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屋根は雨を遮るために必要です。現在の戸建て住宅のほとんどが、切妻あるいは寄せ棟形式の屋根ですが、形状は違えどこれらの屋根に共通するのは、雨水を適切に地面まで流すことです。また、雨水がしっかり流れるような勾配が設けられています。
勾配によって屋根をつたい流れる雨は樋から、地面あるいは排水口まで流れます。しかし、屋根の中には勾配を持たないものがあります。それが陸屋根です。陸屋根はほとんど勾配がなく、外壁からの跳ね出しが少ない屋根で、雨水を外に流すことが難しいのです。
そのためにパラペットが必要なのですが、今回はそんなパラペットの特徴や設ける理由を紹介します。似た用語に「立ち上がり」があります。詳細は下記が参考になります。
建築の立ち上がりとは?1分でわかる意味、寸法、腰壁、パラペットとの関係
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前述したように、陸屋根は勾配がほとんどなく、屋根が張り出していないので、雨水を外に流すことができません。では、どうするのかと言うと、屋根の外周部に排水溝を設け、そこから排水口に向かって水が流れるようにします。
勾配が緩く、跳ね出しが短い屋根は、雨が上手く流れず下階への漏水の原因にもなりますし、水道(みずみち)から雨水が入って材料の劣化に繋がります。
そのため、屋根の周囲には「立ち上がりの壁」を設けます。この壁が「パラペット」なのです。要約すれば防水上必要な立ち上がり壁と言えますね。※張り出し(跳ね出し)については、下記が参考になります。
下図を見てください。これはパラペットの模式図です。前述したように、排水溝を設けます。この溝に向かって雨水を流します。この溝の先には排水口があって、樋に繋がります。
切妻屋根と違って、屋根の跳ね出しが短いので外に向かって雨水を流すことはできません。そのため、下階に雨水を落とさないようにパラペットを設けます。パラペットの頭の部分は、「返し」を作ります。さらに溝を作ることで、雨水を落とす仕組みです。
では、パラペットの高さに決まりはあるのでしょうか。防水としての役割を果たすため、一般的には屋根天端から600mm以上の立ち上がりが必要です。
また陸屋根も緩やかな勾配がついているので、水上と水下ではパラペットの高さが違うことに注意が必要です(パラペットの天端は同じだが、下端は勾配によって異なるため)。※天端については、下記が参考になります。
今回はパラペットの特徴と、パラペットを設けるたった1つの理由について説明しました。要するに、「防水のために必要」ということです。それさえ覚えておけば、パラペットが「雨水を下階に漏らさない立ち上がり壁」だと理解できます。下記も併せて学習しましょう。
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