この記事の要点
布基礎を設計するとき、接地圧(地盤に伝わる圧力)が許容支持力を超えないことを確認する必要がある。
接地圧から底版の厚さ・配筋量が決まる流れを理解することが基礎設計の基本だ。
接地圧の算定と配筋決定のステップを整理する。
布基礎の配筋は接地圧の大きさに基づいて決まり、底盤の曲げに対して主筋を配置する。
配筋の最低基準は建築基準法や告示に規定されている。
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布基礎の設計木造住宅には布基礎かベタ基礎がほとんどです。また鉄骨造でも、重量が軽い場合は布基礎やベタ基礎で設計します。公共施設を設計している人は、案外、布基礎の設計は初めてなんて人も多いのではないですか?
そこで今回は、布基礎の設計方法、接地圧の算定から配筋の決め方について説明します。※接地圧の意味、各基礎の特徴は下記が参考になります。
接地圧とは?1分でわかる意味、単位、基礎、計算式との関係、地反力との違い
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布基礎は一言で「細長い基礎」といえます。独立基礎が正方形に近い形状ですが、この幅を狭く、長さを大きくした基礎が布基礎です。
下図をみてください。
■のマークは柱で、その下に布基礎があります。布基礎は柱幅より少し大きくて、外周部や内部の柱を受けるため、連続して配置されます。
直接基礎の中では2番目に安定した基礎といえます。1番安定した基礎がベタ基礎。これは、建物の床ごと基礎にします。建物を支える面積が大きいと考えてください。
次が布基礎です。布基礎は独立基礎と基礎梁が合体したような基礎形式です。基礎が連続して配置されるので、曲げに対しても安定感があります。
最後は独立基礎。独立基礎は柱毎に基礎を配置します。柱軸力に見合った基礎の大きさにすれば良いのですが、基礎だけでは曲げに対する安定性が期待できません。そのため一般的に独立基礎だけで成立させず、「基礎梁」を設けます。
「独立基礎+基礎梁」の組み合わせは、考えて見れば布基礎形式に近いですね。もちろん、基礎梁は接地圧を受けない、と言うことを申し添えておきます。
※各基礎の特徴は、下記をご覧ください。
布基礎の接地圧を算定する前に、柱軸力を求めましょう。ざっくり説明しますが、柱軸力とは柱1本が受ける重量のこと。負担面積に応じて値は変動します。
今回は、柱軸力が既知であると仮定します。下図をみてください。下列真ん中の柱軸力が、50kNでした。
このとき布基礎の接地圧はいくらでしょうか。答えを先に言います。布基礎の接地圧は、
接地圧σ=柱軸力N/布基礎面積A
で算定されます。問題は、布基礎面積Aをどうやって計算するのか。布基礎面積Aの範囲は各柱間の負担長さ(柱間距離の1/2)と布基礎幅を乗じた値です。
斜線部で示すと下記の通りです。
例えば、50kNが作用する柱の負担面積は「赤色で示す範囲」となります。つまり、柱間距離の1/2が負担長さとなります。
実際に計算します。いま、X方向のスパンは6m、Y方向は4mスパン。布基礎幅は500mmとします。軸力Nは50kNです。布基礎面積は、
A=0.5×(6/2×2+4/2)=4㎡
N=50+0.5×0.5×20kN/m3×8m=90
σ=90/4=22.5kN/㎡
です。
Nの計算で、柱軸力にくわえた数値は布基礎自重です。0.5mは布基礎幅、及び布基礎高さ、8mは赤色で示した負担長さです。
このσが布基礎の接地圧です。上記の計算をみて分かるように、布基礎の接地圧は各柱、柱に対する布基礎面積によって変わります。
最も大きくなる接地圧は、軸力最大の箇所か、布基礎面積最小、あるいはその中間と、3カ所くらいは計算しましょう。
下記も併せて参考にしてくださいね。
布基礎の配筋基準は?1分でわかる基準、配筋、ベタ基礎の配筋、建築基準法との関係
接地圧とは?1分でわかる意味、単位、基礎、計算式との関係、地反力との違い
混同しやすい用語
接地圧(せっちあつ)
基礎底盤から地盤に伝わる単位面積あたりの圧力(kN/m2)。
建物荷重を基礎の接地面積で割ることで求まる。
地耐力以下に収めることが設計の必須条件。
地耐力(じたいりょく)
地盤が単位面積あたりに支持できる荷重の上限値(kN/m2)。
接地圧と対比して使う値で、接地圧<地耐力であれば基礎設計はOK。
地盤調査で確認する。
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布基礎の接地圧はどう算定しますか。
接地圧σ=柱軸力N/布基礎面積A で算定します。布基礎面積Aは各柱間の負担長さ(柱間距離の1/2)と布基礎幅を乗じた値です。接地圧は各柱・布基礎面積によって変わるため、軸力最大の箇所・布基礎面積最小の箇所など複数箇所を計算します。
布基礎は直接基礎のなかでどの程度安定した基礎ですか。
2番目に安定した基礎です(1番はベタ基礎)。独立基礎と基礎梁が合体したような形式で基礎が連続して配置されるため、曲げに対しても安定感があります。独立基礎は柱毎で曲げに対する安定性が期待できないため一般に基礎梁を設けます。
接地圧と地耐力の関係で、基礎設計が成立する条件を答えてください。
接地圧<地耐力であることです。接地圧は基礎底盤から地盤に伝わる単位面積当たりの圧力(建物荷重÷接地面積)、地耐力は地盤が支持できる荷重の上限値で、接地圧を地耐力以下に収めることが設計の必須条件です。
