この記事の要点
座屈拘束ブレース(BRB:Buckling-Restrained Brace)とは、圧縮力がかかっても座屈しないよう設計された特殊なブレースです。
芯材を外套管で包み込んで横方向の変形を拘束することで、座屈を防いでいます。
普通のブレースは圧縮時に座屈して耐力が低下しますが、座屈拘束ブレースは引張・圧縮の両方向に安定した耐力を発揮します。
そのため、制振設計や靭性確保に有効です。
在来ブレースの座屈耐力は引張耐力の半分以下になることもあるが、座屈拘束ブレースは圧縮側でも引張側と同等の耐力が期待でき、断面を小さくできる。
製品は新日鉄住金のアンボンドブレース・JFEの二重管ブレースなど各社が独自開発しており、意匠的にも優れデザイン建築にも採用される。
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座屈拘束ブレースをご存じでしょうか。建築業界にいる人でも滅多に聞くことは無いと思います。座屈拘束ブレースとは、構造部材の1つです。今回は、そんな座屈拘束ブレースの意味と特徴について説明します。
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座屈拘束ブレースとは、その名の通り「座屈を拘束するブレース」です。座屈拘束ブレースは「座屈が起きません」。座屈が起きないので、圧縮側と引張側と同じようにF値が期待できます。
つまり在来ブレースよりも耐力が大きいので、小さい部材にすることが可能です。座屈拘束ブレースは各鋼材メーカーが開発しており、新日鉄住金やJFEなど大手メーカーの製品があります。
ブレースについて少し補足します。ブレースは圧縮荷重を負担させません(アングルやチャンネル材を使えば圧縮耐力の負担も可能ですが、面倒なので引張だけ持たせるためタスキ掛けブレースにするなど)。
ブレースに圧縮力を負担させる場合、ブレースの耐力は座屈耐力で決まります。座屈耐力は引張耐力に比べて半分以下になることもあり、ブレース断面が大きくなるのです。また計算自体も少し複雑になります。
それらの問題点を解消したブレースが、座屈拘束ブレースと言えるでしょう。
座屈拘束ブレースの特徴は、「座屈を拘束すること」です。ではどうやって、座屈が起きないようにしているのか。各社で違いはありますが、例えば新日鉄住金のアンボンドブレースは、ブレースの芯材の周りに干渉材が詰められており、これが座屈を拘束します。
JFEの座屈拘束ブレースは、二重管ブレースといって座屈を拘束する鋼管の中に、鋼管ブレースがあります。鋼管ブレースが座屈をするとき、外側の鋼管に当って座屈が拘束される仕組みです。
混同しやすい用語
座屈拘束ブレース vs 在来(引張)ブレース
在来ブレースは引張力のみ負担させる(圧縮は座屈するため無視またはタスキ掛けで相殺)のに対し、座屈拘束ブレースは圧縮側でも引張耐力と同等の力を負担できる。
そのため部材断面を小さくでき、X字ブレースにしなくても一方向のブレースで水平力を負担させられる点が大きな違いである。
座屈拘束ブレースを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 特徴 | 圧縮・引張の両方向でF値相当の耐力を発揮 | 在来ブレースより部材断面を小さくできる |
| 構造原理 | 芯材の周囲に拘束材(干渉材・外管)を設置 | 新日鉄住金:アンボンドブレース、JFE:二重管ブレース |
| 規格 | 各メーカーの大臣認定品 | JIS規格なし・設計施工指針に従う |
今回は座屈拘束ブレースについて説明しました。その名の通り、座屈を拘束するブレースでしたね。私は1度だけ座屈拘束ブレースを用いた建物の設計を行ったことがあります。ブレースが引張にも圧縮にも効く合理的なブレースでした。
デザイン的にも在来ブレースより優れている点も意匠に好まれます。この機会に座屈拘束ブレースの意味だけでも覚えておきましょう。
※なお、ブレースに関しては下記の記事が参考になります。 ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
座屈拘束ブレースは各メーカーの大臣認定品が必要です。
設計時はメーカーの設計資料(耐力・変形性能)を確認し、保有水平耐力計算や時刻歴応答解析に対応した計算モデルを用いましょう。