この記事の要点
不静定梁は支持条件が多く、釣り合い条件だけでは解けない梁。余剰拘束(余剰反力)を仮定し、変形の適合条件と重ね合わせの原理を使って解く。
代表的な解法は重ね合わせ法(たわみの釣り合い)、仮想仕事の原理、固定端モーメント法など。まず「なぜ静定で解けないか」を理解することが出発点。
この記事では、不静定梁とは何か、不静定梁はどう解くのか、重ね合わせの原理とは何か、不静定はりとは何かを整理します。
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不静定梁は、力のつり合い式だけでは反力が計算できない梁です。不静定次数が1以上の梁ともいえます。
今回は、不静定梁の意味、解き方と重ね合わせの原理、不静定梁の例題を紹介します。※似た用語で「不静定構造物」があります。
これは、不静定次数が1以上の「構造物」です。下記の記事が参考になります。
不静定梁とは、力のつり合いだけでは反力が計算できない梁のことです。 反力の未知数が4つ以上の梁ともいえます。反力の未知数が4以上のことを「不静定」といいます。「不静定」の「梁」なので、「不静定梁」です。
力のつり合いのみで反力が解ける梁を静定梁といいます。静定梁の意味、反力の求め方については下記の記事が参考になります。
静定梁とは?反力の求め方・不静定梁との違いと構造設計での扱い
不静定梁の特徴は、「反力の未知数が4つ以上」であることです。下図をみてください。これは「両端固定梁」という不静定梁です。
※両端固定梁の意味、解き方については下記の記事が参考になります。
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
両端固定梁の反力数を数えてください。上図では水平方向の力はないので、未知数は4つです。よって不静定梁です。
不静定梁は、言葉をみると構造的に危なそうな印象を受けます。しかし、実際は静定梁よりも安全性が高いです。
不静定梁は、1つの支点が壊れても、ほかの支点へ力が流れ安定します。もちろん、不静定時より応力度は大きくなりますが、「構造的には成立」します。
一方静定梁は、1つの支点が壊れると構造的に成立しません。これを不安定構造物といいます。
ただし、不静定梁は力の流れ方が複雑です。よって、応力が大きい箇所を見極め、適切な部材選定・配置が大切です。
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不静定梁の解き方には、下記があります。
すべて重要な手法ですが、構造設計の実務として有効な方法は「固定法」と「重ね合わせの原理」です。固定法については下記の記事が参考になります。
不静定梁を固定モーメント法で解く方法|手順と計算例をわかりやすく解説
重ね合わせの原理とは、不静定梁を静定梁として分解して考え、それぞれの解を足し合わせて真の解を導く方法です。下記が参考になります。
重ね合わせの原理とは?意味・不静定梁でのたわみ計算と適用条件(線形弾性の前提)
例えば、「A」という不静定梁があります。これを「B」と「C」という静定梁に分解して考えます。B、Cの解を、力のつり合い式から算定し、それらを足し合わせます(重ね合わせる)。
静定梁の解き方だけ覚えておけば、不静定梁が解ける便利な方法です。実際に、両端固定梁の計算で、重ね合わせの原理を使い解きました。下記の記事が参考になります。
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
不静定梁の例題を下記に示します。
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
不静定梁を固定モーメント法で解く方法|手順と計算例をわかりやすく解説
混同しやすい用語
静定梁
支持条件が必要最小限で、釣り合い条件のみで反力・応力が決まる梁。
単純梁・片持ち梁が代表例。
不静定次数=0。
不静定梁
支持条件が過剰(不静定次数≧1)で、釣り合い条件だけでは解けない梁。
一端固定他端ピンの梁、両端固定梁などが該当。
重ね合わせの原理(たわみの重ね合わせ)
不静定梁を解くとき、余剰反力を取り除いた静定系のたわみと、余剰反力のみによるたわみを足し合わせて適合条件(たわみ=0等)を立てる方法。
不静定次数
釣り合い条件式を超える余剰な未知反力の数。
不静定次数分だけ追加の条件(変形適合条件)が必要になる。
| 項目 | 静定梁 | 不静定梁 |
|---|---|---|
| 反力の算定 | 力の釣り合い式のみで解ける | 適合条件(変形条件)が必要 |
| 不静定次数 | 0 | 1以上 |
| 代表例 | 単純梁・片持ち梁 | 両端固定梁・連続梁・ラーメン |
今回は不静定梁について説明しました。不静定梁の意味、特徴、解き方が理解頂けたと思います。
実際の構造物は、静定梁よりも不静定梁のほうが多いです。両端固定梁や、片側ピン・片側固定梁のように、簡単な不静定梁は解けるようにしてくださいね。
静定梁とは?反力の求め方・不静定梁との違いと構造設計での扱い
重ね合わせの原理とは?意味・不静定梁でのたわみ計算と適用条件(線形弾性の前提)
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
不静定梁の基本は「余剰反力を外して静定にし、変形で戻す」という考え方。
重ね合わせ法では「静定系のたわみ+余剰反力によるたわみ=0」という式を立てて解く。
まず単純なケースで手順を練習しよう。