この記事の要点
鉄骨構造の建物を設計するとき、製作工場のグレードが確認申請に影響します。
Sグレードが最上位で超高層など大規模建物に対応し、Jグレードが最下位で小規模建物向けです。
「どのグレードを指定すべきか」を知ることが設計者の実務スキルです。
このページでは鉄骨工場グレードS・H・M・R・Jの違い・覚え方・適用建物規模と確認申請での使い方を解説します。
Mグレード:規模無制限・板厚40mm以下・下向き+横向き溶接が可能
Hグレード:板厚60mm以下・520N級対応・立向溶接も可能
Sグレード:規模・材質・作業条件・パス間温度など制限なし(何でもできる工場)
この記事では、鉄骨工場のグレードとは何かを整理します。
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鉄骨工場は、製作能力や工場設備などに応じてランクがつけられています。これを「グレード」といいます。建物の規模に応じて工場のグレードを選択します。今回は鉄骨工場のグレードと意味、SグレードとHグレードについて説明します。
建築図面の特記仕様書に、鉄骨工場のグレードなどを書きます。特記仕様書は下記が参考になります。
特記仕様書とは?標準仕様書との違いと書き方・読み方のポイント
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鉄骨工場のグレードは、工場の製作能力、設備、技能者や技術者の人数などに応じて定められるランクです。下記のグレードがあります。
Sが最も高いグレードです。逆にJは低いグレードで、小規模の鉄骨構造物しか製作できないと考えてよいでしょう。
全国的に最も多いグレードがM、次がR、H、J、Sと続きます。Sグレードの工場は全国を探しても、数えるほどしかありません。
鉄骨工場のグレードは、現在2機関により評価認定が行われています。
・鉄骨建設業協会
・全国鐵構工業協会
各グレードと鉄骨構造物の製作範囲について説明します。前述した通り、グレードに応じて製作可能な規模が変わります。
Jグレードは最も低いグレードです。製作可能な範囲は下記です。※詳細は下記が参考になります。
Rグレードの製作可能な範囲は下記です。
Mグレードの製作可能な範囲は下記です。
Mグレードになると、製作可能範囲がぐっと増えます。Rグレードまでは建物規模が限定的でした。Mグレードでは、規模による規定が無制限です。また対応可能な厚みも増え、横向き溶接も行えます。
Mグレードの認定を受ければ、小・中規模の鉄骨工事は網羅できるので、全国的にもMグレードが多いです。
私は構造設計をしていて、Mグレード以上にしたことがありません。
Hグレードの製作範囲は下記です。
Sグレードは、前述した規定は一切ありません。規模、材質、作業条件、パス間温度など制限がありません。
要するに「何でもできる工場」です。
Sグレードの認定を受けた工場は全国に十数社ほどです。その分、認定条件は厳しいです。
混同しやすい用語
【Sグレード】と【Hグレード】の違い:Hグレードは板厚60mm以下・520N級炭素鋼まで対応し立向溶接も可能な高グレード工場です。
Sグレードはすべての規制がなく規模・材質・作業条件・パス間温度に制限がない最高グレードで、全国に十数社しかありません。
鉄骨工場のグレードを整理した表を示します。
| グレード | 製作規模・板厚 | 作業条件 |
|---|---|---|
| J・Rグレード | 小?中規模、板厚16〜32mm以下 | 下向き溶接 |
| Mグレード | 規模無制限、板厚40mm以下 | 下向き+横向き溶接 |
| H・Sグレード | 規模無制限、板厚60mm以下(S:無制限) | 立向溶接も可能(S:制限なし) |
今回は鉄骨のグレードについて説明しました。
鉄骨構造を設計すると、グレードを指定する必要があります。
普通の建物なら、Mグレードで十分です。
しかし発注条件にRグレードやJグレードの指定ある場合、建物規模から可能な製作範囲か考える必要があるでしょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
普通の建物なら全国で最も多いMグレードで十分です。
管理人自身も構造設計でMグレード以上を指定したことはないとのことです。
特記仕様書でグレードを指定する際は建物規模と照らし合わせて適切なグレードを選びましょう。