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曲げを受ける独立基礎の設計 その1

この記事の要点

曲げを受ける独立基礎の設計(RC規準の方法)では、偏心距離eを算定してe/Lの比からαを読み取り、接地圧αN/Aを求める手順をとる。eとLの比率によって接地圧分布が台形から三角形へと変わる点が計算の重要なポイントです。

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地中梁が付かない独立基礎は計算が面倒、ということを説明しました。しかし小さい物件は地中梁を付けるのが勿体ない。地中梁を無くす場合もあります。


こんなとき、地震時に作用する柱脚曲げは独立基礎で処理し地盤に応力を伝達します。今回は、曲げを受ける独立基礎の設計を2パターン紹介しましょう。


※独立基礎の特徴は下記をご覧ください。

布基礎・独立基礎・ベタ基礎の違いと特徴|選び方のポイント

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RC規準の方法

建築学会が発行しているRC規準に書いてある方法です。曲げモーメントMと反力Nの関係から簡便に求める方法です。


RC規準(鉄筋コンクリート構造計算規準)の詳細は下記が参考になります。

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説

応力を整理する

なぜ両者は違う基礎でしょうか?それは『独立基礎には地中梁が取りつくから』です。これは構造的に、大きな意味をもちます。※地中梁の意味は下記をご覧ください。

地中梁と基礎梁の違いと役割について


まず、応力を整理します。計算に必要な応力は下記の通り。


長期時支点反力 NL

地震時支点反力 NE

長期時柱脚曲げ ML

地震時柱脚曲げ ME


以上より、短期時の応力は下記の通り。


短期支点反力 Ns=NL+NE

短期柱脚曲げ Ms=ML+ME


このように応力が整理できました。実際の数値を上式に当てはめましょう。

偏心距離eを求める

偏心距離を算定します。この目的は、次項目の『e/Lを算定したい』からです。eの算定は簡単。


e=M/N


で算定できます。曲げモーメントは『力×距離』です。独立基礎に作用する曲げモーメントと反力の関係から、偏心距離が分かるのです。


偏心距離の意味は下記が参考になります。

偏心距離ってなに?1分でわかる意味と、偏心率との関係

e/Lを求める

e/Lという数値に意味はありません。しかし、偏心距離と基礎のせいを比率にすることで定性的な判断が可能です。e/Lは偏心距離を基礎せいLで除した値です。

図表でαを読み取る

RC規準にはe/Lとαの計算図表が添付してあります。αとは曲げモーメントと軸力に応じて変動する係数です。e/Lを求めれば、αは横線から読み取るだけ。簡単ですね。

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説

接地圧の算定。αN/A

最後は接地圧の算定です。接地圧とは柱軸力に対する反力分布のこと。曲げを受ける基礎の接地圧は、


σ=αNs/A


となります。接地圧の意味は下記を参考にしてください。

接地圧とは?1分でわかる意味、単位、基礎、計算式との関係、地反力との違い

混同しやすい用語

「長期許容支持力」と「短期許容支持力」

長期許容支持力は常時荷重(固定荷重+積載荷重)に対する地盤の許容支持力。

「偏心荷重」と「曲げモーメント」

偏心荷重は基礎の重心からずれた位置に作用する荷重で、曲げモーメントを生じさせる。曲げモーメントは基礎底面の接地圧を不均一にする。

曲げを受ける独立基礎の設計を整理した表を示します。

項目内容備考
全面圧縮の場合基礎底面全体が圧縮 σ=(N/A)±(M/Z)σmin≧0 が条件
引張が生じる場合有効底面積で接地圧を再計算RC規準によるα係数使用
設計条件接地圧≦地耐力となるよう基礎面積を設定面積を大きくして対応

まとめ

意外と簡単に算定できましたね?αを掛けている分、σが結構大きくなったと思います。あとは接地圧<地耐力の関係になるように基礎面積を大きくしましょう。下記も併せて学習しましょうね。

地中梁が付かない独立基礎のデメリットは?曲げ処理と設計上の注意点

曲げを受ける独立基礎の設計 その2

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理解度チェック

Q.

RC規準による曲げを受ける独立基礎の設計手順を説明してください。

答えを見る

曲げモーメントMと反力Nの関係から偏心距離eを求め、偏心距離eを基礎せいLで割ったe/Lを算定し、RC規準の計算図表からα(曲げモーメントと軸力に応じて変動する係数)を読み取り、接地圧 σ=αNs/A を求めます。

Q.

偏心距離eの算定式と、その算定目的を説明してください。

答えを見る

偏心距離は e=M/N で算定できます(曲げモーメントは力×距離のため、独立基礎に作用する曲げモーメントと反力の関係から求まる)。目的はe/Lを算定して接地圧分布を定性的に判断するためです。

Q.

曲げを受ける独立基礎で、接地圧を求めた後に確認すべき条件を説明してください。

答えを見る

接地圧≦地耐力 となるように基礎面積を設定します。αを掛ける分だけ接地圧σが大きくなるため、面積を大きくして対応します。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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