この記事の要点
富配合とは、砂に対してセメントの容積比が大きいモルタルで、高い強度・付着力を持つが乾燥収縮しやすい特性があります。
富配合は杭と地盤の付着強度確保に用いられ、貧配合(セメント少・砂多)と対比して理解します。
この記事では、富配合・富調合とは何かを整理します。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
富配合とは、砂に対してセメントの容積比が大きいモルタルのことです。似た用語で貧配合があります。
今回は、富配合の意味、読み方、貧配合との違い、杭との関係について説明します。また富配合と下塗りの関係を説明します。
セメントとモルタル、コンクリートの特徴、違いを知るたった1つのポイント
富配合は、砂に対してセメントの容積比を大きくしたモルタルのことです。セメントを多く入れた分、強度が大きいです。一方で、ひび割れが発生しやすい配合です。
セメントは水と反応し熱を発生します。これを水和反応といいますが、セメントを多くいれると水和反応による熱(水和熱)が高くなります。
この熱収縮により、表面のひび割れが発生しやすくなるのです。
富配合の目的は下記です。
また前述したひび割れの発生を抑制するため、
します。
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
富配合は「ふはいごう」と読みます。貧配合は「ひんはいごう」です。
貧配合とは、砂に対してセメントの容積比を小さくしたモルタルです。富配合に比べてひび割れが発生しにくいメリットがあります。これは、セメント量を少なくしたことで水和熱が減ったからですね。
貧配合とする目的は下記です。
また、仕上がりの精度を上げるため
します。
前述した富配合と貧配合の違いを下記に示します。
モルタルを富配合にするときは、下記の2つです。
コンクリートを圧送するに先立ち、富配合モルタルを圧送して配管内の潤滑性を高めます。これにより、コンクリートの品質変化を防止します。
また富配合は強度が高いため、外壁の下塗りとして用います。
埋込杭の場合、杭を建て込む前にプレボーリングします。このとき、孔内が崩れないよう貧配合のモルタル(セメントミルク)を孔周面に吹き付けます。
これをセメントミルク工法といいます。詳細は下記が参考になります。
混同しやすい用語
貧配合
砂に対してセメントの容積比が小さいモルタルで、ひび割れが発生しにくい特性を持ちます。
富配合がセメントを多く入れ強度・付着力を高めるモルタルであるのに対して、貧配合はセメントを少なくしひび割れを抑制する目的で用いられます。
セメントミルク
セメントと水だけを混ぜた非常に流動性の高い材料で、埋め込み杭工法の孔壁安定などに使用されます。
富配合がセメントと砂の割合を調整したモルタルであるのに対して、セメントミルクは骨材を含まないセメントと水だけの混合物です。
富配合と貧配合を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 富配合 | 砂に対してセメント容積比が大きいモルタル | 強度・付着力大、ひび割れ発生しやすい |
| 貧配合 | 砂に対してセメント容積比が小さいモルタル | ひび割れ発生しにくい、水和熱が少ない |
| 富配合の用途 | コンクリート圧送時の先行モルタル・外壁下塗り | 配管内の潤滑性確保・強度確保が目的 |
今回は、富配合の意味について説明しました。富配合とは、砂に対してセメントの容積比が大きいモルタルのことです。
富配合と貧配合は、セメント量がどう変わるのか理解しましょう。どういった場面で利用されるのか覚えておきましょうね。
セメント・モルタル・コンクリートの違い:構成・用途・強度を比較
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
富配合と貧配合の違いは?
富配合は砂に対してセメント容積比が大きいモルタル(強度・付着力が大きいがひび割れが発生しやすい)、貧配合はセメント容積比が小さいモルタル(ひび割れが発生しにくい)です。
富配合がひび割れしやすい理由は?
セメントを多く入れると水和反応による熱(水和熱)が高くなり、その熱収縮により表面のひび割れが発生しやすくなるためです。
富配合の用途は?
コンクリート圧送時の先行モルタル(配管内の潤滑性を高めコンクリートの品質変化を防止)や、強度が高いことから外壁の下塗りに用います。
