中性化といいます。中性化したコンクリートは、鉄筋を錆から守ることができません。

鉄筋の付着とコンクリートの関係

鉄筋は、コンクリートから抜け出さないよう付着性が大切です。付着を高めるため、鉄筋の周りには突起が付いています。


この鉄筋を異形鉄筋といいます。※異形鉄筋の意味は下記が参考になります。

異形鉄筋と丸鋼の違い、サイズ、機械的性質、化学成分、規格


鉄筋の付着は、下記も参考になります。

鉄筋の定着長さとは?考え方、計算【図解】

混同しやすい用語

鉄骨造(S造)との違い

鉄骨造は鋼材(H形鋼や角形鋼管)を主要構造部材として用いる構造形式で、鉄筋コンクリート造とは異なります。

鉄骨造はコンクリートを用いず鋼材のみで骨組みを構成するのに対して、鉄筋コンクリート造(RC造)は鉄筋とコンクリートを一体化させることで、鉄筋の引張力とコンクリートの圧縮力が相補的に機能します。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造形式で、超高層建築や長大スパンの梁に用いられます。

SRC造は鉄骨の芯材にさらに鉄筋とコンクリートを組み合わせる複合構造であるのに対して、RC造(鉄筋コンクリート造)は鉄骨を使わず鉄筋とコンクリートのみで構成されるものです。

コンクリートと鉄筋の関係を整理した表を示します。

項目内容備考
コンクリートの特性圧縮力に強く、引張力に弱いアルカリ性で鉄筋を錆から守る
鉄筋の特性引張力に強く、単体では座屈しやすい異形鉄筋で付着力を確保
組み合わせの利点線膨張係数が同じで一体化、互いの弱点を補完鉄筋コンクリート造(RC造)

まとめ

今回はコンクリートと鉄筋の関係について説明しました。鉄筋とコンクリートは、単体では弱点の多い材料です。組み合わせることで、互いの弱点を補います。


鉄筋コンクリート造の特徴を覚えてください。下記も参考にしてくださいね。

異形鉄筋と丸鋼の違い、サイズ、機械的性質、化学成分、規格

コンクリートの弱点とは?引張の弱さ・劣化メカニズムとひび割れの種類・対策

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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