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セメント・モルタル・コンクリートの違い:構成・用途・強度を比較

この記事の要点

セメント・モルタル・コンクリートの違いは「構成材料」の違いだ。

セメントは石灰石等を焼成した粉末状の接合材料そのもの、モルタルはセメント+砂+水を混ぜたもの、コンクリートはさらに粗骨材(砂利・砕石)を加えたものだ。

用途別に使い分けると、コンクリートは柱・梁・スラブなど構造体、モルタルはタイルの下地や目地・仕上げ、セメントは接着補修や充填に単独で使われることがある。

強度はコンクリート(Fc=18〜36N/mm²)>モルタルが一般的で、粗骨材が骨格として圧縮強度を支える役割を果たす。

建築士試験では各材料の成分・特性・用途の違いが出題されるため、3者の関係を整理して覚えましょう。

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セメント・モルタル・コンクリートの違いを正しく説明できますか?あるいは理解しているでしょうか。


これらの違いを説明するネットの記事は沢山ありますが、中には明らかな間違いが書いてある場合も。それだけ間違いやすい、注意しておきたい用語の1つです。


今回は、そんなセメント、モルタル、コンクリートの違いと特徴を、それぞれ説明します。セメントとモルタルの比重、モルタルの配合方法は下記が参考になります。

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セメントってなに?特徴について

まず誤解されている点があります。セメントとは、「触媒を用いて練り上げ効果した後に、ある程度の膠着性(接着性)、水硬性(水でかたまる)をもつ材料の総称」をいいます。


そのため、土木や建築以外に用いられている石灰・石こう・歯科医などで用いるものも「セメント」といいます。


何も土木、建築で使う材料がセメントではない、ということです。

セメントの主原料

では、セメントの主原料はなんでしょうか。土木・建築で主に用いられるセメントの主原料は、下記のとおりです。



以上の原料が、一定の割合で混合されたものが、建築で用いられるセメントです。

セメントの前身

さて、セメントの主原料は前述した通りです。実はセメントの歴史は古く、一番最初に用いられたのはエジプトのピラミッドと言われています。


それから時代とともに様々な改良が加えられ、現在のセメントに最も近いものは18世紀ごろ作られたと言われています。

色んなセメントの種類

前述したように、セメントには様々な種類があります。

その中でも、最も汎用性が高く使用される頻度の高いセメントが「ポルトランドセメント」です。

ポルトランドセメントは、フランス、ドイツ、アメリカ、日本で似たような時期(19世紀ごろ)に製造が開始されました。


他にも下記のセメントがあります。



早強ポルトランドセメントは、普通のセメントより短い期間で強度が発現します。これらは、様々な状況に応じて使用するため開発されました。


※ポルトランドセメントの詳細は下記が参考になります。

ポルトランドセメントとは?6種類の特徴・成分・使い方を解説

セメントの特徴

セメントには大まかに3つの特徴がある、と考えてください。下記に示します。



順に説明します。まずセメントには、接着性があります。セメントは元々は灰色の粉ですが、これに水を加えることでサラサラのペースト状になります(これをセメントペーストといいます)。


つまり、硬化するまでは液体に近い状態です。このセメントペーストに鉛筆を差し込み、硬化するのを待ちます。すると鉛筆はセメントペーストと接着されるでしょう。このように、セメントには接着性があります。


2つめは、水硬性です。前述したように、セメントは元々が灰色の粉です。しかし、水を加えることで化学反応を起こし、放っておくと硬化します。


これを水硬性といいます。水硬性は、後述するコンクリートで建物を造る際、最も重要な性質です。


なぜなら、コンクリートは固まる前は液状だからです。ゆえに、コンクリート構造物はどんな形態の建物でも造ることが可能です。ビル、ドーム、トラス、複雑な曲面のような造形性ある建物が創れる理由が、セメントの水硬性です。


3つめは、収縮です。セメントは水を加えると固まります。しかし、同時に収縮を起こします。この性質が、モルタルやコンクリートの「ひび割れ」を起こすのです。


硬化したセメントは、乾燥すると毛細管中の水分がなくなり、物質が互いを引っ張りあって収縮が始まるためです。


セメントやコンクリートが固まるためには、水が必要です。しかし、その水分が原因で収縮を起こすなんて、皮肉ですよね。


※コンクリートの収縮は下記が参考になります。

コンクリートの乾燥収縮とは?1分でわかる意味、乾燥収縮率とjass5、骨材、ひび割れとの関係


では次に、モルタルの説明をしますね。

モルタルってなに?特徴について

セメントの特徴が理解できれば、モルタルもすぐに分かります。モルタルとはセメントと下記の材料を混合したものです。



つまり、セメントペースト(セメント+水)に細骨材が加わった材料です。細骨材とは、簡単に言えば「砂」です。モルタルは、セメントペーストに比べると粘りがあって、ドロドロしています。水硬性があり、固まると一定の強度があります。


モルタルは、柱や梁、壁などの構造体として使われることはありません。強度が不十分で、弱いからです。モルタルの強度には、比重や配合が関係します。モルタルの比重、配合は下記が参考になります。

モルタルの比重・重さ一覧|生コン・砕石・砂との比較表

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しかし、外壁の下地や化粧としては十分な硬さを持っているので、床や壁の上塗り、外壁の下地として用いられます。


左官工事を行う際、職人さんが塗っている材料がモルタルです。モルタルは作業性が良いため化粧材として使われます。例えば、下記のカ所にモルタルを使います。

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コンクリートってなに?特徴について

最後にコンクリートの特徴についてです。コンクリートはセメントに下記の材料を加えたものです。



モルタルに粗骨材が加わったものが、コンクリートです。粗骨材とは、「石」をイメージすれば良いでしょう。細骨材との違いは大きさです。大きい骨材が粗骨材、小さい骨材が細骨材です。


コンクリートは強度が高く、柱や梁、壁などの構造体として用いられます。ただし、圧縮力に強く引張力に弱い性質があります。よって鉄筋をいれ「鉄筋コンクリート」としての利用が一般的です。


コンクリートはモルタルに比べ、さらに粘りが増します。またセメント量を増やすなどして、強度を高めます。そのため作業性が悪くなりやすく、「ワーカビリティ(作業性)」を考慮した材料設計が重要です。


※ワーカビリティの意味は下記が参考になります。

1分でわかるワーカビリティの意味と、スランプとの関係

セメントとモルタル、コンクリートの違いを知るたった1つのポイント

いかがでしたでしょうか。つまりセメントとモルタル、コンクリートの違いは下記となります。


混同しやすい用語

モルタル

セメント+水+細骨材(砂)を混合した材料。

仕上げ材・目地材・左官材として使用される。

コンクリートに対して、粗骨材(砂利)を含まないため流動性が高く、薄い部分への充填や表面仕上げに適する。

コンクリート

セメント+水+細骨材+粗骨材(砂利)を混合した材料。

構造体の主要材料として建物の骨格を形成する。

モルタルに対して、粗骨材を含むため強度・耐久性が高く、柱・梁・床スラブなどの構造部材に使用される。

セメント・モルタル・コンクリートの3者比較表

項目セメントモルタルコンクリート
成分 石灰石・粘土・けい石・酸化鉄・石こう セメント+水+細骨材(砂) セメント+水+細骨材+粗骨材(砂利)
骨材 なし 細骨材のみ 細骨材+粗骨材
強度 低(単体では使わない) 中(仕上げ材レベル) 高(構造体に使用)
主な用途 モルタル・コンクリートの原料 外壁下地・床仕上げ・目地材 柱・梁・床スラブなどの構造体
主な特徴 接着性・水硬性・収縮 流動性が高く薄塗り可能 圧縮に強く引張に弱い

ポルトランドセメントの種類一覧

種類特徴主な用途
普通ポルトランドセメント 最も汎用的・標準的な強度発現 一般的な建築・土木工事
早強ポルトランドセメント 短期間で強度が発現する 寒中工事・工期短縮が必要な場合
超早強ポルトランドセメント さらに早期に強度発現 緊急補修・極寒冷地
中庸熱ポルトランドセメント 水和熱が少ない ダム・橋脚などのマスコンクリート
耐硫酸塩ポルトランドセメント 硫酸塩による劣化に強い 海水・硫酸塩土壌に接する構造物

まとめ

今回はセメントの特徴や、モルタル、コンクリートの特徴と違いを説明しました。これらの用語は間違えやすく、ネット上には誤った記事も沢山あります。


正しい知識を身に付け、セメントやモルタル、コンクリートの違いを理解しましょう。モルタルの比重、配合など併せて勉強しましょうね。

モルタルの比重・重さ一覧|生コン・砕石・砂との比較表

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理解度チェック

Q.

セメント・モルタル・コンクリートの構成材料の違いは?

答えを見る

セメントは石灰石・粘土などを主原料とした灰色の粉、モルタルはセメント+水+細骨材(砂)、コンクリートはセメント+水+細骨材+粗骨材(砂利)を混合したもの。

Q.

セメントの主な3つの特徴は?

答えを見る

膠着性(接着性)・水硬性(水で硬化する性質)・収縮の3つ。水硬性によりどんな形態の建物も造れる一方、収縮がひび割れの原因となる。

Q.

用途と強度の違いは?コンクリートに鉄筋を入れるのはなぜか?

答えを見る

コンクリートは強度が高く柱・梁・スラブなどの構造体、モルタルは強度不十分で外壁下地・床仕上げ・目地材に使う。コンクリートは圧縮に強く引張に弱いため、鉄筋を入れて鉄筋コンクリートとして用いる。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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