この記事の要点
確認申請の審査では、構造計算の見落としや計算根拠の不足を指摘されることがあります。
吹上の検討と屋根葺き材の検討はその中でも比較的多い指摘項目で、風圧力の計算と屋根材の接合耐力確認が求められます。
指摘を受けたとき焦らず対応できるのは、事前にどんな計算が必要かを知っているかどうかにかかっています。
吹上力の計算式( 風圧力×受圧面積)と屋根葺き材の接合耐力との比較という基本の流れを把握しておくと、対応書類の作成がスムーズになります。
屋根材がメーカー品の場合、メーカーに構造性能証明書の提出を依頼する必要があり、風荷重等の設計条件を明示した上で検討を依頼します。
意匠設計者と連携して対応しましょう。
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確認申請の指摘対応※本対応例及び指摘例は事実に基づいたフィクションです。
さて、フィクションと断ったので苦情は一切受け付けませんが、私がこれまで受けてきた指摘回答の例を紹介します。
■指摘 吹上の検討はどちらにありますか?
■回答 検討を追加します。
■管理人の解説
風荷重に関する指摘です。
RC庇は圧倒的に自重が重いので当指摘が出ることはありません。
よって、鉄骨造の片持ち庇の指摘と予想できます。
片持ち庇の場合、屋根材等の自重の検討と、風荷重が壁面に作用したときの上向きの力に対して追加検討する必要があります。
なぜなら、風荷重は風圧力×Cfという係数を掛ける必要があります。
Cfは屋根の傾きや、吹上で変わってきます。
特に吹上は外圧と内圧係数を考慮すれば、1.4倍程度となり、場合によっては自重よりも重くなることがあります。
よって、鉄骨造の庇は長期と風荷重吹上の検討を行いましょう。
■指摘 屋根葺き材の検討はどちらにありますか?
■回答 検討を追加します。
■管理人の解説
鉄骨造建物の屋根は大きく分けて2種類存在します。
それは、RC屋根と鋼製屋根です。
RC屋根ということは、RCスラブの検討を行いOKかどうか確認しましょう。
一方忘れやすいのが、鋼製屋根の検討です。
鋼製屋根の場合、これが持つかどうかは自分では判断が付かない部分があります。
なぜなら、多くの場合屋根材はメーカー品を使用すると思いますが、断面二次モーメントや断面係数などメーカー独自の製品のため、数字が異なるからです。
ですから、鋼製屋根の検討を行う場合はメーカーに依頼しましょう。
このとき、使用する風荷重等の設計条件は提示する必要があります。
また、構造設計者からメーカーへ頼むよりは、意匠設計者へ頼むことがベターかと思います。
なぜなら、屋根材を決めているのは意匠設計者で、違うメーカーへ依頼するミスはないでしょう。
混同しやすい用語
吹上力(ふきあげりょく)
吹上力とは、屋根面に対して上方向(外向き)に作用する風圧力のことです。
軽量な屋根材で特に問題になりやすく、固定金物の引き抜き耐力を検討する必要があります。
風圧力(ふうあつりょく)
風圧力とは、建築物の外表面に作用する風による圧力の総称です。
屋根の吹上力(外圧)と建物側面への押し付け力(内圧)の両方を含む広い概念です。
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鉄骨造の片持ち庇で吹上の検討が必要な理由を説明してください。
風荷重が壁面に作用したときの上向きの力(吹上力)を検討する必要があるためです。風荷重は風圧力×Cfで、Cfは屋根の傾きや吹上で変わり、吹上は外圧・内圧係数を考慮すると1.4倍程度になり、場合によっては自重より重くなります。よって長期と風荷重吹上の両方を検討します。
鋼製屋根の屋根葺き材の検討はどのように行いますか。
屋根材はメーカー品で断面二次モーメント・断面係数などがメーカー独自のため自分では判断できません。よってメーカーに検討を依頼します。その際、使用する風荷重等の設計条件を提示し、屋根材を決める意匠設計者経由で依頼するのがベターです。
吹上力と風圧力の違いを説明してください。
吹上力は屋根面に対して上方向(外向き)に作用する風圧力で、軽量な屋根材で問題になりやすく固定金物の引き抜き耐力の検討が必要です。風圧力は建築物の外表面に作用する風による圧力の総称で、屋根の吹上力(外圧)と建物側面への押し付け力(内圧)の両方を含む広い概念です。
