建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式の関係

許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式の関係

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


構造物は、部材に定められた許容応力度を設計応力度が超えないようにする「許容応力度設計」を勉強します。この設計法は、最も理解しやすく単純です。許容応力度設計に関しては下記の記事が参考になります。

材料の許容応力度は、建築基準法で決められています。例えば鋼材や溶接部の許容せん断応力度は、

です。溶接部の許容応力度や材料強度に関しては、下記の記事が参考になります。

なぜ許容せん断応力度は、√3で割るのでしょうか。実はミーゼスの式が関わっています。今回は、許容せん断応力度と、ミーゼスの降伏条件式の関係について説明します。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式

まず許容応力度について、当たり前のことを再確認しておきます。


許容断応力度ってなに?

さて、鋼構造では、許容応力度をF値から定めます(F値とは材料強度のことです)。例えばSS400(SN400)材のF値は、

です。


建築物の構造設計では、外力を長期荷重と短期荷重という分類します。長期荷重、短期荷重に関しては下記の記事が参考になります。

つまり、外力である長期・短期荷重に対する許容応力度を定める必要があります。長期応力度に対する許容応力度はF/1.5で表します。短期応力度に対する許容応力度はF/1.5×1.5=Fで表します。


前述したように、少しだけ特殊なのはせん断応力度です。長期応力度に対するせん断応力度は

長期応力度に対するせん断応力度

です。これは、「ミーゼスの降伏条件式」から導かれたものです。

ミーゼスの降伏条件式ってなに?

例えば、接合部のように複数の応力が作用する場合、どの応力が降伏又は破断の作用を引き起こしているのか、実は判断できません。単純に、一方向へ引張れば、部材に引張応力が作用することは明らかですが、複数の応力が作用すれば迷います。


そこで先人たちが実験を繰り返し、降伏条件をモデル化することで、経験的に降伏条件式を導きました。その1つがミーゼスの降伏条件式です。その他にはトレスカのモデルも有名ですが、せん断応力度を理論的に導くことのできる前者が好まれます。


さて、ミーゼスの降伏条件式は以下のように定義(式は2次元問題で考えましょう。)されています。

※(実はこの式は、ある部位の、せん断に起因する歪エネルギー密度が、降伏耐力に対応する値に達したとき、降伏が始まるという仮定をたて導出されています。もちろん、本来なら定義式を導出する必要がありますが、この章での主旨と異なるので、省きます。)


ここで、純せん断状態を考慮すれば、

純せん断状態

です。よって、式を書きなおすと

ミーゼスの降伏条件式2

ですね。よって、

ミーゼスの降伏条件式3

となり、

短期応力に対するせん断応力度

です。これは、短期応力に対するせん断応力度なので、あとは1.5で除すことで長期応力に対する許容応力度へと変換します。

まとめ

今回は、許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式の関係を説明しました。少々、難解な問題ですが、許容せん断応力度の意味が少しは理解いただけたと思います。以上、今回の記事が参考になれば幸いです。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式の関係
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事