この記事の要点
庇とは、建物外壁から水平に張り出した日除け・雨よけの部材です。既製庇と在来庇の2種類があります。構造的には片持ち梁として設計されます。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
庇(ひさし)は、梁から持ち出した屋根のことです。庇には、「おおうこと。かばう」という語源があります。建物のそばで雨がかかる場所などは庇をつけます。雨に濡れないためです。今回は、そんな庇の意味、主要メーカー、後付庇のメリット・デメリットについて説明します。
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
庇は、片持ち状の屋根です。庇をつける目的は「雨に濡れない、雨がかからないため」です。まさに「おおう、かばう」と言う意味ですね。下図をみてください。庇の一例を示しました。
ちなみに、下図のように柱が付いた場合、庇ではなく「屋根」です。
庇は片持ち形式です。片持ち材は1端しか支持していないので、少し不安です。自重で落ちないか、片持ち長さは何メートルなのか、当然チェックすべきでしょう。
庇は、いくつかの種類があります。下記に整理しました。
庇の種類は、構造部材(柱や梁など)の材料によります。rc造ならRC庇が普通です。ただ「アルミ庇」に関しては、建物構造に関係なく取り付け可能です。例えばRC造でも、アルミ庇は取り付け可能、木造住宅でもアルミ庇は取り付け可能です。
また、アルミ庇は軽くて取り付けが簡単です。軽いと地震に対しても有利なので、アルミ庇の採用は多いです。
ただし強度は低いので、大スパンの庇を造る場合、アルミ庇ではなく鉄骨庇やRC庇とします。木造の公共建築物の庇(図書館など)では、木造と鉄骨造を組み合わせた庇も採用されます。
庇は、メーカー製品による「既製庇」と手作りによる「在来庇」の2つがあります。住宅に使う庇は、既製庇がほとんどで主要メーカーに下記があります。
・アルフィン
・ABC商会
とくにアルフィンは、庇メーカーとしてはトップのシェアを誇ります。幅やスパンに応じて、様々なタイプの庇を売り出しているので、色々なニーズに対応しています。
ABC商会は、庇メーカーではないのですが「ライトシェルフ」などに力を入れています。※ライトシェルフとは、太陽光を部屋内に導く役割をもつ庇です。
前述したように、庇を工法別に分けると既製庇と在来庇の2つがあります。
既製庇はメーカーが製作する庇のことです。メリットは
・施工が簡単(現場で取り付けるだけ)
・設計不要(メーカーが設計済み)
です。既に形ができあがっている庇を、現場で取り付けるだけなので施工は簡単です。デメリットは、
・形が決まっている
・規模が大きい庇は採用できない(制約がある)
です。あまりにも大きな庇は在来庇とします。
在来庇は、いわゆる手作りの庇です。設計で庇の大きさを考え、それに応じた部材などを配置します。在来庇のメリットは、
・庇の形状を自由にできる
ことです。一方デメリットは、
・設計する必要がある
・施工が面倒
です。
軽微な庇は、既製庇を使うことが多いです。ただ規模が大きくなると、既製庇では対応できません。またデザインに凝った庇にする場合、形を自由に変えられる在来庇とします。
後付庇とは、元々庇がない建物に後から取り付ける庇のことです。※ちなみに、後付庇は、一般名称ではありません。
後付庇の例を下図に示しました。
住宅の中にはコストを削減して、庇を取り付けない場合もあるのです。よって後付庇を考える人も多いようです。
例えば玄関ですが、家をでて庇が無いとすぐに雨に濡れます。ドアを開けた時、風で雨が入ってくることも考えられます。ですから普通は庇を取り付けます。
では、後付庇のメリット・デメリットはなんでしょうか。下記に整理しました。
・特になし
・建築基準法の抵触がないか専門家への確認が必要
・片持ち形式の庇は取り付け不可
です。
メリットは特にありません。デメリットとして、後付庇にすることで建築基準法の抵触(違反)がないか確認が必要です。専門家又はメーカーへの問い合わせが必要です。
また、片持ち形式の庇は取り付けできません。既製庇は、取り付けするために構造部材が必要です。普通、構造部材は壁の中に隠れています。
よって、新しく片持ち状の既製庇を取り付ける場合、「部分的に建物を壊す」必要があります。そういった工事は難しいため、普通は行いません。
混同しやすい用語
庇とバルコニー
バルコニーとは、建物外壁から張り出した屋外の床スペースです。庇は日除け・雨よけ目的の水平部材で、人が乗ることを前提としません。構造的な荷重の大きさや設計の考え方が異なります。
既製庇と在来庇
既製庇とはメーカーが製造した規格品の庇で、取り付けが比較的簡単です。在来庇は現場で形状を自由に決めて製作する庇です。規模やデザインによって使い分けます。
庇を整理した表を示します。
| 種類 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| 在来庇(オリジナル庇) | 建設時に躯体と一体で設ける庇 | 構造との一体設計が可能 |
| 既製庇(後付け庇) | 既製品を後付けで取り付ける庇 | 取り付け部分の補強が必要 |
| 構造的特徴 | 片持ち梁として挙動する | 先端に荷重が集中 |
| 主な用途 | 雨除け・日射遮蔽・出入口の保護 | 外壁保護にも有効 |
今回は庇について説明しました。庇の特徴や機能をよく理解しましょう。庇の種類、既製庇や在来庇があることを覚えてくださいね。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
庇は構造的には片持ち梁です。後付け庇は取り付け部分の補強が重要で、既存の構造部材への影響を確認する必要があります。既製庇は取り付け位置に構造部材が必要なので事前に確認しましょう。