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焼抜き栓溶接をご存じでしょうか。中々、知っている人は少ないと思います。現在は、頭付きスタッドによる方法が主流のためです。今回は、そんな焼抜き栓溶接の耐力、ピッチ、大きさ、スタッドボルトとの違いについて説明します。
頭付きスタッドの意味は、下記が参考になります。
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焼抜き栓溶接とは、デッキプレートを「焼いて」「抜いて」「栓をする」溶接方法です。溶接方法をよく表した用語だと思います。下図をみてください。鉄骨梁上のデッキプレートを、溶接棒の熱で溶かします。また溶接棒自体も溶融するので、デッキプレート、母材、溶接金属が一体となります。
焼抜き栓溶接の仕上がり断面をみると、デッキプレートの上は溶接金属で栓(せん)をしたようになります。デッキプレートを熱で焼き抜いて、栓をするわけです。
少し違うかもしれませんが、身近な物で説明します。焼抜き栓溶接を再現するなら、紙とボンド、接着させたい母材を用意します。紙に孔を空けます(デッキプレートに孔を空けるときは、溶接棒による熱で焼き抜く)。接着剤で孔に栓をします。接着剤が固まれば、母材と紙、接着剤は一体化します。
焼抜き栓溶接を行うことで、デッキプレートと梁が一体化されます。一体化すれば、地震時の面内水平力を伝達できるのです。
さて、焼抜き栓溶接は一般的な方法ではなく、頭付きスタッドによる接合が主流です。理由は施工が簡単、耐力が大きいためです。
焼抜き栓溶接は、面内せん断力を伝達する重要な接合部です。そのため、焼抜き栓溶接1カ所当たりのせん断耐力が規定されています。
デッキプレートの板厚(mm) | 長期(kN) | 短期(kN) |
1.2 | 4.9 | 7.35 |
1.6 | 7.35 | 11.0 |
面内せん断力を伝達するために、上表の短期時の値が大切です。焼抜き栓溶接は、デッキプレートの溝部と梁上を溶接して留めます。普通、小梁は溝に対して直交に梁を架けますから、溝のピッチが焼抜き栓溶接のピッチです。
大梁は、X,Y両方向に掛かるので、溶接ピッチ又は前述した溝ごとに溶接を行います。溶接のピッチについては後述します。
面内せん断力の伝達は、焼抜き栓溶接の他に「頭付きスタッドによる方法」があります。後者の方が、耐力が大きく主流です。頭付きスタッドは、鉄骨梁上にスタッド溶接して留める方法です。頭付きスタッド、スタッド溶接については下記の記事が参考になります。
焼抜き栓溶接はデッキプレートの溝毎に行います。デッキプレートの溝幅は各社で異なりますが、下図のように50mmごとに凸凹するタイプもあれば、谷が狭いタイプもあります。
大梁はデッキに対して直交、平行の2通りあります。直交する場合(溝毎に溶接する)は、2カ所溶接します。小梁は1カ所です。整理すると、下記となります。
・大梁 溝の谷部分に対して2カ所
・小梁 溝の谷部分に対して1カ所
・接合部 溝の谷部分に対して2カ所
デッキに対して平行に梁がある場合、
で焼抜き栓溶接します
焼抜き栓溶接の規定を下記に示します(JASS6より)。
・鋼板厚さ1.6mm以下
・デッキプレートと鉄骨のすき間は2mm以下
・溶接部の直径は18mm以上
・溶接部の縁端距離は20mm以下
・溶接部のピッチは600mm以下
何度も書きますが、焼抜き栓溶接はせん断力を伝達する大切な接合部です。上記の規定は十分に満足するよう注意すべきです。
今回は焼抜き栓溶接について説明しました。現在は、頭付きスタッドが一般的なので、焼抜き栓溶接に馴染みが無いと思います。ただ、今でも利用される工法なので概要は覚えて損はないでしょう。
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