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不静定梁を固定モーメント法で解く方法

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不静定梁の解法は、学生はいつだって悩みます。僕だって悩みました。解き方を覚えては忘れ。忘れては思い出し。特にたわみ角法はつらかったですね。あれは、覚えてられないです。一方で、固定モーメント法は図表を作って解いていく、画期的な計算ですね。


ラーメン構造を解く場合に重宝します。単純な計算ルールに沿って機械的に手を動かすだけですから、忘れにくいですし。


さて皆さんは、固定法はラーメン構造だけにしか使えないと思っていませんか?教科書にはラーメン構造の例題しか無いし、習っていないと思うでしょう。


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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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固定法を使った不静定梁の解き方

でも、それは違います。不静定梁でも固定法を使って解けるのです。


下図を見てください。これは最も単純な不静定梁の1つです。ピン支点が3つあり、反力数が3以上です。力のつり合いだけでは解けません。スパンはL、荷重は等分布荷重wが作用していると考えてください。梁部材の材質は一定です。

 


曲げモーメントですが、先に答えを言うと真ん中の支点で

となります。この値を、固定法を使って求めます。


さて、固定法では各部材の剛比に応じて固定端モーメントを分配、到達モーメントを考えてサイクルを計算しました。その考え方を、そのまま梁に適用すればよいのです。ラーメン構造の場合、柱の剛比と梁の剛比を足して、各剛比の比率分曲げを解除して計算しました。


梁構造なので、柱はありません。ですから、梁部材同士の剛比の割合を分担率とすればよいのです。


下図は、各分担率や固定モーメント等の計算結果を示した表です。材質が一定の梁で、スパンも同じです。ゆえに、剛比は両部材ともに1です。すると、左支点では、分担率は1となります。理由は、その梁しか負担する部材がありませんから。


一方、中央の支点では梁が2つ取りついています。これは両梁の合計した剛比2に対して、各部材の剛比1の比率分、分担率が決まります。当然、1/2です。

固定モーメントは、仮にCとします。時計回りをプラスと考え、解除、到達、合計の順に計算していって、整理しました。


固定モーメントCとは、両端固定と考えたときの固定端モーメントのことです。何らかの値を持っていますが、Cと仮定しました。解法モーメントとは、本来、ピン支持なのに固定モーメントがあると、仮定したので、それを同じ逆回りの曲げモーメントをかけて解除してやるのです。ですから、反対の符号になります。


到達モーメントとは、解法モーメントの半分が到達するという定義より得られた値です。


以上を合計すると中央の曲げが、

となりました。Cは値を持っています。

です。これを先ほどの式に代入すると、

となります。


どうですか? とても簡単に不静定梁が解けましたね。変形の適合計算を細かく計算する必要がありません。たった、これだけ。


不静定梁を解くときは、ぜひ固定法を覚えてもらいたいですね。

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