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N値、内部摩擦角とは?ざっくり地盤の特性を知る5つのTIPs

構造設計者の中でも、地盤の特性は曖昧なものです。それは、地盤や土質工学というのは、「土木」の専門領域だと考えている人が多いことが原因です。そもそも大学のカリキュラムでも、建築学科は地盤工学を真面目に授業する大学は少なく、社会人になってから知ることも多いでしょう。


僕は学生の頃、土木工学科で土質力学系の研究室にいました。試料の力学試験を一通りやってみて、今思えば貴重な体験だったのですが、とにかく不人気な研究室でした。


それほど地盤や土質の分野は難しく、理解しがたいものです。重要な分野であるにも関わらず、構造設計分野でも日の目を浴びにくい分野でしょう。


一方、地盤の力学特性を知ることは基礎構造の検討を行う時、必須の情報です。ということで、今回は地盤の特性を知るTIPsを特集します。

1.N値の判別は現場で簡単に行える。

標準貫入試験をしないとN値はわからない、と思っている人は多いものです。確かにそうなのですが、現場で簡単に判別する方法があります。例えば、


・鉄筋を地面にさしてみて、手で簡単に入るとき。N値0〜4

・スコップで地面をほれるとき。N値4〜10

・鉄筋を2kgのハンマーで叩いて、「簡単に」ささるとき。N値10〜30

・上記で、貫入に苦労するとき。N値30〜50

・地面をほるのに、ツルハシが必要なとき。N値50以上


と、地面の掘りやすさでN値は判別できるのです。畑の土は掘りやすく鉄筋は手でさせそうです。つまり、N値がほとんどありません。


学校の校庭は比較的締め固められていて、鉄筋で簡単に、とはいきません。代わりにスコップで掘ることができます。つまりN値4〜10です。


このように、特殊な道具を使わず瞬時にN値を推定できる便利な方法です。もちろん、設計でN値を用いる場合は標準貫入試験などによる調査結果が必要です。そもそも、標準貫入試験とN値は密接な関係があります。N値を正しく理解するなら、下記の標準貫入試験に関する記事を参考にしてください。

2.N値の10倍程度が、直接基礎の地耐力

N値は杭基礎や直接基礎の支持力(直接基礎の場合、地耐力という)と比例関係にあります。特に、直接基礎の地耐力はN値の10倍程度を覚えておくと便利です。

例えば、N値=7の支持層があるとするなら、直接基礎の地耐力は概ね70kN/u(長期)です。もちろん詳細な値は計算する必要がありますが、地耐力の過小・過大評価を防ぐことができます。※地耐力の計算については、下記の記事が参考になります。

ボーリング調査ってなに?すぐに分かるボーリング調査と標準貫入試験

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3.内部摩擦角は土のせん断力に対する抵抗値。

内部摩擦角とは、土粒子同士のせん断力に対する抵抗値と考えてください。例えば、四方に囲まれたパネルに砂をつめます。満タンになったところで、その囲いを外すのです。すると、砂は崩れますね。


崩れるとき、斜面になって崩れない箇所があるのか、それとも全て崩れるのか?それを決めるのが内部摩擦角です。ザックリ言うと強度の高い砂ほど、崩れにくいのです。


4.砂質土は、N値が大きいほど内部摩擦角は大きくなる。

上記の話に関連して、N値は内部摩擦角と相関があります。N値が大きいほど土粒子は密になるので、内部摩擦角も大きくなります。


5.内部摩擦角の計算式も色々ある。そして、その大きさは異なる。

内部摩擦角の計算式も色々です。例えば、国土交通省が定める式は下式です。

    ・φ=√15N+15

建築学会でも使われている大崎式は、

    ・φ=√20N+15

また、道路や鉄道で用いる内部摩擦角は

    ・φ=4.8logN+21

各式で計算すると分かりますが、値もそれぞれ違います。どれを用いても、公的な図書に明記ある式ですから、後は設計者の判断ですね。内部摩擦角は下記の地耐力の算定で用います。地耐力は基礎の設計で基本となる項目ですから理解しておきたいですね。地耐力に関しては、下記の記事を参考にしてください。


6.粘性土の内部摩擦角は0°になる。

砂質土と粘性土は、そもそも全く別の材料と考えても良いでしょう。例えば、砂質土は土粒子間の摩擦力で抵抗しますが、粘性土は粘着力で抵抗します。


ですから、内部摩擦角は0°です。というより粘性土の概念ではない、と言った方が正しいでしょうか。


いかがでしたでしょうか。今回は地盤の特性をほんのさわりだけ紹介しました。まだまだ重要なポイント(TIPs)が溢れています。


例えば下記の記事は、土の物理試験結果から得られるポイントを纏めました。物理試験結果では土粒子の密度や湿潤状態など、液状化などに関する重要な情報も隠れています。下記の記事を参考にしてください。

以上、今回の記事が参考になれば幸いです。

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