以前、別のページで構造計算ルートのざっくりとした説明をしました。そこでは、ルート1〜3まであります。という説明のみで終わりました。 しかし、実際にはそれぞれの構造種別ごとに構造計算ルートが定められています。このページでは鉄骨造についての計算ルートについて説明します。
ルート1−1
いわゆるルート1の設計に当たります。全ての構造種別に共通して言えるのですが、ルート1の設計とは、強度指向型の設計になります。要するに、建物の粘り強さに期待するのではなく、建物を固く強くして地震力に抵抗しようというものです。ベースシェアーと呼ばれる地震力の係数を通常は0.2なのですが、これを0.3に割りまして設計を行います。そうすることで、許容応力度設計だけやれば良いことになっています。
ルート1−2
これも大きくみればルート1なのですが、ルート1−1よりは制約があります。ベースシェアーは0.3とするのですが、加えて偏心率を15/100に抑えなさいという規定があります。つまり、ルート1−2の設計では、あまり偏った建物を扱うことができないのです。
ルート2
ルート2の設計では保有水平耐力の確認は必要ないのですが、剛性率や偏心率に規定が設けられています。また建物の層間変形角を1/200に抑える必要があります。実は、私自身まだルート2の設計を行った事がありません。なんか、中途半端な設計ルートというか。小さいならルート1で設計しますし、ある程度の規模になれば保耐の検討をすれば済むじゃん?と思ってしまいます。ルート1−2とルート2は不思議な設計ルートだなあーといつも思います。
ルート3
保有水平耐力の検討をする計算ルートです。保有水平耐力については、また別ページで述べるとします。ルート3の設計は靭性指向型の計算ルートとなりますので、ベースシェアーを0.2とする代わりに、1次設計と2次設計のチェックをする必要があります。最終的に必要な保有水平耐力を満足していればOKとなります。