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鉄筋の定着長さの計算方法とフック付き定着について

RC造で鉄筋は引張力を負担する重要な役割を果たしています。例えば、鉄筋1本をコンクリートの塊に突っ込んだ状態を考えてください。次に鉄筋を引っ張ってみます。このとき、鉄筋には引張力が作用していますが、その引張力がコンクリート部へ伝達されるには、鉄筋とコンクリートが「定着」されている必要があるのです。

例えば、鉄筋の埋め込みが短い場合と長い場合、どちらの強度が強いでしょうか。明らかに後者だとわかるはずです。


このように、柱や梁部材でも鉄筋の定着はとても重要です。それは、鉄筋が「引張力を伝達する」という能力を発揮するためのファクターの1つなのです。


今回は、そんな定着長さの計算方法とフック付き定着について説明します。


定着長さの考え方について

構造設計の実務では、定着長さは40dのように(dは鉄筋径)、鉄筋径がわかれば算定できるようになっています。これは、鉄筋のftやコンクリートのFc、フック付きか否かで30dになったり、25dになったりします。

※鉄筋径については下記の記事が参考になります。


また、柱や大梁に対する定着と小梁に対する定着長さが違うなど、とても多様性を見せているのです。


そのまま暗記するのは結構面倒でとても覚えきれません。ですから、定着長さの考え方だけ頭に入れておきましょう。


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鉄筋のftをコンクリートの付着力で、伝達できるか?

鉄筋の短期引張強度をftとします。つまり、鉄筋にはこれ以上の応力は入りようがありません(そのときは鉄筋が破断している)。ですから、ft×at分の力をコンクリートに伝達できれば良いのです。


ではどうやって鉄筋からコンクリートへ力を伝達するのか?この抵抗力として働くのが「付着力」です。


まず、鉄筋で伝達可能な力をFと考えます。Fは次のように

F=ft×π×D^2/4

です。ftは鉄筋の短期引張強度、Dが鉄筋の直径です。


次に、上記に抵抗する付着力を算定します。付着力をRとすれば、

R=fa×π×D×L

です。気づいたかもしれませんが、Lが鉄筋の定着長さに該当します。両者を等式で結べば、


F=R

ft×π×D^2/4=fa×π×D×L

L=(ft×D)/4fa

です。Lを定着長さといいます。


上式から明らかなように、コンクリートと鉄筋の強度が定着長さに関係していることが分かりました。しかし現在、最新の基準では上式を変形した新式で決まります。


2010年版RC規準による定着長さの計算式

定着長さの算定方法は先程説明した通りです。しかし、最新の研究では定着長さは別の式が提案されています。それが、


L=(S×α×ft×D)/10fa


です。新しい式では、分母が10となっています。またαやSという係数が追加されました。αは横補強筋に関する補正係数。Sは構造部材によって異なる修正係数です。ちなみに、直線定着とフック付き定着で値が異なります。


正直言って、計算式に加わった係数の意味は専門家しか知りえませんが、今までの考え方は変わっていません。

 

フック付き定着長さについて

これまで説明した定着長さは、あくまで直線定着です。直線定着とは鉄筋をまっすぐコンクリートに埋め込むこと。しかし、先端にフックをつけて定着する場合もあります。当然フックをつけた方が付着力は高くなりそうです。

また、フックの角度には様々な種類があり、建築基準法あるいは鉄筋コンクリート造配筋指針で規定されています。フックの詳細な内容は下記の記事が参考になります。


以前は、フックをつけることで、フック部分で鉄筋強度の1/3を伝達できる、と言われていました。要するに残りの2ft/3を付着力で伝達するわけです。コレを踏襲するなら次式が得られます。


L=(ft×2/3×D)/4fa=(ft×D)/6fa


フックをつけることで定着長さが6〜7割くらいになりました。実は、RC規準の新式によればフック付きの修正係数は0.7倍するのです。どうやら、その根拠は今も変わっていないようですね。


今回は定着長さについて説明しました。実務では、表をみて定着長さを決めます。が、計算が必要になったときの参考になれば幸いですね。


まとめ

今回は定着長さと、フック付き定着長さについて説明しました。一度理論を理解すれば、なぜ定着長さが鉄筋径や強度で変わるのかわかって頂けたと思います。次回は継手を勉強しましょう。下記のリンクからどうぞ。

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