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ヤング係数比とは、鉄筋のヤング係数Esとコンクリートのヤング係数Ecの比率です。ヤング係数比を用いることで、鉄筋とコンクリートそれぞれに作用する応力が計算可能です。
今回はヤング係数比の意味、式と計算方法、Fcの関係、ヤング係数比が15である理由について説明します。※コンクリートのヤング係数は下記が参考になります。
コンクリートのヤング係数は?3分でわかる意味と求め方、計算、fc24、fc30、圧縮強度との関係
ヤング係数比は、鉄筋のヤング係数とコンクリートのヤング係数の比率です。ヤング係数比は下式で算定します。
鉄筋のヤング係数は一定の値です。一方、コンクリートのヤング係数はFcやコンクリートの単位体積重量に応じて値が変わります。
※ヤング係数に関しては、下記が参考になります。
つまり、ヤング係数比はコンクリートの強度により値が変わります。ヤング係数比とFcの関係を後述しました。
下図をみてください。鉄筋コンクリートの柱に軸力が作用しています。鉄筋とコンクリートは一体化しているので変形量は同じです(歪εも同じ)。
よって、ヤング係数比nは下式から求めることができます。
σcはコンクリートの応力度、Ecはコンクリートのヤング係数、εはひずみ、σsは鉄筋の応力度、Esは鉄筋のヤング係数です。
鉄筋のヤング係数は、コンクリートの10倍以上大きいです。
鉄筋はコンクリートに比べ断面積が小さいのですが、鉄筋がコンクリートと同じヤング係数と考えるなら、実断面積の10倍以上あるのです。
ヤング係数比は、「鉄筋とコンクリート」という異なるヤング係数(E)を持つ材料を、同一として評価できる値です。下記も参考にしてください。
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前述したように、ヤング係数比はFcによって値が変わります。下表をみてください。ヤング係数比は下記の値を使います。
勘が良い人は「おやっ?」と思われたでしょうか。ヤング係数比を実際に計算すると分かりますが、7~9程度の値です。
それにも関わらず、n=15ですね。コンクリートのヤング係数は2.0×10^4程度ですが、クリープやひび割れにより、ヤング係数が落ちることが知られています。
それらの影響を考慮してコンクリートのヤング係数は計算値よりも「小さめ(柔らかめ)」に見込んでおきます。よってFc≦27のとき、n=15の値を使うのです。
ヤング係数比を用いることで、鉄筋とコンクリートの各応力度が計算できます。下図の例を元に、各応力度を導きます。
柱に作用する軸力Pが作用するとき、下式が成り立ちます。
Pは全体の軸力、Psは鉄筋に作用する応力、Pcはコンクリートに作用する応力です。各軸力は、ヤング係数と断面積に対応して下記となります。
このときEcをヤング係数比nとEsの関係に直して、上式に代入します。すなわち、
です。
さて鉄筋に作用する応力は下式です。
下式を「Esε=」の形になおします。
鉄筋の応力は、
なので両辺をAsで割ると、左項は「Ps/As」の形となり、これは応力度の式です。右辺はAsが無くなります。よって鉄筋の応力度は、
です。同様の計算でコンクリートの応力度も導けます。まず、EsをnとEcの関係になおします。
あとは同様の過程で代入・整理を繰り返します。結果、コンクリートの応力度は下式が得られます。
以上、各応力度の式を導きました。式は難しそうですが、実は何てことありません。これらは下記のイメージは数式化したものです。
例えば下式をみてください。
コンクリートの応力度を算出するため、鉄筋の断面積をコンクリートと等価な材質に置き換えるため、n倍(ヤング係数比倍)しています。
今回はヤング係数比について説明しました。ヤング係数比とは、鉄筋のヤング係数Esとコンクリートのヤング係数Ecの比率です。
例えば、鉄筋コンクリート部材の断面二次モーメントを算出するときも、ヤング係数比を使います。
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