この記事の要点
コンクリートの静弾性係数(ヤング係数)は設計基準強度と単位体積重量に基づいて計算します。
普通コンクリート(Fc21〜60N/mm2)の静弾性係数はおよそ2.0〜3.5×10?N/mm2(約21000〜35000MPa)程度です。
この記事では、コンクリートの静弾性係数とは何か、ヤング係数とどう違うのか、コンクリートの静弾性係数はどう求めるのかを整理します。
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静弾性係数とは、コンクリートの応力とひずみの比率を表す剛性指標です。
コンクリートの静弾性係数(せいだんせいけいすう)は、コンクリートの単位体積重量や設計基準強度(圧縮強度)に比例します。
よって鋼のように決まった値(2.05×105N/m㎡)では無いです。
コンクリートの静弾性係数は、計算式から求める必要があります。
なお静弾性係数は、「ヤング係数」「弾性係数」ということも多いです。
今回は、コンクリートの静弾性係数の意味、数値、計算(算出)、圧縮強度との関係について説明します。ヤング係数の意味は下記をご覧ください。
ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】
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コンクリートの静弾性係数(せいだんせいけいすう)は、下式で計算します。鋼のように一定の値ではなく、単位体積重量(γ)や設計基準強度(Fc)に比例します。
E=3.35×104×(γ/24)2×(Fc/60)1/3
静弾性係数は、単に「弾性係数」や「ヤング係数」といいます。
また静弾性係数と似た用語に「動弾性係数」もあります。
動弾性係数は供試体に振動を与えて算出します。
一方、静弾性係数は、応力とひずみの関係から求めます。
弾性係数(ヤング係数)の詳細は下記が参考になります。
ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】
下図をみてください。コンクリートの応力―ひずみ関係の概略図です(設計基準強度試験時)。
鋼の応力ひずみ線図と比べて、直線部分が少なく曲線を描いています。つまり静弾性係数も一定ではないです。前述の静弾性係数を求める式は、全国で実施された設計基準強度試験の「実験結果」に基づき求められたものです。
コンクリートの静弾性係数の計算式を下記に示します。
E=3.35×104×(γ/24)2×(Fc/60)1/3
実際に静弾性係数を計算しましょう。γ=23、Fc=24とします。計算結果は下記の通りです。
E=3.35×104×(γ/24)2×(Fc/60)1/3=3.25×104N/m㎡
上記の通り、コンクリートの静弾性係数は、鋼の1/10程度になりましたね。鋼のヤング係数は下記をご覧ください。
SS400のヤング率|205000N/mm²(全鋼材共通)の意味と換算
コンクリートの静弾性係数は、設計基準強度に比例します。コンクリートの設計基準強度は「24N/m㎡」が一般的です。27⇒30⇒33…と強度を上げるに従い、静弾性係数も高くなります(かたくなる)。
「当たり前だな…」と思うかもしれませんが、鋼は強度を大きくしても静弾性係数は一定です。強度を大きくすると静弾性係数も大きくなるのは、コンクリートならではの特長です。コンクリートの設計基準強度は、下記が参考になります。
コンクリートの設計基準強度と引張強度の関係は?1分でわかる意味、試験
混同しやすい用語
動弾性係数(どうだんせいけいすう)
超音波や共鳴法などの動的試験によって求める弾性係数で、非破壊試験で測定できます。
動弾性係数は動的な振動から求める値であるのに対して、静弾性係数は圧縮試験による応力・ひずみ曲線から求める値であり、静弾性係数の方が設計計算に用いられる主要な指標です。
ヤング係数(ヤングけいすう)
応力とひずみの比率を表す材料の剛性指標で、コンクリートの場合は設計基準強度(Fc)から計算式で求めます。
ヤング係数はコンクリート・鉄筋など材料ごとに定義される弾性係数の総称であるのに対して、静弾性係数はコンクリート固有の測定方法(圧縮試験)で求めるヤング係数の一種です。
コンクリートの静弾性係数を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 静弾性係数の計算式 | E=3.35×10?×(γ/24)2×(Fc/60)^(1/3) | γ:単位体積重量、Fc:設計基準強度 |
| 計算例(γ=23、Fc=24) | 約3.25×10? N/mm2 | 鋼の約1/10の値 |
| 鋼のヤング係数との比較 | 鋼:2.05×10? N/mm2(一定) | コンクリートはFcで変化 |
今回はコンクリートの静弾性係数について説明しました。
意味や数値が理解頂けたと思います。
コンクリートの静弾性係数は一定の値が無いです。
単位体積重量や設計基準強度に比例するため、計算式から求めます。
計算式を暗記する必要は無いですが、計算内容の意味は理解しましょうね。
下記も参考になります。
ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験ではコンクリートの静弾性係数の計算式(Ec=k×γ^2.3×Fc^1/3)と数値のオーダーが問われます。
鉄骨のヤング係数(2.05×10?N/mm2)との比較で、鋼材はコンクリートの約7〜10倍の弾性係数を持ちます。
静弾性係数が大きいほどひずみが小さく(剛性大)、小さいほど変形しやすい(柔らかい)という関係を理解しましょう。