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腹筋とは何でしょうか。もし、これから建築業界で働く人、今まさに建築業界で奮闘されている方は、間違っても腹筋(ふっきん)と読み間違えないように注意して頂きたいと思います。
腹筋(はらきん)が正しい呼び方です。さて、腹筋は鉄筋コンクリート造の梁に配筋する鉄筋の1つです。では、腹筋はどのような役割があり、どういった納まりになるでしょうか。
今回は腹筋について説明します。また、鉄筋の基礎知識として下記が参考になります。
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腹筋は鉄筋コンクリート造の梁に設ける鉄筋の1つです。下図をみてください。赤枠で示した鉄筋が腹筋です。※梁は下記が参考になります。
では、腹筋は何のために必要でしょうか。
腹筋を設ける目的を説明します。それは
あばら筋の形状を確保するため
です。もう一度、下図をみてください。
あばら筋とは、梁に配筋する鉄筋(せん断補強筋)の1つです。あばら筋は下記が参考になります。
あばら筋とは?1分でわかる役割、間隔、表記方法、あばら筋比の計算
あばら筋は一般的にD10やD13といった細径の鉄筋を用います。実際に触ってみると分かるのですが、D10のような細い鉄筋は、長いと手で簡単に曲げることができます。よって、梁せいが大きくなると、自然とあばら筋も長くなり、形状が保てなくなるのです。
形状が保てないと、最悪の場合かぶりが確保できないこと、かぶりが大きすぎて鉄筋が余分に必要になることもあります。それを防ぐための腹筋はとても重要な鉄筋です。
「かぶり」の意味は、下記が参考になります。
それでは腹筋の納まりを説明します。一見、なんてことない鉄筋ですが案外細かいルールがあります。※納まりの意味は、下記が参考になります。
建築の納まりとは?1分でわかる意味、図面、勉強法、おすすめの本
腹筋は一般的に、下図の間隔で配置します。
上図をみて分かるように、腹筋はD10@300の間隔で配筋します。今回紹介した梁せいは1500までですが、それ以上に成る場合は、300ピッチをイメージして腹筋を配置すると良いでしょう。また、梁せいが600mm以下の場合は、腹筋は必要ありません。
梁せいが550なのに、腹筋を入れないように注意しましょう。※ピッチ、梁せいの意味は、下記が参考になります。
梁せいとは?1分でわかる意味、スパン、梁幅との関係、鉄骨、rcの違い
鉄筋には、「定着」という概念があります。これは、ある部材の鉄筋が途切れる場合、途切れた鉄筋を接合しようとする部材のコンクリート断面に対して鉄筋を差し込むことです。
※定着の意味は、下記が参考になります。
定着とは?1分でわかる意味、鉄筋、L2、建築、アンカーボルトとの関係
例えば、柱と梁はコンクリートで一体化されていますが、実は、梁筋自体は柱筋と一体にはなりません。そのため、梁筋を柱に定着させます。
さて、腹筋の定着長さは下記の通りです。
ほとんど、定着長さが無いくらい短いですね。定着長さが短い理由は2つあります。
1つは、腹筋が構造的に不必要な鉄筋であること。前述したように、定着は鉄筋に作用する応力を適切に伝達するために必要です。腹筋は、そもそも構造的に考慮していない(計算で決めていない鉄筋)ので、定着は不要というわけです。
2つ目の理由は、定着させることで構造的に問題となるからです。少し難しい話になりますが説明しましょう。
建物の構造設計を行う時、私たちは「壊れ方」を意識します。梁が先に壊れるのか、あるいは柱なのか、といった具合に考えます。なぜかというと、壊れ方によって耐震性が大きく異なるからです。前述したように、腹筋は構造的に考慮しない鉄筋にも関わらず、「定着」すると、現実問題その腹筋は効いてしまいます。
「鉄筋が増えるから良いじゃないか」と思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。鉄筋が増えることで「壊れ方」が変わる可能性があるからです。
但し、腹筋を構造的に考慮する場合は別です。腹筋は普通、施工的に必要な鉄筋ですが、特殊な事情で構造的に考慮することもあるのです。それが、弱軸曲げやねじれ応力によって必要な場合です。この話は、今回の趣旨とは少し外れるので説明は省略します。
では、なぜ定着長さを0にしないのでしょうか。これにも理由があります。後述しました。
最後に腹筋の留め方について説明します。下図をみてください。これは、腹筋とあばら筋の関係を示した図です。
以上のように、あばら筋と腹筋を結束するために、30mmの定着長さが必要なのです。
今回は、腹筋について説明しました。腹筋も、必ず意味があって配筋されています。梁せいが大きな梁に対しては、必ず腹筋を入れるようにしましょうね。腹筋のほか、帯筋やスタラップなど、鉄筋の種類を勉強しましょうね。
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