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庇(ひさし)は、梁から持ち出した屋根のことです。庇には、「おおうこと。かばう」という語源があります。建物のそばで雨がかかる場所などは庇をつけます。雨に濡れないためです。今回は、そんな庇の意味、主要メーカー、後付庇のメリット・デメリットについて説明します。
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庇は、片持ち状の屋根です。庇をつける目的は「雨に濡れない、雨がかからないため」です。まさに「おおう、かばう」と言う意味ですね。下図をみてください。庇の一例を示しました。
ちなみに、下図のように柱が付いた場合、庇ではなく「屋根」です。
庇は片持ち形式です。片持ち材は1端しか支持していないので、少し不安です。自重で落ちないか、片持ち長さは何メートルなのか、当然チェックすべきでしょう。
庇は、いくつかの種類があります。下記に整理しました。
庇の種類は、構造部材(柱や梁など)の材料によります。RC造ならRC庇が普通です。ただ「アルミ庇」に関しては、建物構造に関係なく取り付け可能です。例えばRC造でも、アルミ庇は取り付け可能、木造住宅でもアルミ庇は取り付け可能です。
また、アルミ庇は軽くて取り付けが簡単です。軽いと地震に対しても有利なので、アルミ庇の採用は多いです。
ただし強度は低いので、大スパンの庇を造る場合、アルミ庇ではなく鉄骨庇やRC庇とします。木造の公共建築物の庇(図書館など)では、木造と鉄骨造を組み合わせた庇も採用されます。
庇は、メーカー製品による「既製庇」と手作りによる「在来庇」の2つがあります。住宅に使う庇は、既製庇がほとんどで主要メーカーに下記があります。
・アルフィン
・ABC商会
とくにアルフィンは、庇メーカーとしてはトップのシェアを誇ります。幅やスパンに応じて、様々なタイプの庇を売り出しているので、色々なニーズに対応しています。
ABC商会は、庇メーカーではないのですが「ライトシェルフ」などに力を入れています。※ライトシェルフとは、太陽光を部屋内に導く役割をもつ庇です。
前述したように、庇を工法別に分けると既製庇と在来庇の2つがあります。
既製庇はメーカーが製作する庇のことです。メリットは
・施工が簡単(現場で取り付けるだけ)
・設計不要(メーカーが設計済み)
です。既に形ができあがっている庇を、現場で取り付けるだけなので施工は簡単です。デメリットは、
・形が決まっている
・規模が大きい庇は採用できない(制約がある)
です。あまりにも大きな庇は在来庇とします。
在来庇は、いわゆる手作りの庇です。設計で庇の大きさを考え、それに応じた部材などを配置します。在来庇のメリットは、
・庇の形状を自由にできる
ことです。一方デメリットは、
・設計する必要がある
・施工が面倒
です。
軽微な庇は、既製庇を使うことが多いです。ただ規模が大きくなると、既製庇では対応できません。またデザインに凝った庇にする場合、形を自由に変えられる在来庇とします。
後付庇とは、元々庇がない建物に後から取り付ける庇のことです。※ちなみに、後付庇は、一般名称ではありません。
後付庇の例を下図に示しました。
住宅の中にはコストを削減して、庇を取り付けない場合もあるのです。よって後付庇を考える人も多いようです。
例えば玄関ですが、家をでて庇が無いとすぐに雨に濡れます。ドアを開けた時、風で雨が入ってくることも考えられます。ですから普通は庇を取り付けます。
では、後付庇のメリット・デメリットはなんでしょうか。下記に整理しました。
・特になし
・建築基準法の抵触がないか専門家への確認が必要
・片持ち形式の庇は取り付け不可
です。
メリットは特にありません。デメリットとして、後付庇にすることで建築基準法の抵触(違反)がないか確認が必要です。専門家又はメーカーへの問い合わせが必要です。
また、片持ち形式の庇は取り付けできません。既製庇は、取り付けするために構造部材が必要です。普通、構造部材は壁の中に隠れています。
よって、新しく片持ち状の既製庇を取り付ける場合、「部分的に建物を壊す」必要があります。そういった工事は難しいため、普通は行いません。
今回は庇について説明しました。庇の特徴や機能をよく理解しましょう。庇の種類、既製庇や在来庇があることを覚えてくださいね。
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