この記事の要点
コンクリートのせん断耐力は長期時Qa=b×j×α×fsで計算し、せん断破壊は脆性的な破壊形式のため部材の急激な耐力低下につながります。
短期時の計算式にはせん断補強筋の効果を加算し、終局時はさらに別の式を用います。長期時はコンクリート断面のみでせん断力を負担する考え方です。
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コンクリートのせん断耐力は下式で求めます。
Qa=b*j*α*fs
Qa せん断耐力
b 梁幅 mm
j 梁の応力中心間距離mm
α せん断スパン比
fs コンクリートの許容せん断応力度(長期時の値)N/m㎡
コンクリートはせん断破壊(せん断力による破壊)に注意します。せん断破壊は脆性的な破壊(脆い壊れ方)だからです。
今回はコンクリートのせん断耐力の求め方、計算式、終局時の求め方について説明します。せん断耐力、せん断破壊、脆性破壊の意味は下記が参考になります。
せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位
コンクリートは、鋼材と比べてせん断力に弱い材料です。そのため、コンクリートはせん断破壊が起きないよう注意します。
せん断破壊とは、せん断力による破壊形式です。下図をみてください。これがせん断破壊です。せん断破壊が起きると、部材は急激に耐力が低下します。
梁にせん断破壊が起きた場合、床や人の重みなどに耐えきれず、梁が傾いたり落ちる可能性もあります。
そこで、鉄筋コンクリート部材は、せん断力に対してせん断耐力の余裕が必要です。
せん断破壊、せん断耐力の意味は下記が参考になります。
せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位
また、せん断破壊のように「脆い壊れ方」を脆性破壊ともいいます。脆性破壊の意味は、下記が参考になります。
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コンクリートのせん断耐力の計算式は、
長期時
短期時
終局時
で違います。終局時の式は少々複雑なので、下記の書籍をご確認ください。
長期時と短期時のせん断耐力をそれぞれ説明しますね。
計算式を下記に示します。
Qa=b*j*α*fs
Qa せん断耐力
b 梁幅 mm
j 梁の応力中心間距離mm
α せん断スパン比
fs コンクリートの許容せん断応力度(長期時の値)N/m㎡
上式より、長期時のせん断耐力は「コンクリートの断面だけでせん断力を負担する」考え方が一般的です。
短期時や終局時になると、「せん断補強筋の効果」を考慮します。せん断補強筋の意味は、下記が参考になります。
せん断スパン比αは、曲げモーメントとせん断力、有効梁せいとの比率です。せん断耐力を増加させる係数なので、α=1として計算しなくても間違いでは無いです。
せん断スパン比とは?1分でわかる意味、求め方、m/qd、割増係数
許容せん断応力度は、長期時の値を使います。下記が参考になります。
計算式を下記に示します。
Qa=b*j{α*fs+0.5*ft(pw-0.002)}
Qa せん断耐力
b 梁幅 mm
j 梁の応力中心間距離mm
α せん断スパン比
fs コンクリートの許容せん断応力度(短期時の値)N/m㎡
ft せん断補強筋の短期許容応力度N/m㎡
pw せん断補強筋比
せん断補強筋比の意味は、下記が参考になります。
長期時のせん断耐力とは違い、せん断補強筋の効果を考慮します。
終局時のコンクリートのせん断耐力は、前述した2式とも違います。終局時のせん断耐力の式は、建築物の構造関係技術基準解説書に詳しく書いてあります。下記の書籍をご確認ください。
混同しやすい用語
せん断強度
コンクリートがせん断力によって破壊する直前の強度で、材料試験で得られる破壊強度の値です。
せん断耐力は断面寸法や補強筋を含む部材全体が負担できるせん断力の値であるのに対して、せん断強度はコンクリート材料そのものの強度を指す点が異なります。
曲げ耐力
部材が曲げモーメントに抵抗できる限界の大きさで、梁や柱の断面設計で用います。
せん断耐力は剪断力に対する抵抗力であるのに対して、曲げ耐力は曲げモーメントに対する抵抗力であり、両者はそれぞれ別の破壊形式に対応した設計値です。
コンクリートのせん断耐力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 長期時の計算式 | Qa=b×j×α×fs | コンクリート断面のみで負担 |
| 短期時の計算式 | Qa=b×j{α×fs+0.5×ft(pw-0.002)} | せん断補強筋の効果を加算 |
| 破壊形式の特徴 | 脆性的破壊(急激な耐力低下) | 曲げ破壊(じん性的)との違いに注意 |
今回はコンクリートとせん断の関係、せん断耐力について説明しました。コンクリートは、けっしてせん断力に強く無いです。
せん断破壊が起きないよう、十分なせん断耐力を確保したいですね。下記の記事も併せて参考にしてください。
せん断耐力とは?1分でわかる意味、求め方、コンクリートの式、単位
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
コンクリートのせん断耐力の計算式は変数が多く、長期・短期・終局の違いを問われることがあります。
せん断破壊が脆性的な破壊(急激な耐力低下)であるという点は、曲げ破壊(じん性的な破壊)との違いとして出題されます。
長期時の計算でα=1(せん断スパン比)として計算しても問題ないという実務上のポイントも覚えておくと役立ちます。