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引張鉄筋比とは?3分でわかる梁と柱の引張鉄筋比の計算方法

引張鉄筋比をご存知でしょうか。引張鉄筋比は、釣り合い鉄筋比と比較してRC部材の断面算定に使います。今回は、そんな引張鉄筋比の意味や計算方法を説明します。

引張鉄筋比とは?

引張鉄筋比は、下式による値です。


pt=at/(b×d)×100


単位は%です。ptは引張鉄筋比、atは引張鉄筋の断面積(例えば4-D16なら796mu)、bは引張鉄筋比を求めようとする部材の幅、dは有効せいです。


つまり、引張鉄筋比は「引張側の応力に有効な鉄筋が、部材に何%の割合で配置されているか」を示しています。


では、引張鉄筋比は何のために計算するのでしょうか。1つは、釣り合い鉄筋比以上・以下を判断するためです。2つめは、柱やはり部材に最小の引張り鉄筋が配置されているか確認するためです。こちらは後述します。

引張鉄筋比の計算方法

引張鉄筋比の計算方法を詳しく説明します。梁と柱で根本的な計算方法は変わりません。1つ理解すれば、他の部材にも応用できます。

下図をみてください。RC梁の断面図を示しています。この部材の引張鉄筋比を計算しましょう。

梁の引張鉄筋比


なお、引張鉄筋は3-D19、dt=60とします。ptの算定に必要な数値を計算します。下記に示しました。


at=3×287=861

d=600-60=540

b=300


よってptは


pt=at/(b×d)×100=861/(540*300)×100=0.53%


となります。


1つ注意して欲しいのは、引張鉄筋が上端、下端のどちらになるのか。長期荷重時は、下側引張りになります。地震時は上側と下側の両方が引張です(地震は両方向の荷重が作用するからです)。応力状態を踏まえて、上端と下端のどちらが引張り鉄筋になるのか把握します。

柱の引張鉄筋比を計算する方法も、基本的には梁と同じです。1つ注意点があります。それは荷重の方向を意識すること。これによってbやdの値が変わります。下図を見てください。これは柱の断面を示しています。

柱の引張鉄筋比


このとき、X方向加力時にはD=700、b=500です。Y方向加力時はD=500、b=700です。さらに引張鉄筋atの値も異なるかもしれません。注意しましょう。計算方法は梁と同じなので省略します。

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引張鉄筋比と釣合鉄筋比の関係

前述したように、引張鉄筋比を求める理由は2つあります。その1つが、釣合鉄筋比との関係を確認するためです。釣合鉄筋比については、下記の記事が参考になります。

釣り合い鉄筋比ってなに?3分でわかる意味と、梁の断面算定の方法


もし引張鉄筋比が釣合鉄筋比より大きくなるなら、コンクリートの許容圧縮応力度により許容曲げモーメントが決まるので、引張鉄筋を多く入れる意味がなくなります(こちらも詳細は、釣合鉄筋比の記事で書いています)。

各種基準(規準)と引張鉄筋比の関係

引張鉄筋比は規準により最小値が明記されています。要は、「引張鉄筋は少なすぎてはダメだよ!」ということです。下記に引張鉄筋比や付随項目の規準を示しました。

1.主な梁は全スパンに渡り複筋梁とする。

2.引張鉄筋断面積は、0.004bdまたは存在応力によって必要とされる量の4/3のうち、小さい値以上とする。


1つめは、引張鉄筋比と直接関係ないのですが、配置する主筋に関する重要な規準です。複筋梁とは、鉄筋を複数本入れた梁、ということです。つまり、どんなに応力が小さい梁でも2本以上は鉄筋を入れる必要があります。


2つめは引張鉄筋比に関する規準です。0.004bdとは、引張鉄筋比が0.4%ということです。または存在応力から算定した引張鉄筋の1割増の配筋にする必要があります。

1.コンクリート全断面積に対する主筋断面積の割合は0.8%以上とする


柱は存在応力が小さくても、コンクリート全断面積に対して0.8%以上の主筋量が必要です。例えば、600×600の柱の場合、ag(主筋全断面積)は


ag=600×600×0.8/100=2880mu


です。8-D22を入れておけば上記の値を満足します。

まとめ

今回は、引張鉄筋比について説明しました。引張鉄筋比と釣合鉄筋比は併せて理解しておきましょう。また、そもそも引張鉄筋の求め方がわからない、という方は断面算定の方法も勉強しましょう。下記の記事が参考になります。

釣り合い鉄筋比ってなに?3分でわかる意味と、梁の断面算定の方法

鉄筋コンクリートの断面算定式の導出

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