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鉄骨造の構造計算ルートは?構造計算ルートのフロー図

この記事の要点

鉄骨造の構造計算ルートは建物規模・高さ・用途によってルート1(簡易計算)・ルート2・ルート3(保有水平耐力計算)の3段階に分類される。

建物規模が小さければルート1、大きければルート3が必要となり、ルート2以上は適合性判定(適判)の対象となる。

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鉄骨造の構造計算ルートには「計算ルート1-1、1-2、2、3」があります。


建物がどの計算ルートに該当するかは、建物の規模、構造的な条件により後述するフロー図を見て決定します。各計算ルートの構造計算の特徴を下記に示します。

計算ルート1-1

後述する計算ルート1-2と併せて、大まかに「計算ルート1」という計算区分に該当します。


鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造など、全ての構造種別に共通して言えますが、ルート1の設計は"強度指向型"の設計になります。


これは、建物の粘り強さに期待するのではなく、建物を固く強くして地震力に抵抗する設計法です。


よって、計算ルート1の建物では、建物に作用する地震力を通常の1.5倍に割り増して(ベースシェアー係数Coを0.3とする。通常は0.2)、


許容応力度計算を行います。割増しした地震力に耐えられるよう設計することで、建物は固く強くなります。


その他、筋かい端部・接合部の破断防止、冷間成形角形鋼管柱の応力割増しが求められます。

計算ルート1-2

計算ルート1-2も大きい区分では計算ルート1ですが、ルート1-1よりも計算の制約が増えます。


ベースシェアーは0.3に加えて偏心率を15/100に抑えなさいという規定があります。


つまり、計算ルート1-2の設計では、あまり構造的にバランスの悪い、偏った建物を扱うことができません


その他、筋かい端部・接合部の破断防止冷間成形角形鋼管柱の応力割増し局部座屈などの防止柱脚部の破断防止などの計算を求められます。

計算ルート2

ルート2の設計では保有水平耐力の確認は必要ないのですが、剛性率や偏心率に規定が設けられています


また建物の層間変形角を1/200に抑える必要があります。実は、私自身まだルート2の設計を行った事がありません。


中途半端な計算ルートで、小さい建物であればルート1で設計しますし、ある程度の規模になれば計算ルート3の保有水平耐力計算の検討をすれば済みます。


実際、ルート2で設計される実績は少なく、最も多い計算ルートは後述する計算ルート3です。


計算ルート2では、筋かいのβによる応力割増し、筋かい端部・接合部の破断防止、冷間成形角形鋼管柱の耐力比確保、局部座屈などの防止、柱脚部の破断防止を行います。

計算ルート3

保有水平耐力の検討をする計算ルートです。ルート3の設計は靭性指向型の計算ルートとなりますので、


ベースシェアーを0.2とする代わりに、許容応力度計算に加えて保有水平耐力の計算(2次設計)のチェックが必要です。


最終的に必要な保有水平耐力を満足していればOKとなります。また、建築物の塔状比>4の場合、転倒の検討が必要です。

鉄骨造の構造計算ルートのフロー図

下図が鉄骨造の構造計算ルートのフロー図です。下図のフロー図をみて、建物の諸条件と照らし合わせながら、どの計算ルートに該当するか確認します。


鉄骨造の構造計算ルートのフロー図

混同しやすい用語

構造計算ルート1

比較的小規模な建物に適用する簡易な計算ルートで、許容応力度計算と仕様規定を満たすことで安全性を確認する。

ルート2・3に対して、ルート1は計算量が少なく簡便だが、適用できる建物の規模・高さに上限がある。

構造計算ルート3(保有水平耐力計算)

建物が保有する水平耐力が必要保有水平耐力以上であることを確認する詳細な計算ルートで、大規模・高層建物に適用。

ルート1に対して、ルート3は建物の終局耐力まで評価する高度な計算であり、適合性判定(適判)の審査対象となる。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では各構造計算ルートの適用条件(高さ・規模)と適判の要否が問われます。

「ルート1=仕様規定+許容応力度、ルート3=保有水平耐力計算」というルートの性格の違いを条件とセットで覚えましょう。

鉄骨造の構造計算ルートを整理した表を示します。

項目内容備考
ルート1(1-1・1-2)許容応力度計算+仕様規定Co=0.3に割増、小規模建物に適用
ルート2剛性率・偏心率の確認層間変形角1/200以下が条件
ルート3保有水平耐力計算(靭性指向型)大規模建物。適合性判定(適判)の対象

まとめ

今回は、鉄骨造の構造計算ルートについて解説しました。建物がどの計算ルートに該当するかは、前述した構造計算のフロー図をご確認ください


基本的に、計算ルートは建物の規模で変わり、建物規模が小さければ計算ルート1建物規模が大きい場合、計算ルート3を採用します。


構造計算ルートの詳細は下記が参考になります。

構造計算ルートとは何か?

構造計算ルート1とは?1分でわかる意味、適判、鉄骨造、鉄筋コンクリート造との関係

構造計算ルート2とは?1分でわかる意味、ルート3との違い、適判とルート2主事、鉄骨との関係

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