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コンクリートには、様々な弱点があります。引張力に弱い、重量が大きいなど、です。
弱点の多いコンクリートですが、それを補った材料が「鉄筋コンクリート」です。今回は、コンクリートの弱点の種類と、劣化とひび割れについて説明します。
コンクリートの種類については下記が参考になります。
コンクリートの弱点を下記に整理しました。
コンクリートは、水、セメント、骨材を混ぜ合わせた材料です。複数の材料を組み合わせたものを「複合材料」といいます。
複合材料は、メリットも多いですが、反面デメリットも増えます。
コンクリートの弱点を補うため、鉄筋で補強した材料を「鉄筋コンクリート」といいます。
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それでは、各弱点を解説します。
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コンクリートは引っ張る力に弱いです。下図をみてください。コンクリートの柱を引張ると、圧縮したときより1/10も小さな力で壊れます。
コンクリートの圧縮強度は、一般的に24N/m㎡程度です。単位変換して分かりやすくすると、240kg/c㎡です。
つまり、1cm角のコンクリートは240kgの圧縮力に耐えられます。※コンクリートの圧縮強度は下記が参考になります。
引張力に対しては、わずか24kgの力に耐えられません。
この弱点を補う材料が「鉄筋」です。鉄筋は引張力に強いからです。コンクリートと鉄筋を組み合わせた材料が、鉄筋コンクリートでしたね。
コンクリートは重量が大きいです。単位体積重量で、2.4t/m3あります。また、ヤング係数が鋼材の1/10程度のため、たわみを小さくするため断面を大きくします。
※単位体積重量の意味、コンクリートの単位体積重量は下記が参考になります。
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コンクリートの比重は?鉄筋コンクリートとの違い、骨材、鉄筋の影響
鉄骨造に比べて自重が大きいので、地震力も大きくなります。※地震力は下記が参考になります。
スパンが大きいと、断面を大きくしても自重が増えるため、たわみを抑えることができません。
コンクリートは、引張力に弱いので、ひび割れが起きやすい材料です。ひび割れを抑えるために鉄筋を入れますが、ひび割れが生じます。
ひび割れの原因は複数あります。温度による力(乾燥による収縮、湿気による膨張などによる力)、二酸化炭素による影響もあります。
コンクリートはアルカリ性ですが、二酸化炭素の影響で劣化することが知られています。これを中性化といいます。
鉄筋は錆びないように、コンクリートに被覆されていますが、中性化すると錆びます。
鉄筋の錆によりコンクリートが、内部からひび割れます。そのひび割れから、さらに二酸化炭素が入りもっと錆びます。
ちなみに、二酸化炭素の影響は、室外よりも室内が大きいです(人間の息が二酸化炭素のため)。
また、建物の一部が沈下すると(不同沈下という)、部材にひび割れが生じます。沈下することで、設計で見込んでいなかった余分に力が作用するからです。
ひび割れが生じた場合、適切な処理を施します。見過ごすと、前述した「中性化による鉄筋の錆」、「ひび割れが水道(みずみち)となり劣化」などが起きます。
※水道(みずみち)とは、みずの通り道のこと。ひび割れから、躯体内部に水が入る経路。
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コンクリートは鉄骨と違い、現場施工が多いです。コンクリートの品質を決める工程のほとんどが「手作業、半手作業」によって行います。
よって、品質の管理・監理を適切にしないと、悪いコンクリートができます。厄介なのは、悪いコンクリートができても、外からは見分けがつかない点です。
規定が緩やかだった時代では、現場に届いた生コンクリートに水を入れ、作業性を良くしていた、という話もあります。※生コンクリートとは、硬化する前の液状のコンクリート。
水を余分に入れたコンクリートでは、所定の強度が出ませんね。
コンクリートに限った話ではありませんが、コストの変動を受けます。特にコンクリートは、前述したように現場施工の工程が多いです。
現場で型枠を組み、鉄筋を配置し、生コンを打設します。全て人間(職人さん)の手によって行います。
人手不足の昨今、職人さんの賃金も値上がりしています。よって、人件費を含めた施工費が値上がりし、結果コストの変動を受けるのです。
今回はコンクリートの弱点について説明しました。弱点の種類が理解頂けたと思います。弱点を理解すれば、その改善方法も理解できますね。
弱点が無い材料な存在しません。設計者としてできることは、いかに材料の弱点を補える設計を行うか、だと思います。
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