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カンチレバーとは、一端を固定として他は支点を設けない構造形式です。「キャンチレバー」や単に「キャンチ」ともいいます。英語のcantileverをカタカナ読みした用語です。今回は、カンチレバーの意味、構造、カンチレバー橋の特徴、片持ち梁との関係について説明します。
片持ち梁の詳細は下記が参考になります。
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カンチレバーは、一端を固定、他端は自由とした構造です。一般に、「片持ち梁」のことを指します。下図をみてください。これがカンチレバーです。
建築の実務では、「キャンチレバー」や「キャンチ」と呼ぶことも多いです。やはり片持ち梁のことを意味します。
実際は梁に関わらず、一端固定・他端自由の構造は「カンチレバー」と考えて良いでしょう(ただし、上記の構造は梁に多いです)。
同意味の用語で「片持ち梁」があります。片持ち梁の意味は下記をご覧ください。
カンチレバーの構造は、下記の特徴があります。
・端部の曲げモーメントが大きい
・端部の変形が大きい
・大胆で斬新な構造形式が可能
・工夫次第で大スパン構造とできる(後述するカンチレバー橋)
カンチレバーは片持ち状なので、端部の曲げモーメントが大きくなります。
例えば単純梁に比べると、4倍程度曲げモーメントが大きいです。※片持ち梁、単純梁の曲げモーメントは下記を参考にしてください。
片持ち梁の曲げモーメント図は?1分でわかる書き方、公式、計算、三角分布荷重との関係
単純梁の曲げモーメントは?1分でわかる求め方(計算)、公式、等分布荷重と集中荷重との関係
同様に変形量が大きく、カンチレバーの梁はいかに応力と変形を小さくするかがポイントです。建築基準法では、カンチレバーの梁で2.0mを超えるとき、鉛直震度を考慮して設計する必要があります。鉛直震度の意味は下記をご覧ください。
鉛直震度ってなに?1分で分かる鉛直震度の意味と、片持ち梁の設計
一方で、カンチレバーは大胆で斬新な構造とできます。1端でしか支えていないので、開放的な空間にできるでしょう。
カンチレバー橋は、カンチレバーの構造的な特徴を活かした形式です。カンチレバー橋は下図の橋をいいます(実際は、単一の梁ではなくトラス梁のカンチレバーです)。
カンチレバー橋は、スパンの間に2カ所のヒンジを設けます。このヒンジは曲げモーメントが発生しないので、スパン中央では曲げモーメントが小さくなります。その代り、支点に曲げモーメントが集中します。カンチレバーの応力状態に近いですね。
例えばスパンの2カ所にヒンジを設けない場合だと、下図のようにスパン中央部で応力が最大となります。
よって、カンチレバー橋は支点に作用する応力さえ処理できれば、スパンを長くしてもスパン中間の応力は小さくて済みます。この工法を用いて、多くの大スパン橋が建設されました。カンチレバーの特徴を上手に活かした構造形式です。
※橋の構造は下記が参考になります。
橋の構造とは?5分でわかる全12種類の名称、特徴、強度、構造計算
今回はカンチレバーについて説明しました。カンチレバーの意味が理解頂けたと思います。カンチレバー自体は、片持ち梁と同じ意味です。橋の種類には、カンチレバー橋があります。これはカンチレバーの特徴を上手く活かした橋なので、是非覚えておきましょう。下記も参考にしてくださいね。
橋の構造とは?5分でわかる全12種類の名称、特徴、強度、構造計算
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