この記事の要点
短期荷重とは地震・台風・積雪など一時的に作用する荷重で、長期荷重(固定荷重+積載荷重)と区別して設計します。
短期荷重時の許容応力度は長期荷重時の1.5倍まで割増しでき、その分、部材断面を小さくできます。
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短期荷重とは、短期的に作用することが想定される荷重です。たとえば、自然現象による地震、台風、大雪による荷重が短期荷重に相当します。
なぜなら、地震、台風、大雪の荷重は毎日作用するわけでは無く、1年に1度あるいは10年、100年、数百年で1度の頻度と、ごく短期的に発生するからです。
その他、建築物の使い方の実況に応じて、短期荷重に該当するか設計者が判断します。今回は、短期荷重の意味、種類、長期荷重との違い、安全率について説明します。
長期荷重、短期荷重と長期荷重の組合せの詳細は下記が参考になります。
長期荷重とは?種類と計算、短期荷重との違い、短期荷重と長期荷重の安全率は?
短期荷重とは、短期的に作用することが想定される荷重です。たとえば、自然現象による地震、台風、大雪による荷重が短期荷重に相当します。
なぜなら、地震、台風、大雪の荷重は毎日作用するわけでは無く、1年に1度あるいは10年、100年、数百年で1度の頻度と、
長期にわたり作用するわけでは無く、ごく短期的に作用するからです。
一方、後述する長期荷重は建物が存在する限り常時作用し続ける荷重です。よって、建築物に作用する荷重は、
長期荷重と短期荷重を組み合わせた荷重(組み合わせ荷重)を考慮した設計が求められます。短期荷重と長期荷重の組合せの種類を下記に示します。
また、建築物の用途によっては設備機器、機械による衝撃を短期荷重として考慮することもあります。
その他、各種規準や建築物の使い方の実況に応じて、短期荷重に該当するか設計者が判断します。以上、短期荷重の種類を下記に示します。
・地震力(地震により建物に生じる慣性力)
・風荷重(台風時の強風による荷重)
・積雪荷重(大雪による雪の重さ)
・設備機器、機械による衝撃荷重
・施工時にのみ作用する荷重(施工時の人の重さ等)
・上記以外でも建築物の実況、各種規準に応じて設計者が判断する
以上に示した短期荷重の中で、建物にとって最も厳しくなりやすい外力が地震力です。地震力は慣性力ですから建物の自重が大きいほど地震力も大きくなります。
よって、鉄筋コンクリート造では地震力による影響が最も大きくなります。
一方、鉄骨平屋で、ながーい建物だと風荷重がクリティカルになることもありますし、鉛直方向の荷重においては、雪荷重がクリティカルになります。
下図は、建物の種類に対して長期荷重と短期荷重がどのような関係かを纏めた表です。
もっと、細かく分けようと思うと、建物の用途種類や高さ関係をおえなければならないですが、参考になると思います。
つまり、S造の設計をするときは、長期荷重で部材断面は決まってこなくて、鉛直時であれば『雪』、水平荷重時では『地震』や『風』によって決まってくるという話です。
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また、rc造に関してはRCの質量が大きいので、鉛直時は長期荷重がクリティカルになってきます。
また、地震力は建物重量の0.2倍で効いてくるので、重量が大きいRC造は不利となります。
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短期荷重と長期荷重の違いを下記に示します。
・短期荷重 ⇒ 短期的に作用することが想定される荷重。地震、台風、大雪による荷重など。短期荷重は1年に1度あるいは10年、100年、数百年で1度の頻度と、ごく短期的に発生する。
・長期荷重 ⇒ 建物が存在する限り作用する(長期間にわたり作用する)荷重。たとえば、建物の重さそのもの(自重)や建物を使用する人、物品(家具など)など重さが長期荷重に相当する。
長期荷重の種類は下記の2つがあります。
・固定荷重 ⇒ 建物の重さそのもの(自重)。柱、梁、壁の自重、仕上げ材、建具の自重等。荷重の作用する位置、大きさが固定された荷重
・積載荷重 ⇒ 人や物品の重さ。位置や大きさは変動する荷重のため、各規準を参考して居室の用途に応じた荷重を設定する
長期荷重の特徴は常時作用し続けることです。建物が存在する限り、常に作用し続ける荷重なので「荷重の設定(仮定荷重)」には十分に注意が必要です。
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短期荷重による部材の安全率は1.0です。つまり、短期時の許容応力度は安全率を考慮しません。
一般に、安全率は長期荷重に対して短期許容応力度の1.5や2.0で割り算した値を長期許容応力度として考慮します。
安全率と許容応力度の関係は下式の通りです。
・A'=A÷v
A'は長期許容応力度、Aは短期許容応力度、vは安全率です。なぜ短期荷重の作用時に安全率を考慮しないのか。
それは、短期荷重について安全率を見込むのは余りにもコストがかさみ、地震や台風は毎日起きるわけでは無いからです。
「通常使う荷重に対しては安全率を見込むけど、災害は毎日起きないし、そこまでしなくても良いでしょう」ということです。そのため短期許容応力度は下式で示します。
A'=A
要するに降伏強度そのまま使うわけです。安全率の詳細は下記も参考になります。
混同しやすい用語
短期荷重(たんきかじゅう)
地震力・風圧力・積雪荷重など、一時的・断続的に作用する荷重。短期荷重時は許容応力度を長期の1.5倍まで割増しできる。
長期荷重(ちょうきかじゅう)
固定荷重(自重)と積載荷重(使用時の人・物の重量)の合計。常時継続して作用する荷重。基本的な設計はこの長期荷重の検討から始まる。
短期荷重を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 地震荷重 | 地震動による水平力 | 数百年に一度の発生頻度を想定 |
| 風荷重(台風) | 台風・強風による水平・鉛直荷重 | 再現期間100年の風速を基準とする |
| 積雪荷重 | 大雪による鉛直荷重 | 許容応力度は長期の1.5倍が適用される |
今回は短期荷重について説明しました。短期荷重とは、短期的に作用することが想定される荷重です。
たとえば、自然現象による地震、台風、大雪による荷重が短期荷重に相当します。
長期荷重とは?種類と計算、短期荷重との違い、短期荷重と長期荷重の安全率は?
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
「短期荷重時の許容応力度は長期の1.5倍」という数値は一級建築士試験の頻出ポイントです。短期=地震・台風・積雪、長期=固定+積載という区分を確実に覚えましょう。また「長期荷重+短期荷重の組み合わせ」で設計するケース(例:積雪地域の建物)も試験で出題されます。組み合わせパターンも整理しておくと安心です。