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構造物は、部材に定められた許容応力度を設計応力度が超えないようにする「許容応力度設計」を勉強します。この設計法は、最も理解しやすく単純です。許容応力度設計に関しては下記の記事が参考になります。
材料の許容応力度は、建築基準法で決められています。例えば鋼材や溶接部の許容せん断応力度は、
です。溶接部の許容応力度や材料強度に関しては、下記の記事が参考になります。
なぜ許容せん断応力度は、√3で割るのでしょうか。実はミーゼスの式が関わっています。今回は、許容せん断応力度と、ミーゼスの降伏条件式の関係について説明します。
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まず許容応力度について、当たり前のことを再確認しておきます。
さて、鋼構造では、許容応力度をF値から定めます(F値とは材料強度のことです)。例えばSS400(SN400)材のF値は、
です。
建築物の構造設計では、外力を長期荷重と短期荷重という分類します。長期荷重、短期荷重に関しては下記の記事が参考になります。
つまり、外力である長期・短期荷重に対する許容応力度を定める必要があります。長期応力度に対する許容応力度はF/1.5で表します。短期応力度に対する許容応力度はF/1.5×1.5=Fで表します。
前述したように、少しだけ特殊なのはせん断応力度です。長期応力度に対するせん断応力度は
です。これは、「ミーゼスの降伏条件式」から導かれたものです。
例えば、接合部のように複数の応力が作用する場合、どの応力が降伏又は破断の作用を引き起こしているのか、実は判断できません。単純に、一方向へ引張れば、部材に引張応力が作用することは明らかですが、複数の応力が作用すれば迷います。
そこで先人たちが実験を繰り返し、降伏条件をモデル化することで、経験的に降伏条件式を導きました。その1つがミーゼスの降伏条件式です。その他にはトレスカのモデルも有名ですが、せん断応力度を理論的に導くことのできる前者が好まれます。
さて、ミーゼスの降伏条件式は以下のように定義(式は2次元問題で考えましょう。)されています。
※(実はこの式は、ある部位の、せん断に起因する歪エネルギー密度が、降伏耐力に対応する値に達したとき、降伏が始まるという仮定をたて導出されています。もちろん、本来なら定義式を導出する必要がありますが、この章での主旨と異なるので、省きます。)
ここで、純せん断状態を考慮すれば、
です。よって、式を書きなおすと
ですね。よって、
となり、
です。これは、短期応力に対するせん断応力度なので、あとは1.5で除すことで長期応力に対する許容応力度へと変換します。
今回は、許容せん断応力度とミーゼスの降伏条件式の関係を説明しました。少々、難解な問題ですが、許容せん断応力度の意味が少しは理解いただけたと思います。以上、今回の記事が参考になれば幸いです。
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