この記事の要点
土のせん断強さτ(タウ)はCoulombの破壊基準「τ = c + σtanφ」で表します。cは粘着力、σは垂直応力、φは内部摩擦角です。
砂質土(c=0・φが支配)と粘性土(UU試験でφu=0)の違い、非圧密非排水(UU)・圧密非排水(CU)試験との関係を解説します。
この記事では、土のせん断強さとは何か、どう求めるのか、砂質土と飽和粘土でどう違うのかを整理します。
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土のせん断強さとは、土のもつ最大せん断強度です。
土のせん断強さの単位はkN/㎡を用います。
また、土のせん断強さsは「s=c+σtanφ」で求めます。
cは粘着力、σは垂直応力、φは内部摩擦角です。
ここで縦軸をせん断強さ、横軸を垂直応力σとすれば、前述に示すせん断強さの公式は直線で示すことが可能です。
一見、簡単に地盤のせん断強さが算定できそうですが、c、φの定数は「圧密や排水の状況」等に応じて変わります。
今回は土のせん断強さの意味、求め方、粘土の非圧密非排水せん断強さについて説明します。地盤のすべり面、モールの応力円など下記も参考になります。
モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?
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土のせん断強さとは、土の最大せん断強度です。よって、土に生じるせん断応力τがせん断強さsを超えるとき、地盤にすべり面(破壊面)が生じます。また、土のせん断強さsの単位はkN/㎡を用います。
地盤のすべり面の詳細は下記が参考になります。
土のせん断強さsの求め方を下式に示します。cは粘着力、σは垂直応力、φは内部摩擦角です。
下図をみてください。
縦軸にせん断応力、横軸に垂直応力をとるとき、上式は直線で表すことができます。
cは一次関数でいう切片、φは傾きです。
また、上式より、せん断強さは「垂直応力σと無関係の項(c)」と「垂直応力σに比例する項」があるとわかります。
土のせん断強さについて有効応力表示した式を下記に示します。c'は有効応力表示した粘着力、σは全応力、uは間隙水圧です。
・s=c'+(σ-u)tanφ
前述の式だけみれば、地盤のせん断強さsは簡単に算定できそうですが、sの算定に必要な定数cおよびφは、土の「圧密、排水の状態、種類、その他、土の諸量(例えば間隙比など)」により影響を受けます。
そのため、c、φの算定には室内試験、原位置試験が必要です。
土の圧縮試験(三軸圧縮試験)について圧密、排水の条件を考慮した下記の試験があります。
・非圧密-非排水試験
・圧密-非排水試験
・圧密-排水試験
詳細は下記リンクによりますが、地盤の状況に応じて上記の試験を使い分けます。
cu試験とは?cuバー試験との違いとuu試験・cd試験の使い分け(三軸圧縮試験)
CD試験とは?UU試験・CU試験との違いと三軸圧縮試験の種類を解説
下図をみてください。
土のせん断強さを表す直線、土に生じる応力をモールの応力円を図示しました。
σ1は最大主応力(ここでは鉛直応力)、σ3は最小主応力(σ1に垂直な応力、すなわち側圧)です。
モールの応力円と直線τ=c+tanφの交点Aでは、土に生じるせん断応力τとせん断強さsが一致しており、つまり、土のせん断破壊が引き起こされます。
下図の関係をモールクーロンの破壊規準といいます。
モールクーロンの破壊規準の詳細は下記をご覧ください。
モール・クーロンの破壊基準とは?1分でわかる意味、クーロンの破壊線とモールの応力円との関係は?
砂質土のせん断強さは下式で求めます。これは前述した土のせん断強さsにおける粘着力c=0における式です。
・s=σtanφ
一般に、砂質土に粘着力は無く、内部摩擦角(せん断抵抗角)が大きいほど、せん断強さsも大きくなります。
φは土の密度により変化し、密な砂はφが大きく、緩い砂はφが小さくなります。
つまり、密な砂ほどせん断強さが大きく(強い)、緩い砂ほどせん断強さは小さくなり(弱い)、これは直感的にも理解できます。
内部摩擦角とは?1分でわかる意味、ざっくり地盤の特性を知る5つのTIPs、n値との関係
土の粘着力cとは?1分でわかる意味、求め方、単位、n値との関係は?
前述したように、土の圧縮試験を行う条件の1つに「非圧密非排水試験」があります。「飽和粘土」について本条件で三軸圧縮試験を行うと、φ=0になることが知られています。このときせん断強さs=cであり、sはモールの応力円の半径と一致するので
・s=c=(σ1-σ3)/2
が得られます。
ここで側圧σ3を作用させない一軸圧縮試験を考えます。飽和粘土における一軸圧縮試験は、せん断速度が速いため排水されず、三軸圧縮試験における非圧密-非排水試験と同等と考えられます。
さて、一軸圧縮試験ではσ3=0なので、前述の式に代入して
c=σ1/2=qu/2
が得られます。
quは一軸圧縮試験より得られた一軸圧縮強度です。
上式より、粘着力cは一軸圧縮強度の1/2の値だとわかります。
なお、非圧密-非排水の条件で得られた飽和粘土のせん断強さcを「非排水せん断強さ(粘着力)」とも言います。
一軸圧縮強度、一軸圧縮試験の詳細など下記も参考になります。
一軸圧縮試験とは?方法・供試体寸法・粘着力と一軸圧縮強度の求め方
三軸圧縮試験とは?意味・供試体の試験法とuu・cu・cd試験の違い(地盤調査)
混同しやすい用語
非排水せん断強さ
非排水せん断強さとは、飽和粘土を非圧密非排水条件(φ=0)で試験したときのせん断強さであり、一軸圧縮強度quの1/2(c=qu/2)で表されます。
これに対して土のせん断強さsは「s=c+σtanφ」の一般式で、砂質土や排水条件が異なる場合も含む広い概念です。
非排水せん断強さはその特殊なケース(φ=0)として位置づけられます。
土のせん断強さを整理した表を示します。
| 地盤の種類 | せん断強さの式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一般地盤 | s=c+σtanφ | 粘着力cと内部摩擦角φの両方が寄与 |
| 砂質土 | s=σtanφ(c≒0) | 粒子間摩擦のみ、粘着力なし |
| 飽和粘土(UU) | s=c(φ=0) | 非排水条件で内部摩擦角ゼロ |
今回は、土のせん断強さについて説明しました。土のせん断強さsとは、土の最大せん断強度です。土に生じるせん断応力が、せん断強さを超えると「せん断破壊」が生じて、すべり面が形成されます。地盤のすべり面、モールの応力円など下記も参考になります。
モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では「土のせん断強さを表す式の各記号の意味」や「砂質土と粘性土のせん断強さの違い」が問われます。
砂質土はc=0でs=σtanφ、飽和粘土(UU)はφ=0でs=cとなる点を押さえておきましょう。(一級建築士 頻出:UU条件φ=0・s=cと砂質土c=0・s=σtanφの使い分けが基礎構造分野で繰り返し出題)