建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 基礎構造を学ぶ > 土圧係数とは?1分でわかる意味、求め方と内部摩擦角の関係、ka、k0の意味は?

土圧係数とは?1分でわかる意味、求め方と内部摩擦角の関係、ka、k0の意味は?

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


土圧係数とは土圧の値を決定する係数であり、主働土圧係数、受働土圧係数、静止土圧係数の総称です。


土は土粒子間の摩擦力、粘着力などにより、自立する力(抵抗力)を持ちます。


そのため、壁(擁壁など)に作用する土圧(水平方向の圧力)は、土被り圧(鉛直方向の圧力)と比較すれば低減されます(小さい値になる)。


つまり、見方をかえれば土圧係数は、土による鉛直方向力と水平方向力との比率です。


今回は土圧係数の意味、求め方と内部摩擦角の関係、ka、k0の意味について説明します。土圧係数の求め方は下記が参考になります。

土圧係数の求め方は?主動土圧係数ka、受働土圧係数kp、静止土圧係数k0の求め方、土圧の求め方は?

土圧係数とは?

土圧係数とは土圧の値を決定する係数であり、主働土圧係数、受働土圧係数、静止土圧係数の総称です。


下図をみてください。壁の背面に土(背面土)があり、壁には土圧が作用します。


土圧係数と土圧の関係


ここで、上図の壁を取り除くことを考えます。このとき背面土は崩れますが、土は土粒子間の摩擦力、粘着力による抵抗力を持つため、土はいくらか自立するでしょう。


土圧係数の考え方


次に、背面土を水に変えて同様に考えます。壁を取り除くと、その瞬間に水は流れてしまいます。ご存じのように、水は自立する力を持ちません。


土圧係数の考え方2


仮に、前述の性質は保持しながら土と水の単位体積重量が等しければ「土圧<水圧」となり、土は自立する力を持つ分、壁に作用する力は小さくなるのです。


さて、壁に作用する土圧は土の重さに起因するので、当然、深い位置になるほど土圧は大きくなり、下図のような三角形分布を示します(地表面載荷を無視する)。


土圧係数と土圧の分布


ここで深さHにおける土被り圧W(土の重さ、土による鉛直方向力)と土圧Ph(土による水平方向力)を比較します。


土被り圧は土の重さなのでW=γH(※γは土の単位体積重量とする)ですが、土圧は前述の理由よりγHより小さくなります。


つまり「W>Ph ⇒ Ph/W<1」すなわち、ある位置に作用する土圧は、同位置に作用する土被り圧より大きくならない、ことを意味します。


さらに、三角形状に分布する土圧の合力を算定しましょう。まず、水圧の合力と同様に、分布形状の面積と単位体積重量の掛け算を求めると


土圧係数と土圧の合力1


です。ただし、土圧は自立する力をもつので必ず上式の値より小さくなり、実際の土圧の値を算定するための係数Kを「土圧係数」とすれば、土圧を算定する式が得られます。


土圧係数と土圧の合力2


土圧係数と土圧の合力3


土圧には


・主働土圧 ⇒ 壁が背面土から離れる方向に変位するときの土圧

・受働土圧 ⇒ 壁が背面土に向かって変位するときの土圧

・静止土圧 ⇒ 壁と背面土が静止するとき(変位0)の土圧


があります。

主動土圧とは?1分でわかる意味、計算式、主動土圧係数の求め方、受働土圧との違いは?

受働土圧とは?1分でわかる意味、計算式、主働土圧との違い、受働土圧係数kpとは?

静止土圧とは?1分でわかる意味、計算式、主働土圧、受働土圧との違い、静止土圧係数とは?


静止土圧を基準に考えましょう。主働土圧は、静止状態から壁が土から逃げる方向に動くときの土圧であり、


壁が土から逃げる分、静止状態に作用する土圧より「小さく」なります。


逆に、受働土圧は静止状態から壁が背面土に向かって「押し込まれる」ときの土圧で、より土に向かって変位するのですから、


静止土圧より受働土圧の方が「大きく」なります。つまり、


・主働土圧 < 静止土圧 < 受働土圧


の関係があります。各土圧係数の求め方、土圧の詳細は下記が参考になります。

土圧係数の求め方は?主動土圧係数ka、受働土圧係数kp、静止土圧係数k0の求め方、土圧の求め方は?

土圧ってなに?良く分かる土圧の算定方法や土圧の種類

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

土圧係数の求め方と内部摩擦角の関係は?

土圧係数の求め方を下記に示します。


※なお、下記に示すka、kpは背面土と擁壁の摩擦力、土の粘着力、背面土の傾斜を考慮していない簡易式である。


一般式については省略する。


土圧係数の求め方


内部摩擦角の詳細は下記が参考になります。

内部摩擦角とは?1分でわかる意味、ざっくり地盤の特性を知る5つのTIPs、n値との関係

土圧係数のka、k0の意味は?

土圧係数のkaは主働土圧係数の記号、k0は静止土圧係数の記号です。また、kpは受働土圧係数の記号です。土圧係数のkaの意味は下記も参考になります。

土圧係数のkaとは?1分でわかる意味、主働土圧係数の公式、土圧係数のkp、k0とは?

まとめ

今回は土圧係数について説明しました。土圧係数とは土圧の値を決定する係数です。


土圧係数には主働土圧係数、受働土圧係数、静止土圧係数の3種類があります。


土圧係数の求め方、土圧の意味など下記も勉強しましょう。

土圧係数の求め方は?主動土圧係数ka、受働土圧係数kp、静止土圧係数k0の求め方、土圧の求め方は?

土圧ってなに?良く分かる土圧の算定方法や土圧の種類

主働土圧係数とは?【近日公開予定】

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 基礎構造を学ぶ > 土圧係数とは?1分でわかる意味、求め方と内部摩擦角の関係、ka、k0の意味は?
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事