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あばら筋とは?1分でわかる役割、間隔、表記方法、あばら筋比の計算

あばら筋は、梁に配筋するせん断補強筋です。あばら筋は、梁に作用するせん断力に対して抵抗する役割をもちます。応力が大きい梁では、あばら筋の間隔を細かくして、あばら筋比を大きくします。今回は、そんなあばら筋の意味、間隔、役割、あばら筋比の計算方法や図面上の表記、スタラップとの違いを説明します。

あばら筋とは?

あばら筋は、梁のせん断補強筋です。下図をみてください。主筋とあばら筋の関係が、よくわかります。

あばら筋

せん断補強筋は、部材のせん断耐力を高める鉄筋です。あばら筋を増やすほど(制限がある)、梁のせん断耐力は大きくなります。


下図をみてください。一般的な梁の配筋を示しました。あばら筋は主筋周りを1本の鉄筋を折り曲げて、最終的に135度の角度でフックを設け主筋に引っ掛けます。

あばら筋の配筋

右は、Aの方向から梁の主筋を見た図です。このように、あばら筋は配筋されます。


また、フックの位置も重要です。見て分かるように、フック部分は鉄筋が途切れています。そのため、スラブが片側にしか取りつかない場合、なるべくフックはスラブがある方向に向けます。下図をみてください。

あばら筋とフックの位置

例えば右側にスラブがあるのなら、右側にフックを設けます。フックは弱い部分だからです。


「じゃあ、初めからフックなんて付けずに溶接したら?」そう思いますよね。実は、そういったあばら筋の納まりもあります。これを「溶接閉鎖型」といいます。溶接閉鎖型は、あばら筋の始端と終端を溶接して、四角の形状にした鉄筋です。


但し、溶接閉鎖型のあばら筋はフック付きと違って、配筋が難しい面もあります(フック付きなら、主筋を配筋した後にあばら筋を取り付けられるが、溶接閉鎖型はできない)。施工上の配慮が必要です。

あばら筋とスタラップの違い

あばら筋、スタラップという2つの用語がありますが、両者は全く同じ意味です。

と考えてください。


同じ意味を持つ用語なのに、なぜ2つの言葉があるのでしょう。実は2つとも、配筋の形を表しています。


あばら筋は、主筋をグルっと巻いた鉄筋のことです。主筋を拘束し、せん断耐力を向上させます。


この形状が、私たちの臓器をぐるりと守る「あばら骨」に似ているから、そう名付けられました。

画像転載元(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%8B%E9%AA%A8より)


一方、スタラップという言葉に着目します。スタラップはカタカナ英語で、元々は英語で「stirrup」といいます。和訳すると、「あぶみ、あぶみがね、あぶみ骨」です。あぶみがね、とは乗馬の時に足を掛ける金具のことです。下図をみてください。

画像転載元(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%90%99より)


何となく、あばら筋と形状が似ていますよね。ちなみに、あぶみ骨とは耳の奥にある骨のことで、まさに上図のあぶみがねの形状をしています。鉄筋コンクリート造は海外から輸入された構造方法です。


このとき、海外の論文を訳した日本人が、そのままカタカナ英語で「スタラップ」と名付けたのでしょう。そして、スタラップの形状をみた日本人技術者が、あばら骨に似ていることから「あばら筋」と名付けたはずです。整理すると、

・スタラップ stirrupを訳したカタカナ語

・あばら筋  stirrupの和名

ということです。

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あばら筋の役割

あばら筋の役割は下記の2つです。

・梁のせん断耐力を高めるため

・主筋を拘束するため


あばら筋を設けることで、梁のせん断耐力が向上します。普通、鉄筋コンクリート造のせん断耐力はコンクリート部分で負担しますが、地震時になるとせん断力が大きくなりコンクリートだけでは耐力が足りません。そこで、あばら筋の耐力を期待するのです。


また主筋を拘束する効果もあります。主筋に圧縮力が作用すると簡単に座屈します。あばら筋を配置することで、主筋を拘束します。拘束した結果、座屈が起きにくく力を合理的に伝達する効果も得られます(トラス効果)。

 

あばら筋の間隔

あばら筋の間隔は一般的に、

が基本です。建築基準法では、梁せいDの3/4以下ですが上記の値にすれば、ほとんど満足します。


また、後述する「あばら筋比」を0.2%以上にすることが義務付けられており、梁幅が大きくなるとあばら筋のピッチも細かくなります。実務では、梁幅に応じて下記の間隔とします。

梁幅300以下 D10@200ピッチ

梁幅350    D10@150ピッチ

梁幅400    D13@200ピッチ

梁幅650    計算に応じて算定


より大きな鉄筋径、細かいピッチにすればするほど、せん断耐力が大きくなります。

あばら筋比の意味、計算方法

あばら筋比とは、梁幅に対するあばら筋量の比率です。あばら筋比が大きいほど、沢山あばら筋が入ります。その分、せん断耐力が大きくなるのです。あばら筋比は下式で計算します。

Pwはあばら筋比、awは1組のあばら筋断面積、bは梁幅、pはあばら筋のピッチです。


建築基準法では、あばら筋を最低でも

配筋します。


部材のせん断破壊は、最も避けるべき破壊形式ですから、それを防ぐあばら筋は必ず必要です。なお、あばら筋には建築基準法上、コンクリート断面に対して一定比率以上の配筋をする法律があります。下図を見てください。

 

あばら筋比と梁幅の関係

これは幅の違う鉄筋コンクリートの梁です。あばら筋は、梁幅に対して0.2%以上の鉄筋量を入れます。梁幅が広ければ広いほど、鉄筋量は多く必要です。試しに計算しましょう。梁幅400の場合、必要な鉄筋量は、

で算定できます。Bは梁幅、pはあばら筋のピッチ、2はあばら筋1組分の値、100は「%」を変換しました。

あばら筋の図面の表記

あばら筋は、構造図で下記のように示します。

これは、D10のあばら筋を200mmピッチで配筋する、という意味です。あばら筋は、一般的な2型〜4型まで配筋可能です。2型の場合は特記しませんが、3形や4形は、意味が伝わるよう表記します。

まとめ

今回は、あばら筋について説明しました。あばら筋の役割や配筋方法が分かって頂けたと思います。


あばら筋の意味を理解して、鉄筋コンクリート造の梁の設計をできるようになりましょう。

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