この記事の要点
焼入れとは、加熱した鋼(800〜900℃程度)を水や油で急速に冷やす熱処理で、強度が上がるが脆くなる。
焼き戻しは焼入れ後に低温で再加熱・空冷する処理で、粘り強さを回復させる。
焼入れと焼き戻しを繰り返した鋼を「調質鋼」という。
焼きならし(空冷)と焼きなまし(炉冷)は冷却方法が異なり、組織を均一化・軟化させる処理である。
この記事では、焼入れとは何か、焼き戻しとどう関係するのかを整理します。
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焼入れとは、鋼の熱処理の1つです。
焼入れは、熱した鋼を、水や油に浸して急速に冷やすことです。
似た用語に、焼き戻し、焼きなまし、焼きならしがあります。
これらは、鋼の強度と靭性を操作する処理です。
焼入れを行うと、強度は高くなりますが、脆くなります。
今回は、焼入れの意味、焼き戻しとの関係、焼きなまし、焼きならしの意味について説明します。
※鋼は、下記の記事が参考になります。
鋼構造とは?鉄骨構造との違い・構造力学との関係と主な用途・特徴
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焼入れとは、鋼の熱処理の1つです。焼入れは、
加熱した鋼(温度は800~900℃程度)を、水や油で、急速に冷やすこと
です。
焼入れを行うと、鋼は強度が高く、脆くなります。強度が高くなる点は良いですが、脆くなるのはデメリットです。そこで、粘り強さを与える熱処理を行います。
それが、「焼き戻し」です。焼き戻しは、
焼入れした鋼をやや低い温度(焼入れ温度の半分程度)で加熱し、空気で冷やすこと
です。焼き戻しを行うと、鋼は粘り強くなります。その代わり、強度が低下します。焼入れと焼き戻しを繰り返すことで、
強度が高く、粘り強い鋼
をつくります。
焼入れと焼き戻しを繰り返した鋼を、「調質鋼」といいます。熱処理を行わない状態や、焼なました鋼を、非調質鋼といいます。
なお、特殊鋼として耐火鋼、TMCP鋼があります。TMCP鋼は、焼き戻し加工を行い、靭性を高めた鋼材です。耐火鋼、TMCP鋼の意味は、下記の記事が参考になります。
fr鋼とは?1分でわかる意味、特徴、溶接性、耐火被覆との関係
TMCP鋼とは|板厚40mm超の降伏点維持・規格・大臣認定の解説
焼きならしと焼きなましの意味を下記に整理しました。
焼きならし ⇒ 鋼を加熱後、空気中で冷却すること
焼きなまし ⇒ 鋼を加熱後、炉の中で冷却すること
混同しやすい用語
焼きならしと焼きなましは読み方が似ていて混同しやすい用語です。
焼きならしは「加熱後に空気中で冷却」、焼きなましは「加熱後に炉の中でゆっくり冷却」します。
冷却方法の違いで区別しましょう。
また、焼入れ(急冷)・焼き戻し(低温加熱+空冷)とあわせて4つの熱処理を整理しておくことが重要です。
焼入れを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 焼入れ | 加熱した鋼を水や油で急速に冷却する | 強度上昇・脆化 |
| 焼き戻し | 焼入れ後に低温加熱し空冷する | 靭性回復・強度低下 |
| 調質鋼 | 焼入れと焼き戻しを繰り返した鋼 | 強度・靭性を両立 |
今回は、焼入れについて説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
焼入れは、加熱した鋼を水や油で急速に冷やすことです。
強度は高くなりますが、脆くなります。
そこで、焼き戻しを行います。
焼き戻しを行うと、鋼は粘り強くなります。
焼入れと焼き戻し、調質鋼と非調質鋼の関係も覚えてくださいね。
鋼の意味、特殊な鋼は下記の記事が参考になります。
TMCP鋼とは|板厚40mm超の降伏点維持・規格・大臣認定の解説
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この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、焼入れ・焼き戻し・焼きならし・焼きなましの4つの熱処理の違いが問われます。
特に「焼入れ=強度アップ・脆化」「焼き戻し=靭性回復・強度低下」「調質鋼=焼入れ+焼き戻しを繰り返した鋼」という関係を押さえておきましょう。
TMCP鋼が焼き戻し処理を用いた特殊鋼であることも覚えておくと得点につながります。